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オバケレインコート

従兄弟のSくんから聞いた話。
Sくんの通う小学校には「オバケレインコート」という怪談がある。
それは天気予報が外れて雨が降った日の放課後、理科室の隣にある松の木の枝に引っ掛かっているらしい。

「基本的には白色か透明で、その時は自由に使って良いんだ。なんでか必要な人にぴったりのサイズなんだって。ーーでも色が付いてる時は止めておいた方が良い」

そっと打ち明けるSくんは真剣だった。いわく、色の付いたレインコートを着ると、その人の“死に方”が決まるのだと。

「赤いレインコートなら血まみれになって出血死、青いレインコートなら真っ青な海や川で溺死、っていう風に」

赤紙青紙みたいな話だなァ。あれは便所での怪談だったが。

「どうして理科室横の松の木なんだろうね」

悪天候の木の下でぶらぶら揺れるレインコート、中々不気味ではあるかもしれない。
だがSくんは、さも当然とばかりにこう答えた。

「そこで引っ掛かって死んだ人だったんじゃない?」


こちら参加させていただきました。
オバケレインコート……真っ先にメジェド様かな? と連想してしまい、せっかくの怪談系お題なのにギャグしか浮かばなくて大変でした……。学校の怪談系に方向転換出来てよかった!

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