20代最後の誕生日
ニュージーランドで暮らしていたらいつの間にか20代最後の誕生日を迎えていた。自分にとって20代は貴重な時間だと気づいたのが23歳ぐらいだったと思う。大学生の頃や社会人1年目は歳を重ねても何も感じなかった。
ああ、また年を食ったのかって思う程度のことだった。ただ、この20代が重要な意味を持つ期間だと思っていたから、普通に過ごして消化してしまうのはすごくもったいないことだと感じていた。
だからこそ、大学5年の実務実習で忙しい時期に、3回海外に旅行して、実習の休みの合間を使って人生で初めて海外で年越しを経験した。新卒で大手の会社に入ったのに合わなくてすぐに辞めてしまった。
中小企業にあたる会社に入って自分の時間がとても取りやすくなったので親友の家に泊まったり、社会人同士で時間を合わせてUSJに行ったり、社会人だけど学生さながらの生活を過ごせた。
そして、ワーキングホリデーの決行。あの時決心をしたからこそ、普段の日々では出逢えない人たちや見たことのない景色を知ることができた。そしていつの間にか20代最後の誕生日。
今まで誕生日に意識したことなんてなかったが、今回は特別だった。年齢、現実、未来の実感。日本の将来性、同期との差、これからの自分。歳を重ねることが怖くなった。
20代の生き方は決めていたからそこに対して後悔は全くない。若い時だからこそやっておきたいことや先人からの教えがあった。だけど、これからの生き方についてはあまり具体的に考えられなかった。
周りを見ると、同棲していたり、結婚して子育てをしていたりする子が多い。年齢的にもそのような時期で、仕事と共にみんなは真っ当な人生を送っている。
30代の指南書もいくつか読んだが、自分にとってしっくりくるものが無かった。日本の経済状況もあまり良くないからまた仕事の比率が大きい生活に戻るんだろうか。
まあ、ネガティブなことばかり考えていてもしょうがないから、未来のことばかり考えていてもしょうがないから、最後の20代は少し欲張ることにする。
欲張るって言葉はネガティブな意味が多いけど、自分には足りていないことだ。今までは遠慮していたことが多かったけど、今年は傷ついても良いから挑戦する。
社会人になって最初の会社を転職してから、今まで本当に幸せな生活を過ごせている。閾値が低いから、自分の幸せの基準は低い。だから、これから、もっと幸せになる。
これくらいで妥協してやらないことにする。10代の頃に本当なら持っていた幸せまで取り戻す。出来ることを積み重ねて、それに全力で取り組むしかない。そうして休日に珈琲を飲む時間を作れるのであれば幸せだ。
そして、若さに執着せず享受する。これは自分の一番の課題だけど、いつか考え方が変わるといいかな。今年は運が良いからこれからも大丈夫なはず。
かけがえのない日々を、今の人生を全力で楽しむよ。
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