FF14初心者がストーリーで体調崩した話

 めちゃくちゃ重大なネタバレを含むので、まだ蒼天のイシュガルドをクリアしていない人はブラウザバック推奨です。

 最近友人に誘われてFF14を始めたのだが、癪なことにまんまとハマってしまった。特にインスタントダンジョンという仕組みが楽しく、見ず知らずの人とパーティを組んで、それぞれの役割をこなして協力できるのは手軽で、なおかつ歯ごたえと満足感がある。

 僕はMMOでは基本的にサポートキャラクターを使うことが多い。(メイプルではカンナを使っていたし、PSO2ではテクターを使っていた)というのも、大抵のゲームに置いて正義とは火力であり、火力を求めたが最後、課金という名前の沼であがき続けなければならなくなってしまうからだ。その点、サポートキャラは火力が多少なくても勝利に貢献できる。(もっとも、FF14というゲームではヒーラーにも火力が求められるし、課金しなくても火力は伸ばせる)

 あと単純に、軍師的ポジションに対するあこがれがあることもあり、ヒーラージョブを選択してストーリーを進めていた。

 自分の話になって悪いのだが、僕は生まれてこの方FFシリーズをまともにプレイしたことがない。初めて買ったのはFF15で、これも大学生の時にPS4を買って、どうせ出るなら(人気IPだし)やっておくか、という気持ちでフルプライスで購入した。(今思えばアホである)

 で、皆さんも御存知の通りかとは思うが、FF15というのはなんというか、まあ、あまり私には合わないゲームだった。かっこいい車に乗って男4人で旅をする賑やかさは嫌いではなかったが、いかんせんフィールドが広く、移動時間の多さに僕のほうが絶えられなかった。そのせいで、「FFシリーズは僕のためのIPじゃない」という意識が長らくあった。

 FF14を誘われて始めたときもその意識は結構あって、まず最初にしんどかったのはその操作感である。このゲームが出たのはかなり昔だし仕方ないのかもしれないが、マウスをクリックしないと動かせない視点操作とか、キャラクターに話しかける時、RキーやEキーではなくわざわざ右クリックしないといけないところとか、「MMOのお約束」みたいな操作をことごとく外していて、まず操作になれるのが大変だった。

 しかも、新生エオルゼアのストーリーは冗長で、(友人に此処から先面白くなるから、と熱心に言われていなければ投げ出していたかもしれない)ラストにCV池田秀一の赤い仮面の男を、Wii Fitトレーナーの最後の切り札とグレンラガンのニアを助けに行くところを足して2で割ったみたいな攻撃で倒したところとかは「何を見せられているんだ」感がすごかった。

 それでも続けられたのは、ヒーラーとして初めて潜ったIDでMIPをもらえたこととか、レイズで起こした味方にもらった「ありがとう」というチャットとか、とにかく「僕が誰かの役に立てている」という満足感があったからだと思う。

 ともかく、まんまとFF14というゲームにズブズブとハマっていっていた僕に衝撃を与えたのが、第七星歴ストーリーのラストである。

 あの引きはズルくない? 今までエオルゼア軍事同盟の三人のトップの中でイマイチぱっとしなかったラウバーン局長がテレジ・アデレジをバッサリやったところで「よくやった!」と思わず叫んじゃったし(まあこれが後にまた負い目になるわけだが)、たとえ片腕を失っても戦う局長の姿を見て、「ああ、彼は政治家なんかじゃなく、もっと純粋な戦士だったんだな」と思って、このゲームがいかにキャラクターを大事に作っているか、ということを確認できた。

 そして、暁の皆を失い、僕らはアルフィノ君とタタルさんのたった3人になってしまう。そんな絶望的な状況で救いの手を差し伸べてくれたのが、筋肉好きの変態、オルシュファンである。

 いやもう、この時点で僕は泣いた。すべてを失った僕たちをオルシュファンは「友人だから」という理由で救ってくれた。しかも見返りなんかこれっぽっちも求めていない。彼がこんな状況でもいつもどおりなのが安心した。思えばイシュガルドの閉鎖的な空気の中で、彼だけはいつも僕の味方だった。

 そしてイシュガルドのストーリーを進めていくと、オルシュファンの株が上がる上がる。もう僕の中で彼は唯一無二の友人となっていた。

 話は戻る。ストーリーを進めるために僕はIDを攻略する必要があった。教皇庁である。(もうこれだけで皆察したと思う)

 このIDに挑む前に予習をしようと思って(毎回挑む前には軽くググっている。怖いので)検索窓に「教皇庁 ヒーラー」まで入力するとサジェストに「きつい」と出てきた。僕は察した。あ、これはオーラムヴェイルぶりの地獄になるぞ、と。

 僕をFF14に誘ってくれた黒魔道士の友人と一緒にIDに潜ることにした。無論、ヒーラーなのでシャキるのは爆速だ。心の準備など無い。だが幸運なことに、マッチングしたタンクさんと踊り子さんは、ふたりともほぼほぼ全ジョブカンストしている上級者さんだった。

 タンクはうまいし、踊り子さんは火力出すし、とにかく楽だった。装備のせいかタンクさんもめちゃくちゃ固く、ヒールにも余裕があり、しっかりとギミックを意識しながら戦えた。(それでも次元の裂け目を一回食らって床ペロした)

 そして最終ボス。これも凄い厄介で、魔導人形とAOEが同時に飛んできて、しかもヒールもしなきゃいけない。これも一回床ペロした。「ごめんなさい」とチャットすると「気にしなくていいよ」とか「私も初見は床ペロしまくったから」とか温かい言葉をかけてくれて、本当に良いパーティに恵まれた。このゲーム、本当にいい人が多くて、それも続ける一因になっている。

 そんなこんなで無事クリアして、「ありがとうございました!」と言ってダンジョンが終わる。本当は皆にMIPをを入れたかったけど一人にしか入れられないのでタンクさんに入れた。踊り子さん、あなたにも感謝しています。ここで伝えさせてください。

 で、ストーリーのイベントシーンがはじまる。

 最初、マジで何が起きたのか分からなかった。「は?」と一言言って、それでしばらく、ストーリーのセリフをすすめる手が止まった。本当に理解できなかった。

 しばらく茫然自失として、ストーリーを進める。涙が出るとかですら無かった。ただショックだった。

 ストーリーを進めると、多くの人が彼の死を嘆いてくれていた。タタルさんは泣いていた。

 でも僕は泣けなかった。まだその段階に至れていないのである。理解できていなかった。受け止めきれていなかった。

 だんだん体調が悪くなってきて、一回ゲームを中断した。本当に意味がわからなかった。Twitterに「無理」とつぶやいた。

 「無理」。そう、無理なのである。この先、まだまだストーリーの先は長い。だけど、そこにオルシュファンが現れることは二度と無いのである。この広大なエオルゼアの大地に、オルシュファンはいないのである。

 え、無理。

 逆に先輩ヒカセンたちは、ここからどういうモチベでFF14やってたの? だってオルシュファンいないんだよ? なんでオルシュファンを失ったのに暁の灯火を絶やしちゃダメなの?

 彼が愛したイシュガルドとエオルゼアを救わなきゃいけないの? ここでオルシュファン一人レイズできないで、何がヒーラーなの?

 無理だった。これを書いてて体調がまた悪くなってきた。

 涙もぼろぼろ溢れるっていうか、なんか極限のストレスで意味もなく流れてくるタイプの涙だった。こんな無様な泣き方をしたのは就活のときに食欲がバグって毎日ラーメン大盛り食って毎日下痢だった時以来だ。

 本当に心がしんどくて、少しでもストレスを和らげたくて文章にしてるんだけどまだしんどい。なんでこんな体調なのに仕事しなきゃいけないの?

 つらいです。


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