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株は心理戦(2月26日号)

日経平均株価は最高値を更新し4万円視野
エヌビディア効果で半導体関連株押し上げ

22日の東京株式市場は、日経平均株価が1989年12月29日の大納会の終値である38,915円を抜き、836.52円高の39,098.68円で引け史上最高値を約34年ぶりに更新した。円安を背景に好調な企業業績と、賃金と物価上昇による経済の好循環、更にデフレ経済脱却への期待感が広がったことが要因だ。特に、2023年度の企業業績は過去最高水準となる見通しだ。

1990年以降、三重野日銀総裁(当時)の総量規制によるバブル潰しが始まり、日経平均株価は先物主導による長期下落基調に転じた。リーマン・ショック後の2009年3月10日には、終値としてバブル崩壊後の最安値である7,054.98円を記録した。2012年に当時の安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」を機に上昇基調に転じた。2013年に日銀が導入した大規模な金融緩和策も株価を支える要因と見られている。

22日に、日経平均株価が最高値を更新するきっかけとなったのが、米国半導体大手のエヌビディアが市場の予想を上回る好決算を発表したことによるもの。決算前には期待値が上がっていたため、警戒感もあったがデータセンター向け売り上げが前年比5倍増だったことや、中国向け需要が旺盛で日本国内の関連銘柄にも連想買いが波及し、日経平均に寄与度の高いハイテク株が軒並み大幅高となったことが上昇の要因に上げられる。

出遅れ株にも物色意欲が広がるか

23日の東京市場は天皇誕生日の祝日で休場だったが、米国の株式市場は史上最高値を更新し、日経225先物の終値は39,470円と4万円を狙える位置まで上昇している。但し、年初から日経平均を牽引してきた半導体関連株に高値警戒感が台頭していることは否めず、決算月に向けた期末配取りや出遅れていた小型株への物色が広がることも期待したい。

米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が前日に続き終値ベースで最高値を更新した。注目されたAI関連銘柄の買いが続いていることで、週間ベースで主要3市場は揃って上昇したことによるもの。エヌビディアが予想以上の好決算を受け0.4%高で引け、時価総額が初めて2兆ドルを突破した。連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後ずれしている懸念材料もあるが、エヌビディアを中心とするハイテク株への買い気が強く、懸念材料がかすんで見えるほどだ。

今週は、FRBが物価指数として重視する1月個人消費支出(PCE)価格指数が注目となる。13日に発表した1月の消費者物価指数(CPI)や16日の生産者物価指数(PPI)が共に市場を上回ったことで、米利下げ後ずれ観測が高まったこと考慮すれば、調整期を余儀なくされる懸念材料ともなりうる。

出遅れ株、材料株に注目して以下の3銘柄

7241フタバ産業(1,076円)

トヨタ向け自動車マフラーで国内トップ。30円配当でPER7.6倍は割安。

7280ミツバ(1,332円)

ホンダ向け自動車ワイパーモーター。一株益200円でPER6.6倍。

4176ココナラ(488円)

「ココナラスキルマーケット」の海外決済対応を通じ、海外購入ユーザー向けサービス開始。通期計画クリアし、先行投資の回収期が視野。

「7014名村造船所」一言メモ

2月16日に1,966円の年初来高値を更新し、4日間の調整を経て切り返す。新値追い展開から2千円台乗せが見えてくる。筆者が指摘通り上昇第2章の終着点の上場来高値の2,510円の挑戦があるかも。

※投資行動は自己責任でお願いします





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