2024年問題への対策①
物流業界の2024年問題について
物流・運送業界の「2024年問題」とは、働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が課されることで生じる問題のことです。
具体的には、ドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることで、一人当たりの走行距離が短くなり、長距離でモノが運べなくなると懸念されています。
さらに、物流・運送業界の売上減少、トラックドライバーの収入の減少なども考えられると言われています。
生活を支える物流・運送業界は業務の特性上、長時間労働が常態化しやすい業種でした。
長時間労働の背景には、ドライバーの若手不足や高齢化、またECの成長による需要の増加などが挙げられます。
このような実態を改善すべく、働き方改革関連法に基づき、時間外労働時間の制限が定められたということです。
ドライバーの全体の労働時間が削減されることで懸念されている問題はいくつかありますが、特に大きな問題は「物流の停滞」です。
特に、近年Amazonや楽天市場をはじめとするECサイトが拡大し物流量は増加傾向にあります。
この状況に加えて、人手不足によって物流が滞る可能性があると言われています。
ヤマト・日本郵便の呉越同舟
ヤマト運輸と日本郵便は現在ポスト投函型の配達で提携をしています。
ヤマトにとってポスト投函型の配達は、「メルカリ」などフリーマーケットアプリの需要を取り込んで利用を伸ばしてきた成長分野でした。
そんな成長サービスをライバルである日本郵便に渡してでも、本業に集中する必要があるほど2024年問題は深刻なのです。
日本郵便にとってメールやSNSの普及で郵便物の取扱個数は減り続けており、この提案はありがたいものとなりました。
運送用ロボットの導入
ドライバーの荷待ち時間の削減は、労働時間の短縮につながります。
アイリスオーヤマは作業器具や軽荷物を自動化できる搬送ロボットを製造しました。
また、ルート上にある人や障害物をスムーズに回避できるため、安全に運用することが可能です。
このロボットを活用して荷待ち時間を削減できれば、業務効率化につながります。
物流システムの共同運用
ユニ・チャームやライオンなど日用品メーカーと卸の合計10社は共同の物流システム基盤の運用を始めるとしています。
10社連合は共同運送も視野に入れ、運転手不足で物流が滞る懸念がある「2024年問題」に備えるとしています。
日用品は商品の種類が多いうえ、配送頻度も高いのが特徴です。
そして、トラックの荷下ろし作業が長引くと、別のトラックは倉庫周辺で待機するしかないそうです。
長い場合は半日単位で待ち時間が発生することもあり、運転手の長時間労働の要因の一つとなっているのです。
日用品連合は今後、メーカー各社の共同配送も視野に入れるとしています。
各社の拠点を最短ルートで回り効率よく卸の倉庫に届け、配送スケジュールを自動で算出する仕組みも検討するとしており、物流業界の問題は様々な業界へ広がっているのです。
他にもIT業界、車体メーカーなども様々な解決策を考えています。
業務効率化をできるだけ行うことも大事ですが、私たちも再配達をなるべく減らすなどできるところから始めなくてはならないですね。
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