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路地裏旅行社: チロルのすてきな山小屋ホテル

Gutshof zum Schluxen オーストリア、チロル
(Top Ulrich Schilcher)

チロルの宿。アメリカのバックパックツアー「ヨーロッパ3週間の旅」の中で一番良かったのがこのホテル。

かの有名な「ノイシュバインシュタイン城」(文字通り言うと「新白鳥城」)の裏の山を越えた向こう側、オーストリア側のチロルにある山小屋風の家族経営ホテル。フュッセンから車で南へ15分ほどの距離。

ノイシュバインシュタイン城へ 国境を越えて歩いて1時間ほど

Gutshof zum Schluxen  (booking.com)
A6600 Pinswang-Reutte, Austria 
ツインシャワー付きで1部屋$100から

Gutshof zum Schluxen

回りは広い放牧地、高い山に囲まれてその宿はぽちんと建っている。1853年創業、典型的なチロルの山小屋風の作り。

部屋の中はきちんと設備が整った清潔な作り。ベッドのリネンがきれいなセッティングでカミさん溜め息。掛け布団と枕はふかふかの羽布団。枕の置き方がかわいい。

ふかふかの羽布団 枕の置き方が独特

ベランダから遠くにアルプスが見える。宿の裏には牛小屋。朝夕、のどかにカウベルを鳴らしながら牛追いの少年に追い立てられながら牛たちが草を食べに行く。帰ってきた少年が、飼っているウサギを見せてくれる。

周りは牧場 カウベルを付けた牛が放牧されている

宿は家族で経営されている。親父は料理を作り、おかみさんが給仕をし、長男がバー(地ビール!)と帳場の面倒を見る。忙しい夕食時は一家総出で給仕をする。

賑やかな晩餐が始まる

泊まった当夜は地元の結婚式があって夜遅くまでパーティが続いた。ヨーデルやアコーディオンのにぎやかな歌や踊りが楽しかった。本物のヨーデルを初めて聴いたよ。その分私たちの夕食はあわだしかったのだが、ま、いいか。

夕食後、次男の少年が裏の牛小屋や生まれたばかりの馬を見せてくれた。この少年、今年の国体のクロスカントリーで2位になったと誇らしげだ。アルプスに落ちる夕日と真っ赤に染まった夕焼け雲がきれいだった。

アルプスの夕焼け (Katharina Muxel)

このホテルには洗濯室があってみんな揃って洗濯。3週間のこのツアー、一週間ごとに洗濯する日があって助かる。庭には様々なみんなのパンツが風になびいている。洗濯機を回している間、庭で思い思いに日記を書いたり手紙を書いたりする。

裏山へ朝の散歩

朝、日の出と共にカウベルが響く。牛のお出ましだ。みんな思い思いに散歩に出かける。朝ご飯は山盛りのビュッフェ。地元のチーズとハムがおいしい。朝からサラダをたくさん食べた。

歩いて国境を越える

今日は歩いてノイシュバインシュタイン城へ、1時間の距離。日本のツアーでは絶対ないプログラムだな。でもこれが楽しくて気持ちがよかった。

宿の裏山の道を登っていく。森の中のゆったりした気持ちのいい道。ちゃんと山登りのスタイルをした老夫婦とすれ違う。時々マウンテンバイクもゆっくり走ってくる。

途中、ドイツとの国境がある。なーに、山道に「ここからドイツ」って書いてあるだけ。宿からゆっくり歩いて1時間で城の下の湖に着いた。

この「ヨーロッパ3週間ツアー」、参加資格が「荷物は機内持ち込みサイズのバックひとつだけ」「自分の荷物を担いで5km歩く、または三階まで登れること」というのもの。内容もユニークだったけど、宿もよかった。ツアーガイドもプロ、各地のローカルガイドツアーがよかった。楽しい3週間でした。

アメリカのツアーだったのでほとんどがアメリカ人だったんだけど、電車に乗ったことがない人が半分もいて驚いた。パリでは地下鉄の切符の買い方、乗り方からガイドが始まったんだよ。世界遺産登録前のイタリアのチンケテーレにに行ったのもこのツアーだったな。



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