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株は心理戦(3月18日号)

日米の金融イベントの結果次第
懸念材料織り込みアク抜け待つ




 3月7日、40,472.11円の最高値を付けていた後、調整色を強めていた日経平均は、本欄で既報通り半値押しに当たる38,271円で下げ止まり、3万8千円台で揉み合っている。15日に日銀は、マイナス金利解除に踏み切った場合でも、政府・日銀がデフレ脱却や2%の物価上昇目標を盛り込んだ共同声明を当面継続すると報じられた。日銀の大規模金融緩和策が大きな転換点を迎える中、共同声明の変更で金融市場に不測の事態が及ぶことを回避する狙いがあると見られる。18,19日に行われる日銀の金融政策決定会合でマイナス金利を解除する方向で最終調整に入っていると伝えられていることを受けてのものだが、日銀はマイナス金利解除が市場に混乱を与えることが無いよう、一貫して慎重姿勢でいることが窺える。

 注目されていた春闘は満額回答が相次ぎ、日本製鉄のような要求額3万円を超える3万5千円回答など、今年の春闘の賃上げ率は第1回集計平均で5.28%となり、昨年の3.60%を上回り33年ぶりの高水準となった。日本経済の好循環が更に広がることが期待され、長期デフレ経済からの脱却へ千載一遇の好機が巡ってきた。

 米国で注目されていた米3月ミシガン大消費者信頼感指数速報値は、76.5と2月の76.9から上昇予想に反し低下し年初来で最低となった。予想を下回ったことで米国債相場は下げ止まり、10年債利回りは4.306%に低下した。3月19,20日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利の据え置きが決定されるとの見方が大勢で、FRBが3ヵ月ごとに公表するFOMC参加者の政策金利見通し(ドットプロット)が注目されている。

 米国金利を巡っては、バイデン大統領と共和党のトランプ氏の間でも11月に行われる大統領選挙の道具にされている。バイデン大統領は早期利下げを主張し、トランプ氏は当然だが早期利下げを否定しているが、FRBはどのような判断を示すかが注目される。



本命銘柄台頭へ機を窺う



 調整中の日経平均株価の底値と反騰時期について、多くの投資家の注目点であることは間違いない。筆者は、「半値押し」にあたる38,236円と「彼岸底」を指摘したが、先週1週間の値動きを見ると値幅、日柄共に足らないように見えてならない。日米の金融イベントの結果次第ではあるが、日米の金利問題はほぼ織り込まれつつあり、ショック安があれば押し目買い好機と見る。

 先週の活躍株を見れば5010日本精蝋などの幕間繋ぎ銘柄が大半で、本命銘柄が動き辛い環境が垣間見られる。期末に向け押し目、突っ込みを狙い虎視眈々と期待銘柄を狙い待つ。

 半導体関連銘柄を中心に、7014名村造船所(1,862円)を押しのけ造船株の中心銘柄に急成長している7003三井E&S(1,789円)が仕手化の様相。9984ソフトバンク(8,637円)、5726大阪チタニウム(2,535円)など。





※投資判断は自己責任でお願いします

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