花王の構造改革②【AUBEの終了】
AUBEの終了
花王は中価格帯のブランドである「AUBE」の販売を終了すると発表しました。
これは花王が進める構造改革の一環で、現在花王が抱える30もの化粧品ブランドのうち10ブランドを統廃合や廃止の対象とするとしています。
今後は「KATE」や「モルトンブラウン」など20ブランドに集中することで経営効率を図る計画です。
花王はすでに構造改革の一環として中国での紙おむつ生産を終了しています。
また、ペット事業の一部についてもエステーに売却をしています。
その際の記事は以下に書いていますので読んでいただけると幸いです。
花王の中期経営計画では構造改革の内容としておむつ事業の整理と化粧品事業のブランド整理を挙げており、今回はその計画の一部に当たります。
一般消費財メーカーの雄としてきちんと計画を遂行しているのは好感が持てますね。
花王の近年の業績は厳しい状況です。
それはEPSの推移をみると明らかで、2019年以降毎年減少を続けています。
ただ、花王は連続増配企業で日本1位であり、33年連続増配中の企業です。
そのため、配当性向は毎年増加をしているということになります。
2022年については80%を超えています。
これは1株当たりの利益のうち80%を配当に回していることです。
これが100%を超えると1株当たりの利益では賄うことができず、これまで積み上げた利益のうちから配当を出すことになってしまいます。
そろそろ限界が近いのは事実のため、花王は構造改革を行うことで経営を立て直そうとしているのです。
選択と集中
花王の構造改革の肝は「選択と集中」です。
花王は非常に多くのブランドを抱えていたため、経営資源が分散してしまい、主力ブランドに十分に注力できないという弱点がありました。
そのため、収益が見込めないブランドや事業を統廃合、売却をすることで勝てるブランドに集中する狙いがあります。
「選択と集中」で成功したのはAppleでしょう。
経営が苦しかったAppleはスティーブ・ジョブズの復帰後にiPhone、iPad、Macといった少ない商品に注力することで大復活を遂げました。
花王も構造改革の計画通りきちんと選択と集中を行っていますし、方向性は間違っていないと思います。
今後、主力ブランドに注力することで復活を果たし、増配年数を積み上げていってほしいと思います。
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