J3のU-23チーム、2020年限りでJ3リーグ参加終了

 かねてから報道があっていた通り、U-23チームのJ3リーグ参加が2020年、つまり今年一杯で終了することが正式に決まったようです。

 当初J3リーグにはリオ五輪の強化も兼ねて、Jリーグ・アンダー22選抜が2014、2015年の2年間リーグに参加しておりました。
 当時、ロアッソ熊本からも上村周平選手や森川泰臣選手らが時折召集されていました。
 ただ、いかんせん急増チームということだったり、選手によってモチベーションに差があったりすることもあり、チームとして脆さが出る試合が多発したことなどから、2015年を最後に活動を終了。
 翌2016年からJ1・J2クラブにU-23チームの参加を打診する形で、3チームの参加が認められました。
 それ以降今年で5シーズン目の参加となりましたが、これをもって参加終了となりました。

 これには様々な経緯や思惑があるとは思いますが、一番大きいのはJ3リーグの定員数だと思います。
 現・チェアマンの村井さんは、J3に関しては全国リーグでやるとの考えを崩しておらず、定員も20チーム程度と発言しております。
 実際、天皇杯予選なども戦うJ3を運営する上で22チームでリーグを行うのは困難なので、現状20チームが限界なのは間違いありません。
 定員が20チームとすると、今年はFC今治の参入で19チームとなり、残る枠はあと1つ。JFLからの最大参入枠が「2」ということを考えると、U-23を撤退させなければJFLへ降格するチームが出てくることになってしまいます。
 以上のことからU-23チームがこのタイミングで撤退することは必然であり、当初から予定されていたと考えられます。

 今年は19チームで行われるJ3リーグですが、来季は16チーム~18チームでの開催となります。
 JFLから何チーム参入するかで変動することになりますが、J3参入を目指すJFLのチームからすれば、「参入初年度に降格がない」シーズンを確実に迎えるためには、来季参入しなければならないので、今年は一段と激しいリーグになってきそうです。

来季のJ3リーグに参入する可能性のあるチームをここで紹介します。

           百 年
           構 想  観客動員数
           クラブ  平均 最大
    奈良クラブ   △    2,020 5,102 ※
 ラインメール青森   ○    438    630
テゲバジャーロ宮崎   ○    908  1,976
     FC大阪  申請中   1,098 2,685
 ヴィアティン三重  申請中   1,040 4,014
    いわきFC  申請中   -   -

 J3基準は平均観客動員2,000人以上が基準となっている。
 百年構想クラブの認定結果は2月25日に発表。

 △解除条件付きの資格失格処分
 ※水増し認定の数値

 昨年の終盤、観客動員について話題になった東京武蔵野シティFCは先月早々に来季のJ3参入断念を発表。ライセンス交付にあたって条件付きとなっていたスタジアム整備についての問題がネックとなり、また改めて再来年以降の参入を目指すという方針になりました。
 J3参入への順位要件は「JFL4位以内」と「Jリーグ百年構想クラブで2位以内」の2つあり、東京武蔵野シティFCはJ3ライセンスは持たないが、百年構想クラブではあるので4位以内に入った上で、この東京武蔵野シティFCよりも上に行くことが条件になってきそうです。

 奈良クラブに関しては、内部告発などから水増し疑惑が発覚し、百年構想クラブであることからJFLのみならずJリーグからも処分が発表され、解除条件付きの資格失格処分が下されました。この時点では一旦失格となりましたが、6月までに改善が見られれば資格が復活するものと見られます。

 地域リーグ時代から話題を振りまいてきたいわきFCがいよいよJFLに参入し、早くも百年構想クラブも申請。スタジアム計画も少しずつ進めており、J3参入へ着々と準備を進めている印象です。

 ヴィアティン三重もスタジアムをJ3基準へ改修し、FC大阪も花園第2グラウンドの改修計画を発表。両者とも無事百年構想クラブに認定を受ければ、J3ライセンス取得が可能ということになります。

 昨年はJ3ライセンス申請を断念したテゲバジャーロ宮崎も、今年10月に新スタジアムが完成予定となっており、J3ライセンス申請へ壁はなくなった。昨年は5位と躍進したので、J3参入へ期待が膨らんできました。

 昨年J3ライセンス交付を受けながら、成績と観客動員で低迷したラインメール青森は今年新スタジアムとなる「新青森運動公園陸上競技場」を使用する最初のシーズン。キャパはJFL屈指となる2万を誇り、無料動員をかければ平均観客動員もクリアできそうなキャパシティ。新スタ特需を上手く使えるかがJ3参入へ鍵となってきそうです。

 今年のJFLは最大で百年構想クラブが7クラブ、J3ライセンス取得が6クラブとなる可能性があります。現在百年構想クラブ申請中の3クラブは、2月25日に結果が出る見込み。2月14日には全日程が発表されます。これを受けてまた改めて今年のJFLの注目ポイントを書かせていただこうかと思っています。


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