崖っぷち男

山登りと動植物の飼育をこよやく愛し、大学生と高校生の二人の子を持つ50代の崖っぷち男。…

崖っぷち男

山登りと動植物の飼育をこよやく愛し、大学生と高校生の二人の子を持つ50代の崖っぷち男。平平凡凡に暮らしてきたツモリが、軽度認知症の父。お墓のある納骨堂のの破綻。昇給停止等人生詰んでいた事に気っき、大逆転をかけあれこれ模索する奮闘記

最近の記事

朝の通勤途中

    • 日本どら息子協会の挑戦(司法試験予備試験令和2年民法)

      あれ、あれ、あれ、日本どら息子協会というのに、お姉さんもいるよ。 ここは日本どら息子協会関西教室。新たに始まった司法試験予備試験セミナーの講義会場です。 ニートどら息子を何とか社会に出そうとする金満家の親御さん達が、その才能を持て余している子女が多いので、同じく暇を持て余している我が深瀬弁護士に講師を依頼したのでした。 美味しいたこ焼きを食べようと、体重150キロ(また少し太った)の巨漢。小兵(こひょう)弁護士も出張に随行しています。 少し、教室をのぞいてみましょうか。 「

      • 桜尽くしと公法研究会(令和3年司法試験予備試験憲法)

        2日間に及ぶ勉強合宿。女子学生の皆様お疲れ様でした。最後を締めくくるのは、法律の最高峰である憲法です。 お昼には、元「のれん」の女将の作るちらし寿司を食べて深瀬先生はお腹いっぱいで眠たそうです。それに引き換え、講師と生徒は適度に緊張が抜けてよい感じです。 あれ、あれ、あれ、教室調の机配置から、各自机を移動させて、丸い円の円周に乗るような形で机を配置しましたよ。 何が始まるのでしょう。先陣を切って、加奈子弁護士が話し始めました。少しのぞいてみましょう。 「合宿最後のコマは、憲

        • 洗うが如く2(by赤貧太郎)

          もう時効だからよしとしよう。 僕は35年に渡る役人生活の3分の1を家庭裁判所というところで過ごした(今でも形は職員ではあるが・・・)。 僕が入社した当時には、家庭裁判所の自慢は、調停という非公開の制度で、調停委員が、夫婦の別れ話を聞いて、なんとか円満に解決しようと奮闘努力するシステムで、当時、調停という場でどんな話が行われているのか、調停委員というフィルターを通してしか分からなかった。 歳月が流れ、家庭裁判所に人事訴訟という裁判制度が入り、夫婦の話が当事者尋問という形で聞け

        朝の通勤途中

          桜尽くしと公法研究会(令和3年司法試験予備試験行政法)

          おやおやおや。一夜明けた勉強会は何やらざわめいています。 それもそのはず、あの澤谷加奈子弁護士が講師席についています。 妹の奈美弁護士も並んで座っています。 もちろん、タヌキというかムジナというかその類(たぐい)の深瀬さんもいました。 公法研究会を宿泊付きの勉強会で頑張る生徒さんと一緒にしようという粋な計らいです。 昨夜の持ち寄りビュッフェから、サプライズで澤谷姉妹が登場してから場内は興奮のるつぼと化してしまいました。 午前中の講義もその興奮が冷めやらぬうちに行われるのですか

          桜尽くしと公法研究会(令和3年司法試験予備試験行政法)

          桜尽くしと悪事三昧その3(司法試験予備試験令和3年刑事実務)

          (ゴールデンウィークとその明けは時間がなく、刑事実務は書けそうだったので、とらあえず書いたものです。もし万が一にもこの答案シリーズを読んでいる方がいたら、飛ばして下さい。下調べが不十分ですし、推敲もされていません。深瀬さんの登場も最小限度にしています。次回の公法から頑張ります。) 桜あんの和菓子と抹茶でティータイムを取り、いよいよ本日の最終科目である刑事実務の講義に入ります。作者の都合でカットされるのは、たいがいですよね。少し授業をのぞいてみましょう。 (深瀬先生の授業。ただ

          桜尽くしと悪事三昧その3(司法試験予備試験令和3年刑事実務)

          洗うが如く(by 赤貧太郎)

          さてさて、賢明なる紳士淑女の諸君におかれましては、私の書く法律のナンタラの拙い文章で、これはどういった意味なのかとか、何でこのような結論になるのかと嘆き、呻く声が聞こえてきそうであります。 少し息抜きになるようなエッセイをしたためようと書いたものの、日々、決まりきった仕事をして、決まりきった時間に帰宅し、趣味というものもなく、これまでの人生で、法律を少しかじったことがあるぐらいで、他に取り立てて人よりこれと言って優れているものがない。 デカルト風に言えば、 「我、思う。ゆえ

          洗うが如く(by 赤貧太郎)

          桜尽くしと悪事三昧その2(司法試験予備試験令和3年刑事訴訟法)

          ※今回も解説主体にしたので面白くないでせうよ(明治の文豪調、余り面白くなので、暇を見つけてエッセイと小説を書くことにしました。乞うご期待) お昼ご飯の桜そばとひつまぶしが京家町子さんによって振る舞われた後、少し雑談をして、午後の勉強会が始まりました。「のれん」の室内は十分に暖かく、通常であれば、例えば、たぬきが講師を務める「日本どら息子協会」などでは、睡魔に襲われコクリコクリするどらちゃん(※注 ドラえもんではなく、どら息子達のこと)が続出するところですが、さすが有志女子学

          桜尽くしと悪事三昧その2(司法試験予備試験令和3年刑事訴訟法)

          桜づくしと悪事三昧(令和3年司法試験予備試験刑法)

          ※今回は題名に関わらず、法律的なことばかりで全く面白くないでせうよ (古文調。筆者) ここは小料理屋「のれん」があった建物。今は民泊として活用されています。何やら聞き知った声が聞こえます。 そう、公法合宿と称して、1泊2日で深瀬たぬきが指導する女子学生の勉強会が「のれん」の建物を借り切って公法の勉強会を行うそうです。 女子学生だけが十数名集まっているので、深瀬たぬきも嬉しそうです。 少しのぞいてみましょう。 (司法試験予備試験令和3年刑法) 以下の事例に基づき,甲及び乙の

          桜づくしと悪事三昧(令和3年司法試験予備試験刑法)

          桜と公達(令和4年司法試験倒産法第2問)

          ※この物語はフィクションです。 無表情の白髪の運転手が、ブレーキを軋ませガクンとバスを止めた。 京都市営バスは、錆びた看板ある停留所に止まった。 急停車に肝を冷やしたもの、満開の桜並木に歓声を上げ、ゾロゾロと花見客が降りてきた。 停留所名かつては「三条公園前」と書かれていたのが、はげて「三条ハ口」となっていた。「参上」と「Hello」だねと若い男女が機知に富んだ会話をしていた。 発車従っているバスから、最後に小さいのと大きのが降りてきた。 深瀬と小兵である。 乗客を吐き出し走

          桜と公達(令和4年司法試験倒産法第2問)

          そのタヌキ凶暴につき(令和3年度司法試験予備試験民事実務)

          あれ、あれ、あれ、どうしたことでしょう。 普段、タヌキ顔の深瀬先生が怒った様子のオオカミ顔。 これには、深い訳があるのです。深瀬先生、篤志家により食と住が賄えていますが、その他のものが賄えていません。特に札幌に残してきた妻タヌキと大学生子ダヌキと今年大学受験の子ダヌキの生活費が捻り出せないのです。 それは、そうでしょう。還暦を前に司法試験を受かった弁護士と、司法試験を難なく通って才気溌剌の若手弁護士、あなたはどちらに依頼しますか。 しかし、捨てる神あれば、拾う神あり。日本どら

          そのタヌキ凶暴につき(令和3年度司法試験予備試験民事実務)

          ある日の沓脱(くつぬぎ)さん(司法試験予備試験令和3年民事訴訟法)

          精彩を欠くので、多分、檀上のマイクの調整をしにきたと思っていた中年男性が、いきなり講演を始めたので驚いた。 私、沓脱泰子(くつぬぎたいこ)は神戸の大学に通う法学部の3年生である。関西は私鉄が発達しているので、京都から通学している。 高校時代の先輩から、「裁判所職員になったけど、序列がうるさくて中世のギルドみたいで最悪。早晩辞めることになるわ。」と言われ、公務員は自分に向かないと思い、自由業である弁護士になろうと、せっせと大学に通うようになった。同じ学部の友人から桐山検事という

          ある日の沓脱(くつぬぎ)さん(司法試験予備試験令和3年民事訴訟法)

          さわやかな子回顧録(創業者Aの憂うつ,司法試験予備試験令和3年商法)

          深瀬弁護士から、「NOT」の執筆をお願いされた。何でも、「スキ」が数が伸びず、代わりに「キライ」の数が急増しているからだという。 「何でも良いから、書いてくれ。」と言われ、はたと困った。深瀬弁護士にはお世話になっているので、仕方なく引き受けたが、元々文才がない。 弁護士活動だけは、中学生の時に、両親を不慮の事故で失ってから、すぐに資格を取得したので、三十路に差し掛かったところだけど、すでに15年もキャリアがある。そこで、私がまだ小娘で、すでに時効となった思える大昔の事件のこと

          さわやかな子回顧録(創業者Aの憂うつ,司法試験予備試験令和3年商法)

          ワインセラー焼失事件(ミス・パープルの事件簿から 司法予備試験令和3年民法)

          深瀬は早起きである。特に春先はなんだかワクワクして夜明け前には目覚めてしまう。 今日も夜明け前には起き出し、浴室の清掃、玄関先の清掃と打水、広大な面積を誇る石庭の清掃、白砂のならしを終え、ひとっ風呂浴び、元「のれん」の主人が作った、朝食に出す予定の豪華な朝食のおかずの残りとご飯と味噌汁を分けてもらい、部屋に戻った。 ここは、一番安い部屋でも一泊120万円する割烹温泉旅館であり、清掃員として働く深瀬は、出資者の厚意により全8室のうち一室を割り当てられており、優雅な生活を過ごせて

          ワインセラー焼失事件(ミス・パープルの事件簿から 司法予備試験令和3年民法)

          公法研究会その3(令和4年司法予備憲法)

          深瀬は、澤谷奈美弁護士と大阪梅田でお好み焼きを食べていた。 今日は、あのいまわしい公法研究会に両名とも出席した後であった。 「なんだかな。」と深瀬が言って、ぶた玉を金属ヘラで切って口に放り込んだ。 「なんだかね。」と言って、モダン焼きを食べていた奈美がビールをぐいっと飲み干した。 このような感想しか残らない第2回公法研究会は次のように始まった。 参加するだけで、大金がもらえると聞いて、全国津々浦々から弁護士が駆けつけ、参加者は3万人まで膨れ上がり、今回の開催は、成金ホール

          公法研究会その3(令和4年司法予備憲法)

          「古墳」と言えば龍白山(りゅうはくさん)(令和4年司法予備行政法)

          *この物語はフィクションで人名、地名は実在しません。 京都市内からバスに揺られて小一時間。 この時期の龍白山行きのバスは混んでいた。 ものの30分ほど緩やかな山道を歩けば登れる低山で、台地というような表現が相応しく、頂上付近が平になっており、ちょうど今が桃の花盛りで、頂上から桃の花と京都市街が一望できる。北の崖付近に指定を受けた古墳がある。 最近、所有しているD宗教法人により整備され、四季の花を愛でることのできる公園になり、頂上を周回する散道に茶屋が所狭しと並んで、四季折々

          「古墳」と言えば龍白山(りゅうはくさん)(令和4年司法予備行政法)