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漂流教室 No.69「終業式(2)」

2年前に高校の教員を定年退職しました。
学校を去るにあたって、生徒会誌に
「教員生活を振り返って何か書け」と言われました。

前回の 漂流教室 No.68「終業式(1)」に続いて「終業式(2)」です。

 ○月×日(土)
 少々、朝寝。本当はいつもと同じ時間に起きるのが健康上はよろしいのだが、つい遅くなっちゃう。午前中はお買い物。イオンではなく、Aコープ。鮮魚が充実している上、富士菊醤油が安いときがあるので重宝する。さて今日のお昼ご飯は「ほたや」のソースカツ丼をテイクアウト。電話して「テイクアウトで、ミニソースカツ丼三つお願いします」と言うと、「ああ、タクさんですね」と言われてしまった。今までにどれだけ食べたことやら。
 お昼を食べてから、ブックオフへ。本を買うよりはCDを物色しに行く。ブリティッシュロック(ザ・フー、レッド・ツェッペリン、クイーン、ディープ・パープル、ピンク・フロイド等)、アメリカンロック(キッス、イーグルス、ビリー・ジョエル、ブルース・スプリングスティーン、ロックじゃないけど、サイモン&ガーファンクル等)、ミュージカル(劇団四季)、最近は日本のボーカリスト(鈴木雅之、徳永英明、宮本浩次、三浦祐太朗、そして忌野清志郎)。コロナ禍以来、いろいろと買い込んだなあ。
 ところで、ブックオフにはいつ行っても青い文字で書かれたカタカナタイトルの自己啓発小説が何冊も置いてある。2年ほど前から目立ちだしたが、なぜだろう?

(注 どこかの校長が「道徳教育の副読本だ」とか言って、全生徒に自己啓発本作家の似非SF小説もどきを強制的に買わせた、なんてことがあったとかなかったとか…
なんだよ、頭がサッカーボールで胴体がDVDデッキのロボットって…)

 夕方はお絵かき。白山をはじめとして風景ばっかり描いている。しかしどうもうまく描けない。だから描き続ける。とにかく描いている間は、線のこと、色のこと以外は考えないから、精神衛生上非常によろしい。あんなこともこんなことも考えずに済む。あんな奴やこんな奴のことも綺麗さっぱり忘れていられる。
お絵かきに飽きたら、コンピュータを開いて駄文の執筆。「note」というサイトに週一くらいでエッセイみたいなものを載っけている。
(注 これのことですね。)
去年の「司書教諭のオススメ」と、今年の「保健室から」を書いたせいで駄文をモノするのが癖になってしまった。

さて、土曜日にしなければならないことがもうひとつ。
明日の予習を忘れてはならぬ。
私がお馬さんのかけっこを真剣に見るようになったのは妻の影響。妻は歴代のお馬さんに非常に詳しい。妻のおばあさんがお馬さん好きで、よくテレビ中継を見ていたらしい。おばあさんも妻もギャンブルではなく、純粋にお馬さんの美しい姿を愛でていたとか。妻のお馬さん好きは筋金が入っていて、私は師と仰いでいる。
しかし見るだけだと、お馬さんたちもエサ代を稼げない。そこで私は少々馬券を購入。一日に五千円まで。上限は守る。守りたい。守れればいいなあ・・・。
 お馬さんたちの前回、前々回のレースの映像を見ながら、ああでもないこうでもない、と予想するのはたいそう楽しいもの。あんなこともこんなことも考えずに済む。あんな奴やこんな奴のことも・・・(以下繰り返し)
 さて、今日の晩ご飯はお好み焼き。我が家のお好み焼きはほぼ八割がキャベツ。健康的だ。焼くのが私の仕事。ひっくり返すのが家族の中で一番上手らしい。「上手だ、上手だ」とおだてられて、私の仕事となった。
 夜は、やっぱりワインや焼酎や時には熱燗を舐めながらテレビ鑑賞。昔、「テレビばかり見ていると、しっぽが生えるよ」と言われたもんだ。
 もう、生えてきているかもしれん。


やっぱり、教員生活なんかまったく振り返っていませんね。
しかも、高校生が読む生徒会誌に競馬のお話を書いてるし…

ところで、(注)はnote掲載にあたって付けました。
当時、2年学年主任として校長室に呼ばれ、
「〇〇〇を全生徒に読ませたいのだがどうだろうか?」
と言われました。当然こう答えた。
「特定の小説を強制的に買わせたり読ませたりすべきではありません」
3年学年主任も同様のお返事をなさったらしい。
1年の学年主任は、
「兄弟がいたら2冊買わせるんですか?」と言ったとか。的が外れとらんか?

さて、2回目の呼び出し。
「では、希望者に購読を斡旋するのは?」
強制ではないことを確認して、仕方なく了承しました。
で、会議でいきなり、
「全生徒に買ってもらいます!」
もう、勝手にせい!

私と3年学年主任は去年定年で学校を去りました。
1年学年主任はとある高校の教頭にご出世。よかったね。

おおイカン。
あんな奴やこんな奴のことを忘れるはずだったのに…

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