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私それ、やらないからね。

イラストレーターとして仕事をする上でポートフォリオが必要、ということはもちろん分かっていましたが、なかなか作れずにいました。

こんなの描いて!と頼まれる → 描いて提供
という方式で制作していると「依頼に対する回答」という形の作品が貯まるばかりで、それを集めたところで「なんだかまとまりないね」「結局あなたの作風ってわかんないんだけど?」みたいなものになってしまう。
どうしたもんだろうね?と思いながらも、まあ、しょうがないかな、と放置していました。

先日、とあるグッズ制作に参加させていただきました。
そこで出会った問題。

「こんなものを作ろうとしている。」
「それでこんなイラストがほしい。」
「たとえばこんな感じとか、こんなのとか(Pintarestで探しながら)」
「じゃあ来週の水曜には仮組みしたいから火曜までにお願いね。」

(イラスト提出後のミーティング)

「もっとバリエーションが見たい。」
「もっといろんな表現を試してみてよ。」
「リアルに描いてみるとか、版画っぽくするとか、消しゴムハンコ得意でしょ?」

「あなたの可能性に期待してるんだよ?」
「○○さんは丁寧に説明してくれてるでしょ?」
「こんな仕事に関われるチャンス、ほかにないよ?」

「納期とか、あなたが気にする事じゃないから。」
「ディレクターは〇〇さんなんだから、いいからあなたは言われたものを描きなさい。」
「あれこれ言ってないでいいから手を動かしなさい。」

ちょっともう、ついていけないです。
版画とか、消しゴムハンコとか、それっていつまでに作ればいいんですか?
シンプルな作風で行こう!って方向だったと思うのになぜここでリアルを要求?それボツになるって分かってるのにやらなきゃダメですか?っていうかどうせ大半ボツなんでしょ?
来週までに試作品のデータを完成、印刷屋さんに発注、それを持ってクライアントとミーティングってプランを先週聞きましたが?時間ないでしょ??
作業に必要なこと確認したいだけなのにやる気ない人扱いやめて!

かつての恩師との仕事だったので学生扱いされるのはある程度仕方ありませんが、私、イラストが本業な訳でもなくメインの仕事は別にあって、イラストにそんなに時間かけられないって知ってますよね?
あなた達の気軽な「ちょっと見てみたい」に応じるためにどれだけの時間と労力が必要なのか想像できないの?
できない = やる気ないor自信ない、その決めつけは失礼!
私が感じてるのはクリエイターとしての限界じゃなくて、生き物としての限界なんですよ!本当に無理なの!!

ポートフォリオ作らないとね。
依頼されて作った物を集めて見せるんじゃなくて、「自分はこういうのが作りたいんです」という形式の。
そうじゃないといつまでもディレクター的立場の人に振り回されることになってしまう。やってらんないわ。

つまり大量の自主制作が必要。
頼まれて作るんじゃなくて、頼まれないものを先に作る。
この際クオリティは二の次でまずは物量。
やりたくないことに対して「いたしません!」と言うために。

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