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NTTが再エネDC開発

NTT東京電力HDは再生可能エネルギーで電力をまかなうデータセンター(DC)を共同で開発すると発表しました。

今後普及が見込まれる生成AIは膨大なデータ処理が必要で大量の電力を消費するため、環境負荷が低いDCの開発を進めることでDCと環境負荷低減の2つの需要を取り込みたいという狙いです。

NTTは日本や米国など世界98拠点で148棟のDCを運営しており、世界3位のシェアを持っています。

https://dc.jp.nttdata.com/datacenter/japan/index.html


NTTは2027年度末までにDC事業に1.5兆円以上の投資
を行い、2022年度から2027年度にかけてDC事業のEBITDAを2倍以上に成長させることを目指しています。

EBITDAは「Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization」の略です。

日本語で表すと、「利息、税金、減価償却費及び償却費控除前の収益」になります。

簡単に言うと「営業利益+減価償却費」という意味です。

https://group.ntt/jp/ir/library/material/2023/pdf/irpresentation2311.pdf


DC市場は2028年までに1,368億ドルに達すると見込まれており、急激に拡大していくとされています。

また、データセンターはNTTがこれまで培ってきた技術を活かせる領域のため注力しているのです。

https://group.ntt/jp/ir/library/material/2023/pdf/irpresentation2311.pdf


そして、DC市場が拡大する中で課題となるのが電力消費です。

DCの消費電力は非常に多く、今後生成AIの普及が進めば、電力消費はさらに増えると予想されます。

例えば、「ChatGPT」のベースになった「GPT-3」に匹敵する巨大な大規模言語モデルの場合、1回の学習で原子力発電所1基を1時間稼働させたのと同等の電力量を使うとされるほど大量の電力を消費するとのことです。

生成AIの開発や利用が進めばDC需要は従来予測を20%以上上回るとの予測もあり、それに伴って電力消費も増えるとされています。

つまり、DCの需要と電力の需要はセットで考える必要があるということですね。

そしてここにビジネスチャンスがあるとして世界のIT企業も動いています。

アマゾン・ドット・コムは25年までに事業運営に必要な全ての電力を再生エネルギーでまかなう目標を打ち出していたり、グーグルはファーボ・エナジーと組んで新型の地熱発電所を稼働させて地元電力会社への供給を始めたりしています。

実は日本では再生エネルギーの調達コストが高く、欧米に比べてDCの再生エネルギーへの切り替えが遅れているという事実があります。

そのため、再生エネルギーで世界に遅れをとってしまうとDCについても遅れてしまうことになります。

NTTは時代に合わせて稼ぐ事業を変化させてきました。

DCはNTTの強みが活かせる領域ですし、シェア拡大も狙えるので日本を代表する企業として応援していきたいと思います。

NTTの詳しい情報は以下の記事で書いていますので読んでいただけると嬉しいです。


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