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株は心理戦(3月4日号)

夢の日経平均4万円台は必至だが
心理的目標達成感はどう働くか?




日経平均株価は3月1日、39,990.23円を付け、あと10円で4万円というところまで上昇した。終値は39,910.82円で引けたが、日経平均が4万円の新時代を迎えたことに対し感慨深いものがある。更に、シカゴ日経平均先物は220円高の40,220円、大証ナイト終値でも190円高の40,190円と先物市場では先行して4万円相場はスタートしている。

但し、日経平均は2月8日に3万6千円から一気に上昇志向を強め、3月1日までに立ち合い日数は僅か15日間で約4千円の上昇したことになり、いかにも急ピッチ過ぎる。夢の4万円台乗せには心理的達成感もあり、更なる上昇は暴落のきっかけにもなりかねない。マスコミが連日の「実感なき最高値」報道にも違和感があり、株式市場は本来大騒ぎを好まず、社会の注目が集まり始めると調整局面に入ることが少なくない。12月こそ小幅な陰線で終わったものの、昨年11月から強調相場が続き、1月、2月と押し目らしい押し目もなく3月入りした。値幅なのか、日柄なのかは別にして調整局面は必至ではないかと先見し、筆者は「3月は、押し目を待つ月」と先読みする。

米国株式市場では、S&P500とナスダック市場が過去最高値で引け、人口AIへの期待感が依然として強く、米国債利回りの低下も押し上げ要因となった。また、エヌビディアが4%高となり、終値ベースで時価総額が初の2兆憶ドル台に乗せたことや、デラフィア半導体指数も終値ベースで過去最高値を更新したことなど、半導体関連の話題は尽きない。主要3指数も揃って4ヵ月連続で上昇したことになる。米国経済が堅調に推移する中で、連邦準備会(FRB)が利下げ時期を更に後退することも想定する必要がある。



「もうはまだなり、まだはもうなり」現時点をどう読む!

3月末、国内年金勢のリバランスで急落懸念も!



日経平均4万円相場を牽引してきた銘柄の中にも上値が重くなるものや、一部には二重天井(ふたえてんじょう=ダブルトップ)を形成しつつある銘柄に加え、アドバンテストのようにPER80倍超えの割高銘柄まで続出している。格言に「もうはまだなり、まだはもうなり」とあるが、現時点は「もう」なのか「まだ」なのか、投資家の皆さんのご判断はいかに。更に、格言で「買いたい弱気、売りたい強気」というのがある。これも投資家心理を表したものだが、投資家の相場観が問われる強弱感対立の場面に差し掛かった。敢えて付け加えれば、3月末を見据えた国内年金勢のリバランスによる株売りで想定外の急落懸念もあるようだ。

 新NISAで現物株の株式投資で頑張っている投資家の中には、キャピタルゲインとインカムゲインの二通り方がいる。今3月の投資スタンスはインカムゲインも一つの選択肢ではないか。

 7014名村造船所は、2月29日に2,126円の年初来高値を更新したが、引け値は寄り引け同値の2,080円だった。高値圏での十字足は売りのシグナルになる可能性が高く、翌3月1日の高値も2,126円で高値更新とならなかったために、二重天井との見方が浮上している。4日以降、高値を抜けず2,026円を切ると売りシグナルが点灯するので要注意。同社株が2007年7月に2,510円の上場来高値を着けた相場が参考になると思う。今回と同じように月足で4カ月連続の陽線で2千円台に乗せた後、1カ月間にわたる大きな値幅調整をあった。そして、2か月後に史上最高値着けた。飛躍前の力を貯めるために一旦体制を沈めた(調整)ものと見られる。今3月相場が飛躍のための調整となるのか。



インカムゲインを想定して、

◆8130サンゲツ(3,500円)

24年3月期を上方修正し、期末配当を従来の70円から75円に増額。

◆1820西松建設(4,541円)

野村證券がレーティング「Buy」で目標株価5,150円に。173円配でPERは16.75倍。

◆2914日本たばこ産業(3,879円)

期末一括配当194円、新NISA人気株上位銘柄で利回り約5%。PER15.13倍。

◆1662石油資源開発

250円配。国内天然ガス価格上昇と円安効果。24年8月末までに2百億円上限に自社株買い。

◆8473SBIホールディングス(3,989円)

160円配、PER14.66倍。大和証券は目標株価4,200円に引き上げる。

※投資行動は自己責任でお願いします



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