第三者が価値を高めるiPhone
圧倒的な稼ぎ頭であるiPhone
2022年のAppleの売上高は約3383億ドル、1ドル=150円として日本円に換算すると約51兆円になります。
これを製品別でみると、iPhoneが52%を占めており圧倒的な稼ぎ頭になっています。
2022年のiPhoneの売上高は約2055億ドル(=約31兆円)となるのですが、この数字がいかに驚異的かわかりますか?
2022年のトヨタの売上高は約30兆円です。
この時点でiPhoneのすごさがわかると思います。
iPhoneだけの売上高でトヨタを超えてしまうのです。
これがiPhoneなのです。
なぜiPhoneの利益率は驚異的なのか
Appleの売上高構成のうち半分以上を占めるiPhoneですが、世界のスマートフォン市場におけるシェアはどうでしょうか。
スマホのOSでのシェアを見ると実はアンドロイドOSのシェアが1位で半分以上を握っており、iOSは30%程度なのです。
ただ、台数ベースのシェアでは2位につけるiPhoneですが、利益率ではandroidを大幅に引き離している事実もあります。
すなわち、台数ベースではシェアは低いものの、市場から得られる利益は半分以上をiPhoneが獲得しているのです。
なぜこのようなことが可能なのかというと、答えは簡単です。
製造コストの低いiPhoneを高い値段で販売しているからです。
iPhoneというとどのようなイメージを持たれていますか?
androidと比較して高級品、Appleというブランド、ぜいたく品というイメージではないでしょうか?
世界でもそのイメージは定着しています。
そして、iPhoneは高級品というイメージを生み出したのはアップルストアでした。
ジョブズは世界のファッション都市にアップルストアを続々と設置し、一流のファッションブランドと同等の高級感を確立するのに成功しました。
アップルストアの内装は非常に高級感があると思います。
このように実際にストアで感じる高級感により、iPhoneは高級品というイメージが私たちの脳内に焼き付いているのかもしれません。
サービスの拡充
最初に見ていただいたグラフでiPhoneと同時に注目してほしいのが「サービス」の分野です。
もう一度載せますが、iPhoneに次ぐ売上高を誇っています。
このサービスの内容が何かというと、App StoreやApple Musicなどを合計したものです。
そしてこのApp StoreによってiPhoneの価値はAppleが何もしなくても高まっていくのです。
Appleはアプリケーション開発市場(App Store)に他の企業や開発者を積極的に取り入れています。
私たちが普段使用するアプリはApple純正のアプリだけではないですよね。
そのアプリを開発する企業や個人をApp Storeは受け入れているということです。
つまり、Appleだけでは生み出すことができない様々な利便性の高いアプリが生み出されることによってiPhoneの価値は高まっていくのです。
便利なアプリが生み出されることでそのアプリが使用できるiPhoneの利便性も高まっていくということです。
このように、もとの製品の価値にサードパーティーが生み出した価値が上乗せされていくほど、顧客の満足度が高まっていく効果をネットワーク効果と言います。
ネットワーク効果のメリットは一度価値を上乗せするサードパーティーを獲得し、充実したサービスが提供できる環境が整うと、雪だるま式に多くの利用者を獲得していくことができるということです。
Appleはイノベーションプラットフォームを提供することで逆にそのプラットフォームの価値を高めているといえるでしょう。
このプラットフォームは参入障壁が非常に高いと言えます。
今後もiPhoneはAppleの稼ぎ頭として君臨していくのではないでしょうか。
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