にちか

日記

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最近の記事

大切な人をなくすということ

こんばんは。 先日私は、川本三郎さんの「いまも、君を想う」を読み終えた。 読み終えると同時に、美しい文章というものを実感した。 無駄がない。それでいて遊びがある。 文章の中に見えない隙のようなものがそこかしこにあるのに、ばらばらしている感じはしなかった。 全てがそこにあるべきものとして統率がとれていて美しい。なのに、文章の最初から最後までずっと一人ぼっち。 今まで面白い文章を書きたいと思っていた私は、川本さんの文章を読んでからこんな文章を書けるようになりたいと思うようにな

    • 「こんなことが書きたいわけじゃなかった」

      一番最初に文章を書いた時、思ったことだった。 昔から文章を読むことが好きだった。書くことも好きだった。誰かが書いたものを読むのも好きだった。街中の目に入った文字を口に出して読み上げる癖は昔からで今も治らない。 何度も街中の広告にハッとさせられたことがある。今でも大事に胸に秘めている言葉の中にも、いくつか広告の文章がある。 日本語は美しいもので、一つの物事でも表現がいくつもあり、書式は文字数が決められたものから自由形までいくつも存在する。 幼い頃は、小説家になりたいと思っ

      • 20歳になって知ったこと、これからの十年間

        小学生の頃、20歳は立派に大人だと思っていた。みんな恋愛をして、仕事をこなしてかっこよく生きるものだと思っていた。先日友人と話していて、小学生の頃何歳で結婚しようと思っていたかの話になった。彼女も私も、24歳くらいで結婚して25歳くらいで子供を産むと思っていたし、私に至っては3人は子供が欲しい、と思っていた。むしろ24歳での結婚は自分の好きなことを一通りやり終えた後の少し遅めの結婚とすら思っていたのだ。そしてそれを現実的な未来だと思っていた。 現在20歳で、まあもうすぐ21

        • 2023年の抱負

          2023年が始まった。なんだかんだ去年はいい年だった。 一時は結婚したいとすら思っていた恋人と別れ、モデルエージェンシーに応募し、大学の単位を落としまくり、自分が写っている写真を見る事すら嫌いだったのに被写体をすることを好きになり、色々な経歴の友達が増え、そしてまた好きな人ができた。その恋はかなわずに2023年を迎えることになったけれども。面白い一年だったな。 友達と話していて、お互いの2021年と2022年を比べた。私も彼女も、いろんなことが変わっていた。好きな人の名前も

        大切な人をなくすということ

          無題

          幼い頃の記憶はもうあまり残っていない。一番古い映像の記憶は、幼稚園の頃大嫌いなドッジボールに参加させられて半泣きになったときの記憶だ。そもそも未だにドッジボールという競技に理解を示せない。逃げる人にボールを当てるなんてなんて野蛮な競技なんだろうと思ってしまう。 基本古い記憶に対する興味があまりないのか幼いころの記憶がほとんどない私だが、静止画でなら思い出せる場面がいくつかある。 私の両親は共働きで、小さい頃から家に一人でいることが多かった。6歳くらいの頃、母と二人で家にい

          自信のない猫と私

          私には自信が欠けている。 そもそもどう生きたら自信が身につくのか知らない。でも世間は、自信がなさそうな人を見ることを嫌うらしい。不安そうにしている人間をみたらこちらまで不安な気持ちになるからか。好きな本にある記述だ。だから自信のあるふりをした方がいい、とも。 でも自信のあるふりは残念ながら難しい。喜怒哀楽がはっきり表現できる人間は自信があるように見える。にこにことよく笑う人間も自信がありそうだ。私もよくへらへらするけれど、でも全然自信がない。自信のつけ方を模索してもう10年く

          自信のない猫と私

          めった刺しの自尊心と、私の過去の供養

          よく考える。自尊心は必要だ。自分を肯定してあげることって実は結構大事なんじゃないかと思っている。 生きてる限り自分の綺麗な部分も恥ずかしい部分も全てを肯定することができるのは自分だけだ。自分と全て同じ感覚や価値観を持った人などこの世に存在しない。好きだったあの人も、なんとなく苦手だったあの人も、結局どんな人だったのか完全には知らない。知らないままもう会えなくなった。 そもそもどれだけ会話をしても、どんなに長い期間一緒に居ても、大切な誰かのことを全ては理解してあげられない。人生

          めった刺しの自尊心と、私の過去の供養

          私の好きな人、好きだったものども

          好きな作家は、私のくだらない放言になんの返事もくれない。かつての恋人は「おやすみ」と私にLINEを寄越した後眠れずにSNSを見ていた。姉は隣の布団の中で見知らぬ人が作った動画を見ている。眠れないまま気づいたら午前3時で、翌朝母はそんなんやからニキビがなくならへんのやでと笑った。そんな母は来春父と離婚する。 好きな作家の本がこの初春に映画化した。いつか見に行こうと思っていたら3月になっていて、慌ててその映画の最終放映予定日に新宿で観た。結果として東京は爆発し、主人公が片割れの

          私の好きな人、好きだったものども

          時限爆弾

           私には夢がありました。実はずっと前から。 綺麗なお洋服を着てランウェイを歩きたかった。ただ生きているだけじゃ恥ずかしくて着られないような服を着て、個性的なメイクをして颯爽と歩く。 スポットライトに当たってみたい。舞台が好きでした。一度だけ出た高校生の時の演劇の、観客のその向こうにあるライトのまぶしさが忘れられなかった。 いつかMVに出たかったな。たった四分弱の世界に閉じ込められる登場人物になりたかった。  中二の時に見たミュージカルを今でも覚えています。アマチュアの舞

          時限爆弾

          寂しさと真夜中

          この文章は3月に書いたものだ。でもすごく気に入っていて、来年の3月まで待てないから今はもう7月だけど掲載することにする。 私にとって26時は間違いなく真夜中だ。しかし24時は真夜中なのかわからない。真夜中を自由に定義できるなら、真夜中はあたりが静まって私はもう一人きりだと錯覚するその瞬間のことだと定義したい。するときっと"24時"は人によって変わってきてしまうのだろうな。でも私にとっての真夜中はそういうものだ。 寂しくない人なんてこの世にいるんだろうか。私は昼も夜も寂しい

          寂しさと真夜中