ショットグラス

私は今酔っている。
ブラックニッカとボンベイサファイアで完璧にキマっている状態だ。
ブラックニッカはウイスキーで、
ボンベイサファイアはジンだ。
どちらも度数40越えの酒。
それをそれぞれダブルで2杯ずつ飲んでる。

自我と理性だけが唯一残っているような状態だ。
冷静に自分を分析できるギリギリの状態と言っていいだろう。
私は今、酒に酔って、悦に浸っている。
ネットフリクックスで『ピーキー・ブラインダーズ』を観ている。
しっくりくる。
酒に酔いながら観るのにうってつけの作品だと思う。
思考が溶けていく。
喜怒哀楽を倍に感じる。
遠慮や謙遜に満ちた日常のなかで光る感情。
生き生きとしてる。
自分らしい自分を感じる。
タバコの煙。
誰にも縛られない状態。
ありのままの自分がただそこにいるだけの状態。

こういう時間がたまには必要だ。
ここにネガティブは存在しない。
ただ自分にとって都合のいい思考がひたしら存在している。
あとは好きな音楽を聴きながら眠るだけ。
落ちるだけ。
ああ、不健康。
でも、これでいい。
讃美歌を聞きながら青い薔薇に囲まれて天国に登っていく。
火薬の破裂音。
ガラスの割れる音。
さあ、底なしの夢へ落ちて行こう。
ずっとこのまま奈落へ落ちて行く。
これでいい。
これで。

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