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やまびこのふえ、のように

特異点フォグ探知音の仕様を変更しました

ディスペリングモードと特異点フォグ

ブケファラスのディスペリングモードは、道迷いを起こしやすい状況を人工的に作り出すことを目的としています。フォグと呼ばれるタイルが地図を覆い隠してしまうので、これから進もうとしている道の先が行き止まりなのかどうか、道の先にあるのは何なのか、地図上で確認することはできません。基底現実でフォグに接触するたびにフォグが一つまた一つと消えていき、地図が徐々に見えるようになっていきます。

Dispelling mode

フォグは、現在地を含む緯度経度が1/60度の範囲に生成されます。この範囲をフォグクラスタと呼びます。フォグクラスタには144のフォグが含まれていますが、そのなかに一つだけ、触れたときに消滅するのではなく、色が赤く変化するものがあります。これを特異点フォグと呼びます。144のフォグのうち、どれが特異点フォグなのかは、実際に接触してみるまでわかりません。

特異点フォグの存在意義は単純で、「それを見つけられるとなんとなく嬉しい」です。

西松屋の近くにあった特異点フォグ

特異点フォグ探知音

ディスペリングモードでは、特異点フォグ探知音と呼ばれる音が連続的に再生されます。この探知音は、現在地から特異点フォグまでの距離に応じて変化するようになっているので、特異点フォグを探し出す手がかりとして利用できます。

しかし、探知音が変化する法則性が場当たり的であることが不満でした。そこで、その法則性をもう少し理屈っぽく変更したいと思います。モデルとしたのは、ドラゴンクエストシリーズに登場した「やまびこのふえ」というアイテムです。

ドラクエに出てきたやまびこのふえは、オーブと呼ばれる宝物を探すために使うアイテムでした。町や村に入り、やまびこのふえを吹いたとき、もしそこにオーブが隠されているなら、笛の音の反響音が聞こえてくるようになっていました。やまびこのふえは、オーブに反応するセンサー(プローブ)というわけです。そこで、特異点フォグ探知音にも、そのような反響する特性を与えてみることにしました。

具体的な仕様

探知音は、基本の音と反響音のペアで構成されます。

基本となる探知音は、特異点フォグまでの距離にかかわらず、一定の音量で再生されます。この音は音速の3倍のスピードで広がっていき、特異点フォグに当たるとはね返って戻ってくる、という設定。はね返ってきた音は少し小さな音で聞こえることでしょう。それが反響音です。

特異点フォグまでの距離によって変化するのは、基本の音が鳴ってから反響音が再生されるまでの時間(ディレイ)と、その音量です。特異点フォグが遠くにある場合、反響音が帰ってくるまでに時間がかかるし、再生された反響音も小さな音となります。反響音の音量は、特異点フォグまでの距離の二乗に反比例するものとします。

特異点フォグの広がるスピードが音速の3倍という設定はリアルとは言えません。しかしリアルな音速だと、特異点フォグではね返って戻ってくるまでの時間が不自然に長く感じられる場合がありました。ここでの目的は、やまびこを忠実にシミュレートすることではありません。いかにも「やまびこ」っぽい感じの音が再生されて、特異点フォグが近いのか遠いのかが大雑把にわかって、特異点フォグを探すための手がかりとして「楽しく」利用できれば成功です。そのための試行錯誤を行った結果、音速の3倍という設定となったのです。

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