関西、実は日本で一番コスパがいい説【受験、物価、恋愛、競争】

筆者は、関西の郊外(田舎)出身だ。東京には大学から来て、彼是十数年住んでいる。
関西には高校生までしか住んでいなかったのでその思い出が美化されているのかもしれない。首都圏で幼少期を過ごしていないのでその良さに気づいていないだけなのかもしれない。
だが色んなデータや生き方を考えてみるとやっぱり関西はコスパがいいと感じることが多い。
今回は、関西のコスパが良い点を複数の観点から考えてみたいと思う。

1.中学受験が必須でない
実は関西では、中学受験は全くもって必須ではない。関西から東大に進学したいとなると話は別だが、関西人は基本的にお膝元に京大・阪大・神戸大があり、基本線としてはそれらの大学に進学する。
これらの大学への進学高校のランキングを見れば一目瞭然だが、関西の公立高校も普通に上位に食い込んでいる。阪大、神戸大はむしろ公立が上位を独占している。東大でも近年では、関東の公立高校(具体的には日比谷や横浜翠嵐等)が上位に躍り出るようになってきたが、基本的には中高一貫の別学が上位を独占している状況に大きな変化はない。
京大の場合は、大阪の公立トップである北野高校がトップであるし、他にも天王寺高校や京都の堀川高校、滋賀の膳所高校など公立校も余裕でランクインしている。むしろ全国で見ると東大が異常なだけで実は一橋や東工大も上位には公立高校が余裕でランクインしている。中学受験が必須と言うのはある種幻想でしかない。
勿論関西にいても、中学受験をするという選択肢を取ることも出来る。後述するが、関西の場合は私立中学・高校も充実しているのだ。
むしろ東京のように中学から私立に入れて、東大を受験、成功すれば東大に行けるが、そこがダメな場合は早慶に行くという方が価値観的には日本全国で見れば異常なのかもしれない。
当然だが、中学受験が必須ではないので、公立小学校→公立中学→公立高校→京大みたいな激安コスパ最強ルートの方も普通に存在する。
京大のブランド価値は全国レベルなので、何というか首都圏の過当競争が馬鹿らしく思えてくる。

2.有名な進学校も多く、塾も豊富
前述したように中学受験が必須ではないにも関わらず、実は中学受験の選択肢も豊富だ。
子供が発達障害を抱えているのであれば、中学受験をさせて、公立中学は回避した方が良いかもしれない。
関西には、圧倒的なレベルを誇る中高一貫校が複数存在しており、それが京阪神∔奈良で分散しているのが特徴的だ。

例えば、首都圏であれば、東京、神奈川には進学実績の良い中高一貫校が複数存在するが、埼玉と千葉にはあまりない。千葉は渋幕があるが次が続かないし、埼玉の場合は逆に公立王国だ。しかも公立王国とは言え、進学実績が良いのは浦和高校くらいしかない。
その点、関西であれば兵庫には灘、甲陽、大阪には大阪星光、奈良には東大寺学園、西大和学園、京都には洛南、洛星と全国レベルの進学校が分散して存在しているのが特徴である。
また最近は落ち目であるが和歌山には、智弁和歌山もある。
関西に住んでいれば実は選択肢は豊富にあるし、通学圏内にハイレベルな進学校が存在する可能性が高いのだ。
灘は言わずもがな、西大和も最近は東大合格者の数で爆発しているし、東大寺、甲陽に至っては、そもそも東大進学は主流派ではないにも関わらず、毎年一定人数を東大に送り込んでいる。
(関西の高校では、医学部進学がメインストームである)

実は首都圏と関西を離れると、中学受験では良い選択肢はあまり残されていない。福岡では、全国レベルの進学校は久留米大附設とラ・サール(正確には鹿児島)くらいだし、愛知では東海くらいしかない。四国には愛光、中国地方では岡山白陵と広島学院があるが、それ以外の県に住んでいる場合は、(距離的な問題で)通学は叶わないだろう。東北に行くと有名な中高一貫校は皆無と言っていい。
その点、関西は首都圏には及ばないが、名門中高一貫校が豊富に存在するのが特徴的だ。

ちなみに塾も充実している。
中学受験であれば、浜学園は灘受験の王道であるし、高校受験でも馬淵等の有名塾に加えて関西志学館等の関西地場の塾なども充実している。
大学受験では、当然ながら駿台も河合もあるし、鉄縁会が大阪駅にはある。他にも研伸館と言った関西では有名な大学受験のための塾などもあったりして割と充実度は高い。
東進の東大特進も大阪には存在する。

3.国公立のレベルが輪切りになっており、選択肢が豊富
これも関西のコスパの良い点だ。
このようなことを言うと批判されてしまうかもしれないが、首都圏では東大があまりにも難しく、そこから一橋、東工大、早慶までの距離が遠い。
ただし、首都圏の受験生は東大に落ちた場合はこれらのどれか、(後期入試はどれも難関なので)特に早慶に進学するという選択肢を取らざるを得ない。もし家が裕福でなく、国立しか選択肢がないのであれば、横浜国立大学や千葉大になるかもしれない。これはさすがにレベルが離れすぎているだろう。
入試は一発勝負なのでギャンブル的な要素が強い。どれだけ模試の成績が良くても当日数学の大問を1つ、2つ吹き飛ばせば一気に落ちてしまう世界である。首都圏の東大受験はあまりにも掛け金が大きなギャンブルである。

その点、関西の場合は京大、阪大、神戸大と輪切りになっているので、受験校の変更にもそこまで抵抗はないだろう。
しかもこれらの大学は国公立なので、学費は当然私大より安い。

ちなみに関西の場合は、京大や阪大に落ちた場合は同志社に進むことになるのだが、こちらは最初は挫折感が強いかもしれない。ただし同志社は関西ではかなりの名門で、実は就職実績は上記の国立とそこまで変わりない。さすがに京大には負けるだが、後の二つとはそん色ない実績を残している。

4.レベルの高い国公立医学部が豊富に存在する
筆者はこれまでに何度か当該ブログで述べてきたが、関西は国公立医学部の選択肢が非常に多く、それゆえに医学部志向が本当に高い。
筆者の高校でも王道は医学部で、後は京大の工学部とか法学部がメインストーリームであった。東大は亜流で、特に文科二類なんて何でわざわざ行くのみたいな感じであった。

ざっと思いつくだけで、京大医学部、阪大医学部、大阪公立大学医学部、神戸大医学部、三重大学医学部、和歌山県立医科大学、滋賀県立医科大学、奈良県立医科大学、京都府立医科大学等の医学部が存在し、こちらも国公立の選択肢が豊富だ。
しかも何が良いかと言うとこちらも偏差値的には輪切りになっているので、志望校変更も難しくない。これらの大学に通えば、年間50万円程度の学費で医師免許を取得出来てしまうのだ。

それに対して首都圏はどうだろうか。
東大理三、東京医科歯科、千葉大学医学部、横浜市立大学を除くと後は全部私立医学部となってしまい、こちらになると最低でも6年間で2000万円はくだらないだろう。
上記の四つの医学部は当然かなりの難関で、東大理三は勿論残りも東大レベルの難易度である。そのため、これらに引っ掛かりそうにない生徒で(学費の問題で)私立に行けない者は地方の医学部に行くしか選択肢が無くなる。

こちらも何度か当該ブログで述べてきたが、東大と医学部では卒業後の期待値ベースの生涯賃金では医学部の圧勝である。
わざわざ首都圏に住んで高い金を払って、中学受験をして東大に行って、民間企業に入るくらいなら、関西の高校から国立の医学部に進んだ方がよっぽど経済合理性が高い。

5.全般的に競争が緩い
関西では、競争社会の程度が低い。
関西にはまずエリサラがそこまで存在しないし、数少ないエリサラ職の医者は医師免許に守られているので競争が激烈と言う印象はない。
筆者の周りでもそうだったが、関西の有名なメーカーに勤務していればそれだけでかなり大きな顔が出来る。首都圏ではエリサラとは言い切れない社会人でも関西ではかなり持ちあげられる。ましてや医者や弁護士、公認会計士などの資格業になればそれはもう神様扱いだ。

大学の雰囲気もそうだ。全体的にサラリーマンの競争が緩いことが影響してか、関西の国立大学は全般的に雰囲気が緩い。京大、阪大、神戸大の友人から東大や早慶のような厳しい競争社会の話は聞いたことがない。
中学受験も首都圏ほどは苛烈ではない。
筆者は受験勉強くらいしかすることが無かったので、勉強していたが、周囲からの外圧のようなものは殆どなかった。

首都圏であれば、マーチ辺りから、学歴コンプを抱えているものが一定数存在し、彼らは若干縮こまってしまっている印象があるが、関西ではそのマーチと同じレベル(受験のレベル的には恐らく下であろう)である関関同立は普通に大きな顔をして過ごしている。
京大に行った同級生等は京大の自由な校風もあってか、かなり大学生活をエンジョイしていたように見える。
精神の安寧と言う観点からも明らかに関西はコスパが良い。

6.首都圏ほど不動産価格は高くないのに交通の便も良い
関西、特にサラリーマンが多く住む京阪神の物件価格を調べてほしい。
首都圏と比較すると驚くほど安い物件が多く出てくる。
しかもそれが駅チカ、大阪の中心部まで電車で20分だったりする。
首都圏で東京駅まで電車で20分であれば、まだ都心と呼ばれる地域なので、1億程度の物件も多く存在するだろう。
ちなみに交通の便も全く悪くない。電車は普通に最低でも10分に一本は来るし、御堂筋線等の大阪の地下鉄であれば、東京の地下鉄と殆ど変わらない利便性を誇る。
一部不動産が高いとすれば大阪の北部と兵庫の西宮一帯であろうか。それでも首都圏のそれと比較するとかなり手頃な値段である。

7.意外と豊富な就職先
関西は仕事がないと指摘されることがある。
確かに一部の仕事は関西に全くと言っていいほど求人が存在しない。
現に筆者の仕事は関西では求人は皆無であり、関西への転職は叶わなかった。
筆者のような事例はさておき、エリサラ職の中でも投資銀行業務やコンサル更にはIT職であれば関西でも求人は存在する。
例えばコンサルだが、マッキンゼーやBCGのような戦略コンサルもアクセンチュアやBig4等の総合コンサルもいずれも関西に拠点を有しており、関西で採用している。
ちなみにこれはどこのファームにでも当てはまるわけではないと思うが、エージェント曰く、関西の方がやはり首都圏と比較して高学歴のエリサラ層が集まりにくく、採用のハードルは首都圏と比較しても低めらしい。

また関西には、任天堂や関西電力、大阪ガス、村田製作所、キーエンスも本社を有しており、メーカー系であれば普通に求人は存在する。

ちなみに最近の面白い動向として、金融機関ではあまりにも首都圏勤務の希望者が多すぎて、関西や愛知でさえ転勤手当てをつけないと人が集まらないらしい。物価を考えると、本当に手当てが必要なのはどう考えても首都圏の方だと思うのだが。
このように希望者が少ないからこそ、激しい競争から逃れたい場合は、実は関西は穴場である。

8.物価も高くない
ネットの世界では、地方に行くと物価が低くてFIRE出来るといった意見が見られるが、本当の田舎は意外と車が必須であったり、輸送費の関係か食料品やガス代が高くついたりして、生活費はそこまで安くなかったりする。
その点、関西はさすがに「本物の田舎」ではないので、変に輸送費がかかったり、ガス代が高いなんてことはない。北海道のように雪が降ることも基本はなく、除雪機が必要と言ったこともない。
またなぜか分からないが、大阪には激安のスーパーが存在していたりして食料品は安価で手に入る。
基本的な生活費は首都圏とそこまで大差ないかもしれないが、不動産価格や教育費を踏まえると明らかに首都圏と比べてお金はかからない。

9.実はかなり女性余り
これは男性にとっては朗報かもしれないが、関西は全般的になぜか女余りの地域である。
福岡がネットでは注目されることが多いが、実は大阪や兵庫更には京都、奈良、いずれも九州に負けないレベルで女余りの地域である。(レベルは福岡ほど高くないかもしれないが。。。。)
何故か分からないがこの事実は見過ごされることが多い。

金融機関では、関西に転勤になるものも一定の割合で存在するが、大阪配属になったものはおしなべて東京にいる時よりはモテたと言っているので、やはり男女比は相応に影響しているのだろう。(勿論競争が緩いという要因が一番大きいとは思うが)

若い男性は婚活目的で関西に移住するのも悪くないかもしれない。


上記で述べた通りで関西のコスパは非常に良いし、生活に困るといったことは全くなかった。
コスパとは違う観点になってしまうが、関西には飛●新地のような男のディズニーランドも存在するし、神戸に行けば山も海もあって風光明媚である。
京都は言わずもがなの観光スポットである。

首都圏在住の方も一度でいいので関西(特に京阪神)に来てみてはいかがだろうか?