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株は心理戦(3月11日号)

値幅なら半値押し、日柄なら「彼岸底」か?
日米共に金融政策決定を睨み静観か!


3月7日に日経平均株価は、40,472.11円の史上最高値を更新後に急落し、4万円を割り込み調整色を強めている。8日は90円高と小幅に反発したものの戻り売り圧力は強く、8日の大証ナイト終値では38,790円と3万9千割れを示唆。前号で指摘した通り「3月は押し目を待つ月」となりそうだ。

2月8日から1ヵ月間で約4千円の短期急騰をもたらし、夢の4万円相場を示現した日本市場は、いかにも急ピッチだけに調整局面入りは当然と言えば当然である。ではどの程度の調整となるかについては、値幅なら約1ヵ月間の上昇分の約4,500円の半値押しに相当する38,200円処から38,000円割れまで、日柄調整なら「節分天井、彼岸底」の経験則に照らし「春の彼岸」前後と先読みする。いずれにせよ買い気が強く、値動きに惑わされることなく狙った銘柄の押し目を待ちたい。

18,19日に行われる日銀の金融政策決定会合で、マイナス金利解除を支持する声が広がり始めている。日銀においは昨年を上回る賃上げ期待が大きく、15日の連合第一次集計を見極めたうえで最終判断となるもよう。

8日の米国株式市場は、寄り付きこそ値上がりして始まったもののS&P500とナスダックが過去最高値を更新後、半導体関連株から下落に転じて失速した。米労働省が8日発表した2月の雇用統計によると、過去2ヵ月分の雇用増加数が下方修正され、失業率が約2年ぶりの水準に上昇し、米国の労働市場が減速しつつある可能性が示唆された。8日の短期金融市場では、連邦準備理事会(FRB)が5月1日の会合で利下げに着手するとの観測が高まり、6月半ばまでに利下げが開始される可能性が75%から80%に上昇した。

3月5日に年初来高値を更新した7014名村造船所と、6日に年初来高値を更新した7003三井E&Sは、当欄で本年の活躍株として推奨した2銘柄。半導体関連株に負けず劣らず上昇志向が強く、仕手化した材料株の中心的存在に成長した。ここでは、今週の推奨銘柄というよりは長期的視野で材料性を評価して、折に触れ取り上げていきたい。

三井E&S(2,553円)は、年初1月9日に768円で年間の活躍株として推奨し、僅か2か月で2,890円まで上昇して株価は3.7倍増と大飛躍。同社は、ライセンサーであるドイツのMANエナジーソリューションズSEと、国際海運水素関連ビジネスの早期立ち上げを狙い、同社玉野工場内においてシリンダ直径50㎝の船用2サイクルテストエンジンで水素燃焼運転に成功したと発表。

同社株式は、人気化した直後からボラティリティ(価格変動率)が高く、短期値幅取りを狙う相場巧者なら妙味は大きいと思われるが、飛び乗り飛び降りにはリスクが大きい。今後、ボラティリティが緩和されることを望みながら、長期的視野で取り上げたい。

7014名村造船所(2,096円)は、昨年10月下旬に800円割れを買い推奨したことは、読者の皆様は良くご存じの事と思う。前号では、2007年に上場来高値の2,510円を付けた相場の参照を提案した。同年は4月から月足は4ヵ月連続の陽線で約千円上昇している。8月に上場来高値2,280円を付けた後、調整に転じて1,410円で底打ちして反騰に転じている。そして、2ヵ月後の10月に2,510円の上場来高値を付けている。

筆者は、この銘柄は2,510円を抜くまでが上昇第2章と記したが、2008年になぞらえれば今3月は調整と見ることができる。ここまでの上昇過程において節目を重視してきただけに、相場全体の調整局面を利用して可能性がある。

その他の活躍銘柄の中でも、調整後に更なる上値を目指す銘柄とあや戻しの程度の銘柄があることを明記しておく必要がある。

※投資行動は自己責任でお願いします

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