お別れをしてあげない

昔、インチキな手相見のおじいちゃんに「君は人との繋がりを鎖のように捉えているようだね…」って言われたことを忘れていない。手相に出ていたはずはなくて(なぜなら彼は女の子の手を触りたいだけのインチキ手相見だったから)、「おおぅ、確かにそうだな!」って合点がいったし実は今もそう思っている。繋がりは硬くも重くもできるしパチンと弾けて切れてしまうこともあって、素材が何かやサイズにもよるけれど、キラキラのネックレスみたいにして飾ったりとか引き摺ったりとか、粗末にも大切にも、いかようにもお好みでやれます。


子どもの頃、私はお別れがとても下手くそで、例えば夏休みに従姉妹のお姉ちゃんたちとバイバイをするのがイヤ過ぎて泣きまくって泣き疲れて寝て起きたら家に着いて朝になっていて、寂しくてまた泣いて、、、みたいなハイパー面倒くさい子だったの。小学校を卒業するまではずっとそうだったんだよなー。従姉妹はずっと従姉妹なので、中学生になってからは「またね!」って言えるようになって、母親と思い出話をするたびにそのエピソードが話題に上る。ごめんやったで、かーちゃん。


お別れ、したくなくない???可能な限りさ。


助平なインチキじーさんのお陰で、お別れをせずに済む方法を手に入れたのです。サビさせない方法も分かるしコマの繋ぎ目も把握できる。しなやかでピカピカとしていて触るとほんのりと冷たくて心地が良くて、絡まることもあるけれど、ほどいてあげることも縛ってあげることもできる鎖をしていきたい所存、今後も、人と。




あ、なんかホラーな感じになっていたらかたじけないです。ミザリーみたいな。(あの映画、鎖で繋いでたっけ?紐だったかしら…。)
大丈夫です、私は怖い人間ではありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?