まさかここで科研費に...
今は正に科研費の締め切り直前!
申請する方はゼェゼェと大変な状況かと思いますが、終わりましたか?
私もなんと今回研究分担者として申請に携わることとなりました。
もう科研費とはおさらばしたと思ったのに、人生ってよくわからないもので
ひっさしぶりに科研費のサイトを開きましたわ。
せっかくなので、科研費にまつわる話をまとめていこうと思います。
科研費は出さなければいけないもの
私が所属していた医局では、原則科研費の申請が義務付けられていました。
通るかどうかは置いといて、出さなければいけない!
科研費を出さないと、学会発表した時の旅費などの負担はしない、というルールまであり
みんな嫌々出している状態でした。
科研費はよくわからないもの
1年に1回申請しないといけないけど、なんの知識もないよ。
基盤研究とか、挑戦的研究とか、若手研究とか
Aとか、Bとか
「えっ?どれ出せばいいの??」
当時の直属の先生に聞いても、知識もやる気も全くなし。
医局の中で、一人の先生だけやる気があり、申請の時期になると、読影室に科研費マスターの本などが置いてあり、読むように言われました。
が、誰も読まない!
塾考はしない。
どうにかこうにか終わらせる。
そして翌年はその工程を全く覚えておらず、またみんなで右往左往しながら、なんとか終わらせていました。
科研費は万が一通ったら困るもの
上記のように、嫌々+なんとなく出しているので
みんな研究申請書を使い回していました。
でも去年出してダメだったものを、そっくりそのまま出しても通ることがあるんです!
そして通ってしまうと、その研究が終わるまで医局を辞められない
というデメリットあり。
ある先生が今年度で医局を去ろうとしていたのに、科研費が通ったせいで辞められなくなった、と嘆いていました。
そして科研費が通ったからといって、日常業務を減らしてもらえるわけでもなく、ただやらなければいけないことがプラスされるだけ。
日常診療が終わった夜や、土日に時間を使うことになり、疲弊していく。
ひとつ上の先生が科研費に通って、いつも大変そうにしていました。
研究で飯を食っている人には敵わない
そんなこんなで科研費と関係なく、過ごしていた私でしたが
ちょっとだけお近づきになったときがありました。
私が日本にいるときに付き合っていた外国人の元彼は
ある有名な研究所で物理の研究をしていて
研究費を取らないと、ポストの存続が危うい。
自分のサラリーは自分で勝ちとった研究費から
といった状況で、本気で研究費を狙いに行っていました。
結果、ものすごい金額の研究費を科研費で獲得していました。
(ちなみに「さきがけ」ももらっていました…)
お尻に火がついた状態で、本気で研究費獲得の準備をするのと
私のようになんとなくやるのではそりゃ結果が違うよな、と肌で感じましたね。
ここに来て突然研究の分担を依頼される
その後、2018年に留学をすることになり、渡米して
こちらで結婚、出産し、家庭の事情でアメリカに残ることになった私。
そんなわけで数年間、科研費とは更に無縁の生活を送っていましたが
最近突然、科研費に出す研究の分担をお願いされました。
私がオンラインで色々やっている中のプロジェクトと同じ方向性の
多職種で行う研究を是非一緒にやってもらいたい、と依頼されたのです。
今やっていることが評価されてのオファーなので、純粋に嬉しかったです。
急遽申請することになってからのてんやわんや
申請にあたり、突如、研究者番号を聞かれたので、「なんだっけ?それ?」
焦って医局の秘書さんに連絡するも
さすが秘書さん!
ささっと書類を送ってくださいました。
しかし、府省共通研究開発管理システム e-Rad
(なんでこんな放射線科っぽい名前なのか、誰か知ってる?)
のログインID、パスワードを自分で変更しており
ログインできず。。
過去のEvernoteのメモを探し当て、なんとかログイン!
ふぅーっ。
そして研究代表者の方に作成していただいた科研費申請書に修正を加え
書類完成!
何やら申請を完了するには、科研費電子申請システムから研究分担者承諾をしないといけない、とのこと。
まず私が承諾し、機関が承諾をするらしい。
そもそも過去には研究者分担のお願いなどされていないので、初めてのこと!
そのやりとりをする中で、とんでもない事実が発覚します!
e-Rad上で
私はまだ医局の助教のままで、退職しておらず
なおかつ博士号を取得した、という事実も反映されていませんでした。
(これは私がいじれないところなので、研究推進課が悪い?依頼していなかった私が悪い?)
私は現在医局に研究員という立場で置かせてもらっているのですが
とのことで、上手くいっても数日はかかる、とのお返事。
研究代表者の先生には「翌日までに機関承諾をもらってください」と言われていたので
ギリギリなのでもう間に合わないかもしれない、と思い、呆然とするも
一縷の望みを託し、急遽研究業績の書類を作成し送ったりして、てんやわんや!
「私抜きで申請してください」と言うには
申請書の私の役割が多すぎて、大幅な変更が余儀なくされるし
たくさんの人に迷惑かけちゃったー、とショボン。。
思ったより早く無事申請完了
ネットで調べると、ほんまもんの科研費の締め切りは10/5みたいなので
研究代表者の施設が数日申請を待ってくれることになった上に
ミラクルが起こり、2日後に立派に手続きが完了!
医局の秘書さんが急いでくれ
教授や学長、研究推進課の皆さんのご協力のもと
無事に申請が完了できたことを心より感謝申し上げます!
科研費通るといいなぁ
こんな私がいうのもなんですが、あの科研費申請書はイケていました!
さすが教授が書いているだけある!
科研費を通せるから教授になれたのか?
教授だから、科研費を通せる実力があるのか?
はわかりませんが
多職種の博士である、色んな大学の教授、准教授、助教が協力する研究で
私が今まで感じていた、重箱のすみをつついている研究ではなく
意味がある、と思える研究内容でした。
だから通るといいなぁ。
どうかなぁ?
科研費の結果を楽しみにするのはこれが初めて!
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