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株は心理戦(2月19日号)

歓声と拍手なき株式市場に最高値更新の賑わい
GDPは世界4位に後退、復活の狼煙となるか


日経平均株価は16日、取引時間中に38,865円まで上昇し、終値の最高値38,915円まであと50円に迫り、最高値が34年ぶりに手が届くところまで迫ってきた。終値は前日比329円高の38,487円と大幅に続伸し、連日バブル崩壊後の高値を更新して取引を終えた。日経平均は、1週間で1,239円(寄り引け値ベース)と大幅に上昇し、3万7千円台の滞留期間は僅か数日で、3万8千円台に駆け上がってきた。市場は半導体関連株の利食い売りをこなしながら相場全体にうねりが見られる。一時代前なら市場参加者が店頭に溢れ、歓声と拍手が聞こえるところだが、現在ではネット証券が主流で街に証券会社が消えて久しく、兜町ですら証券会社の店頭の株価ボードは見当たらず、見入る人も殆どいない。そんな兜町に34年ぶりに、熱気はないが賑わいが戻ってきた。歓声と拍手なき現在の株式市場ではあるが、デフレ経済脱却と経済の好循環を頼りに、先行指数である株式市場が日本経済の黎明を告げているようだ。

米国株式市場は、S&P500が最高値を更新するなど、主要3指数が揃って上昇していたが、16日の米卸売物価指数(PPI)が予想を上回り、利下げ期待が後退したことで、主要3指数は6週間ぶりで週間下落となった。市場の観測として、FRBは少なくとも夏季までは政策金利を据え置くとの見方が浮上している。

時おりしも、2023年の名目国内総生産(GDP)がドル建てで比較すると日本はドイツに抜かれ世界第4位に後退したという。世界各国のGDPをドル換算したところ日本は4兆2106億ドルで、ドイツは4兆4561億ドルだった。日本がドイツ経済規模を下回るのはおよそ半世紀ぶりで、円安を背景にドル建てで目減りしたことになる。林官房長官は15日の記者会見で「バブル崩壊後、企業は足元の収益確保のために賃金や成長の源泉である投資を抑制し、結果として消費の停滞や物価の低迷、成長の抑制がもたらされた」と指摘した。デフレ経済下で失われた30年が、日本全体の硬直化をもたらし活力を奪っていたことになる。

年初の年間注目の2銘柄が今週では延3回のストップ高

14日に決算発表した7014名村造船所と7003三井E&Sが、15日から株価は急騰し名村造船所はストップ高を交え終値ベースで485円高。三井E&Sは2回のストップ高で300円高し、2日間で2銘柄併せて3回のストップ高を獲得した。「株のヒットメーカー」の面目躍如であり、特に7014名村造船所は1,560円を抜ければ、上昇第2章が始まると既報していた。

7014名村造船所(1,903円)は、次に目指すべき山(高値)は2007年10月31日に付けた上場来高値2,510円であることは間違いないと思う。この上場来高値に到達したとしてもPERは13.42倍で、現在の平均PERの16倍には上値の余地を残している。筆者が既報で第3章と指摘したのはこのことであり、長期戦になることは間違いない。材料の規模、背景、収益寄与度、そして時流などを鑑みても特急品の逸材だと直感した。じゃじゃ馬だけに振り落とされないよう要注意。

新規で、7280ミツバ(1,415円)は、14日発表の決算を好感され15日には300円高のストップ高。同社はホンダ向け自動車用ワイパーモーターを主力に、今3月期の連結営業利益予想を150億円から190億円(前期比2.8倍)に引き上げ、年間配当予想も3円増配して6円配と予想。今3月期予想一株益は200円で、PERは現在の株価で7.07倍と割安感が台頭。

※投資行動は自己責任でお願いします

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