373. (3/9)欅坂46とは一体何だったのか?2024 ~5年間で吹き荒れた最大瞬間風速~
・・・続き
※欅坂46について個人的に今まで感じてきたことを記していきます。あくまで個人が勝手に思っていることというのを強調しておきます。人それぞれ感じ方、楽しみ方が違う。それらを重々承知したうえで書いていきます。
・・・とまあ最初にこう注意事項を書いておかないと危ない。と思うのもこの数年間欅坂46を堀りに掘り下げてきたからか分かってきたものかもしれません。
③アイドル史上例を見ないほど闇と向き合ったグループ
アイドルの曲といえば「元気に!」「笑顔で!」
という印象がある。
しかし欅坂の楽曲は
「辛いことは辛い」
「笑えないなら笑えないでいい」
「辛かったら逃げてもいい」
そういった伝え方で、聴く人に寄り添うものが多かった。
「サイレントマジョリティー」で社会の現実を訴える曲で斬新なデビューを飾ったものの、当初から闇に真っ向勝負する曲が多かったわけではなかった。
「大人は信じてくれない」
「不協和音」
「エキセントリック」
「月曜日の朝、スカートを切られた」
「避雷針」
「ガラスを割れ」
「もう森へ帰ろうか」
「不協和音」の衝撃が世に走って以降段々と闇と向き合い、時に共存する曲が少しずつ増えていった。
センターの平手から溢れる人間力や表現力とのシンクロ率が高く、その世界観にどハマりする人が増えていく。
あまりにもダイレクトに伝わる表現は個人的に怖さを感じた。
その世界に入り続けると戻って来れなくなる。
客観的な視点がどこかに飛んでいってしまう。
そんな感覚だった。
平手友梨奈の表現=欅坂46
という方程式が固いものになる中で、それとはまた違う欅坂を一部メンバーが模索し続けていたものの、塗り替える程の威力には達せなかった。
明るい曲や従来のアイドルイメージに近い曲も存在してはいたが、強烈なシリアス曲たちと比べると影に隠れている印象を受けた。
④外野からの声を余すことなくぶつけられた者たち
欅坂46は活動だけでなくプライベートの面でも特に外野からの声をぶつけられることが多かった。
10代後半から20代前半の天真爛漫さ、思春期に出る表も裏も含めたパワーというのは、時に大人社会とぶつかり時に週刊誌の格好の餌食となった。
社会に出ること、アイドルであること、欅坂であること・・・
それらがどういうことであるのかという自覚はメンバー間で温度差があったのかもしれない。
それもまた「まとまらない面白さ」の良い部分でもあり悪い部分でもあった。
「あれってああだって聞いたよ」
「ホントはこうらしいって聞いたよ」
「推測だらけの伝言ゲーム」
「元のネタはどこにある?」
徐々にファンの中でも様々な噂が蔓延していった。
事実もあれば真っ赤な嘘もあったのだと思う。
真っ向からソースのない噂に対する意思表明、批判というのが「エキセントリック」などの楽曲でどんどん披露されていき、作中の仮想世界とリアルな現実世界が生々しくリンクしていたことを今振り返っても強く感じている。
情報社会の怖さをこれでもかと味わいながら、同時並行で欅坂はシングル曲を重ねていったのである。
敵、味方入り乱れてその声は飛び交いまさにカオスな空間が出来上がっていた。
それを見ていてまさに”危なっかしい”グループだな・・・と何か感じ取ったのを覚えている。
続く・・・
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