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5歳児にどうやって英作文を教えるか

アメリカでは、5歳からキンダーガーテンで義務教育が始まります。息子がキンダーガーテンに入学してすぐ、保護者向けに「5歳児にどうやって英語の英作文の書き方を教えるか」についてのワークショップがあったので参加しました。

こんな風に教わってたら、私ももっと早く英語がうまくなってたかも😭😲と思うような目からウロコの教育方法でした。

スペルを知らない子供たちが、どんどん英作文できるようになる方法😊

手順は、
1:アルファベットのそれぞれの音(フォニックス)を、歌や身振り手振り付きで教える(キンダーガーテンでは、アルファベット25個を、1日1つずつ、週5個ずつ)

2:1が一通り終わったら、書きたい言葉、聞いた言葉の音を、ゴムを伸ばすようにストレッチして声に出す練習(亀のようにゆっくり声にする)

3:こどもたちは、聞こえた音を適当なアルファベットを使って書く

4:親や先生は、スペルの間違いを指摘しないで、できた文章を読んで褒めてあげる。添削はしない!

例えば、自転車はbicycleとスペルするんだけど、これを、それぞれに聞こえる音でスペルする。例えば私は日本人だから、ba-i-se-co-って聞こえて、baisecoってスペルしたとする。

それで、いいらしい。

このまま、どんどん英文を書いて、先生は「bicycleって書いたんだろうな」って想像して文章全体を読んでくれて、「よくできました!😊」って言ってくれるらしい。

子供が書いたスペルがデタラメのサンプルの文章を見せられて、保護者から「先生こんなの読めるんですか?」と質問。先生たちは「読めますよ〜!慣れてますから!😊」と頼もしい回答。

年齢が上がるにつれ(2、3年生)、自分のスペルがちょっと違うなと気がついて、自然に修正されていくらしく、今の時点では修正は必要ないとのこと。

先生曰く、「スペルは間違ってても、どんどん文章を書かせていると、1年経つ頃には短いストーリーが書けるようになります。スペルよりも、文章の構成力、表現力、発信力、創造性などを先に身につかせたい。また、そのためには、まず書く喜びを知って、自信をつけることが大事」とのことでした。

また、英作文を学び始めたこどもにスペルを細かくチェックするデメリットは、
・こどもが自信をなくして、英作文を嫌いになる
・思考が中断されて、創造性を発揮しにくくなる
・誰かにスペルを教えてもらわないと文が書けない子になってしまう

ということでした。

私自身、英作文を勉強する上で、スペルがうまく書けないことがかなりのストレスだったので、これは、英語嫌いを減らすいい方法なのではと思いました。

キンダーガーテンのライティングの授業には、4つのフォーカスがあるそうです。

1:Personal Narrative  自分に起こった出来事を書く
2:Informational :"All About"  ノンフィクション
3:Informational: "How to" ハウツー
4:Opinion: オピニオン あなたの意見を書いて、その理由も2つ書く

また、手順としては、この順番(↓)で、とのこと。

Think :考える
Plan:計画する
Sketch and Label:スケッチや絵にラベリングする(例えば魚の絵を書いて、横に「さかな」と書く)
Write:書く
Revise:修正する、文法や、誤字脱字の確認など
Edit:編集する

最後に、学校から保護者への手紙も届きました。要約すると、「初めのうちは子供が書いた文章は不完全で読むのが難しいものかもしれないけど、どんどん上達するので、親は子供を有名な本の著者のように扱って、上手に書けた部分を褒めてください。」と書いてありました😊

ーーーーーーーーーその後、、、

この教え方で、キンダーの一年間で、どのくらいかけるようになったのか、時系列でまとめてみました。


キンダーガーテン1学期

Personal Narrative

絵の中の文字は全く読めません、、、。でも、文章を書く欄のところに、「I」(私は〜)とだけ書いてあります。文字を書こうという意思が感じられます。
先生は、たとえ頭文字しか書けていなくても、「わ〜ここにも字を書いたんだね!たくさん書けたね!」と、文字を書こうとしているその姿勢を励ましてあげましょうということでした。

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キンダーガーテン2学期

まだ、単語もよく知らない子供達に、すでにどんどん本(?)を書かせているようです。

スペルはデタラメだけれど、親と先生には(?)なんとなく言いたいことはわかるようになってきました。

How To 

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これは、きっと、ビー ア エキスパート と書きたかったのではないかしら。
エキスパートになるためには、本と、カウンティングと、ライティングと、頭で考えることが大事と書きたかったらしいです。
絵の中に、積極的に説明を入れるようにとも教えられるようです。

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All About

オール・アバウト・キングコブラ

ノンフィクションの授業では、オール・アバウトという自分が好きな動物などのテーマについて書くものが主流のようです。
こちらは、オール・アバウト・キングコブラ(と書きたかったはず)
1ページに1つずつ、コブラは毒を吐きますとか、泳げます、などの特性が書いてあるようです。

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キンダーガーテン3学期

Opinion

文章がしっかりしてきました。
ペットが欲しい、とその理由。

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1年生

1年生になっても、スペルを覚えるための単語テストは別にあるようですが、英作文においてのスペルチェックはないようです。

キンダーの頃と比べて、目次を書いたり、長文を書いたりできるようになっていました。

キンダーでやった、All Aboutの作文。1年生のものは20ページもあって長いので、最初の数ページだけ紹介します。

オール アバウト シャークス

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まとめ

キンダーに入学したときは、全く文を書けなかったのに、このやり方で、1年程度で、どんどん上達してびっくりしました😍

細かいスペルチェックをしないことで、小さな子供たちのやる気や想像力を損ねることなく英作文を教えるというのは、とても名案だと思いました。

リーディングについてはこちら


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