見出し画像

株は心理戦(4月8日号)


日経平均は3月21日の安値38,271円が底値目途か?

 4月1日の週の東京株式市場は、寄り付きから引け値までの週足は1,654円の大幅マイナスで、ボラティリティの高い地合いだった。新年度に入った1日には、いきなり一時600円を超える下落で始まり、週末5日には一時千円安に迫る急落で、終値も3万9千円を割り込んで引けた。

 今週の日経平均株価は、一目均衡表の雲の上限が38,600円処にあり、ここを意識した展開になることが予想される。昨年11月9日に一目均衡表の雲を突き抜け、長期上昇基調を続け4万1千円の最高値を更新してきた。しかし、4月第一週の急落で一目均衡表の雲の上限に急接近している。この一目均衡表の雲の上限に到達した時点で調整は完了するのか、それとも雲を突き抜け更なる下値模索へ入るかについて、筆者は一目均衡表の雲の上限の38,600円処から3月12日の安値38,271円までの間で自律反発の可能性があると見る。

 米国株式市場は、5日に発表された雇用統計が力強い内容となり、米国経済が引き続き健全であるという見方を裏付けた。プラム・ファンズのトム・プラム社長は、「堅調な経済が必ずしもインフレを引き起こすわけではない。雇用統計は景気後退の可能性が低いことを裏付け、利下げ時期よりも重要」と述べている。年内利下げ回数が3回から2回に減少したことで、主要3指数は軒並み下落したが、5日の週末は反発して引けた。今後、軟調に展開した時の下値目途としては、38,000ドルから38,500ドルの間と見ている。

7003三井E&Sは二番底で底入れ確認か?
7014名村造船所と共に並走相場スタート!

 こうした軟調な相場展開の中で、当面の底値を確認した銘柄が出ている。それが7003三井E&S(1,695円)だ。4月1日、米子会社のクレーン生産再開が好感され株価は2,130円まで急騰。しかし、3月26日に付けた2,133円が抜けず失望売りに押され、4日には1,604円まで急落した。しかし、この急落はチャート上では2月27日(1,614円安値)の二番底に当たり、当面の底値を確認したと見られる。その証拠に4月5日には、日経平均が約千円安でも1,605円まで下げても4日の下値を切ることはなかった。そして、引けにかけて39円高と自律反発し1,695円まで戻した。

 2,133円を抜かず2,130円から1,604円まで、僅か4日間で526円(24.7%)の急落で二番底を示現したのは、明確な買い方の強い意志であると考える。上昇トレンドに入るためには必要な道のりであり、5日の日経平均の急落でも敢えて安値を下回らなかったことも、買い方の強い意志が働いたと見るべき※だ。この買い方の意志を思考の根底において相場の今後を占えば、本格的な出直り相場がスタートすると先読みする。

 7014名村造船所(1,794円)も3月15日の安値1,780円を切り1,770円の二番底を付けた。理論的には、3月22日の高値2,282円を抜いた時点で買いシグナルが点灯するが、年初来高値までは僅か79円で、上場来高値の2,510円でも228円と射程圏に入っている。

 6857アドバンテスト(6,042円)は5,600円を下回れば買い場到来と見る。他、半導体関連株、海運・造船株も買い場は近いと見て、突っ込み場面は注目。

※投資行動は自己責任でお願いします

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?