見出し画像

大学病院の当直の種類

こんにちは!

何故か当直をする夢を見たので、当直について語っていきたいと思います。

たいそう昔の記憶なので、ちょっと間違っているかもしれませんが、間違っていたらお許しください。

私はこれまで二つの大学病院に勤務しましたが、当直の体制は異なりました。

【大学病院その1】

①病棟当直と②救急当直がありました。

①病棟当直

初期研修医、後期研修医、講師クラス、教授クラスでそれぞれひとりずつ当直を出す。

主に呼ばれるのは

処方のし忘れや血液培養の採血、ほか病棟の雑用です。

呼ばれるのはほぼ初期研修医と後期研修医。

処方のオーダーで呼ぶかどうかは病棟のナースの判断次第で

翌日に主治医から出してもらうケースもあれば、その日の夜に出してもらわなければ気が済まないケースもあります。

夜の10時に「ラキソベロン(下剤)出してください」と電話がかかってきた時は

(明日でいいんでないのかい?)と思いながらも処方します。

ひどいのは

「採血したので、スピッツ検査室に持って行ってください。」

「救急からストレッチャー上がってきたので、救急に返してきてください。」

など。

しかし、立場が低い初期研修医は何も言えない。

「....はーい、今行きまーす。」


②救急当直

初期研修医、後期研修医、内科、外科、その他の科からそれぞれひとりずつ出します。

この、その他の科は眼科であったり、精神科であったり、放射線科であったり
全身を診る科でなくとも、救急に来た患者さんを診ます。

本当に救急疾患の場合は、救急のドクターが診るので、それ以外の比較的軽症で、ウォークインで来た人の診察を担当します。

必要があれば、救急の先生に確認の上、単科のオンコールの先生を呼びます。

眼窩底骨折の人が来たら、眼科

措置入院が必要そうな人が来たら、精神科

など

呼びたい科の先生が当直に当たっていたらラッキー!
わざわざ家から来てもらうことはなく、すぐにPHSでアクセスできます。

いい点としては、いつまでもプライマリケア程度の診察スキルを忘れないこと

悪い点としては、せっかく自分の専門科に入ったのに、全般的な診察をしなければいけないところです。


①病棟当直と②救急当直ともに

初期研修医の大事な仕事の一つとして

皆のお弁当を注文することがありました。

・お弁当を注文するお店を決める
・それぞれに電話して、メニューのオーダーをとる
・お店に電話して、注文する
・お弁当を受け取り、お金を払う

注文の電話は当直が始まる17時前に済ますので、16時くらいからお弁当のことで頭がいっぱいです。

また全然知らない先生に電話するのも勇気が入り、怖いと評判の先生に電話しなければいけない時には緊張したものでした。

そして、どちらも翌日は全くの通常勤務。夜まで働きました。


ある夜1時頃、救急のナースが、外科当直の心臓血管外科医の先生に診察依頼の電話をしていました。

私は診察が終わったところで、少し仮眠をとろうかなぁと思っていたところでした。

すると電話口から、ものすごい怒鳴り声がして

「俺は明日、大事な手術があるんだよ!!くだらないことで呼ぶんじゃないよ!!」

と言っています。

でもナースも順番に、あまり重ならないように、慎重に診察依頼の電話を割り振っています。

でもでも外科医の先生の言い分もわかります。

寝不足で大事な手術に臨みたくない。

私はその頃から、(なんで医者だけ当直明け帰れずに、普通に仕事なんだろう)と思うようになりました。


【大学病院その2】

③単科当直の体制をとっていました。

③単科当直

私は放射線科医なので、放射線科医の仕事のみ。

といっても夜間撮られた全ての画像を読影する以外に

・造影剤をつなぐ
・イレウス管を入れる
・IVRが入ったら、オンコールの先生とIVRに入る

があります。けっこう忙しいのよ。

最初の数年は上の先生がつきますが、数年するとひとりっきり。

自分の診断一つで手術する or 手術しない が決まる場合もあり、読影スキル、知識と度胸が試されます。

よくコンサルト行列もできていました。

ウォークインで来た患者さんは、夜間救急に当たっている初期研修医が診察するのですが

初期研修医は基本的に画像を見ずに、結果だけ聞きに来る子も多く、イラッとしたことも多々ありました笑。

夜間救急は準夜と深夜の二交代制をとっており、23時交代。

準夜の子は翌日普通に仕事。

深夜の子は翌日休みでした。

大体23時までの準夜帯の方が忙しいので、深夜に当たった子は少しラッキー感があると言っていました。

放射線科の当直は、上の先生がいる間は翌日普通に仕事。

独り立ちしてしばらくは、翌日普通に仕事。

そのうちに、当直明けの午前中は少しゆっくりしてもいい(当番が当たらない)、という謎のシステムになり、

そのうち、当直明けの午後は帰ってもよい、となりました。


放射線科の単科当直は、色々なレベルがあり

・電話がかかってきたときだけ読影する
・オーダーの段階から、放射線科医に連絡する

と様々です。

私が勤務していた病院は、とりあえず放射線科が忙しい体制であり、

放射線科医になりたいけど、あの忙しい当直をしたくないので、他の病院で放射線科に入局する子もよく聞きました。

上の先生がいるときはお弁当を頼む仕事はもちろんあり、

放射線科を回っている初期研修医が下につくことになった時は、お弁当の注文を頼むことはできるけれど、おごらないといけない、という立場でした。

おごらない先生は、もれなくケチと陰口を叩かれていました笑


私は単科当直の大学病院に移動したことにより

自分の専門分野に特化できるのはいいけど

一般的な診察を懐かしいなぁと思ったりもしました。



当直シリーズ、続きます!



最後まで読んでいただきありがとうございます❤︎

これからもどうぞよろしくお願いします!


▶︎関連記事

▶︎セミナーのお知らせ

セミナー「女医の子育てとキャリア」フライヤー

▶︎質問、お問い合わせはこちらから 



読んでくださり、ありがとうございます! 面白かった、役に立ったと思ったそこのあなた、もしよかったらサポートをお願いします😊 100円でもいいよ! Thanks in advance!!