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PWCS2023YOKOHAMAで涙した話(私が)。

割引あり


はじめに

こんにちは、筆者です。私はポケモンワールドチャンピオンシップ2023ヨコハマ(以下PWCS)では、Play-Labチームの一員として活動してきました。

Play-Labとはアクティビティゾーンの2階にあり、周囲にはポケモンユナイトが遊べたり、ポケモンマスターズEXが体験できるゾーンだったり、最近発売されたポケモンカードclassicの展示があったり。その一角でポケモンカードの体験ができるゾーンになっていました。

そこで、私たちは40人のチームで3日間、のべ2,000組近い方にティーチングを行ってきました。

普段ポケモンカードのイベントを行うと、(当たり前かもしれませんが)少しポケモンカードに興味があったり、新しい商品を手に取ったことがあったり、対戦の流れが一通り知っている人にご参加いただくことが多いです。

しかし今回のイベントでは横浜の街がポケモン一色になっていたこともあり、ポケモンカードは知らない、手に取ったことはない、あるいは初めてポケモンカードに触れるという方にも多くご参加いただきました。

そんな中で、どの方も本当に印象的だったのですが、その中でも私が泣かせてしまった男の子の話をしようと思います。


エピソード

Play-Labは予約制になっていて、およそ30分程度でポケモンカードの一通りの対戦の流れを体験していただくイメージになっています。


基本的に使うデッキは3種類。


・ブラッキーvメインの悪タイプ

・ルカリオVメインの闘タイプ


・ゲッコウガVメインの水タイプ



から好きなデッキを選んで対戦をしていきます。


普段は60枚のカードでサイド6枚先取ですが、Play-Labでは30枚のカードでサイド3枚先取のハーフデッキを使いました。


ご家族で参加していただいたので、


お父さん

お母さん

お姉ちゃん(年長)

弟くん(年少)

とお話ししながら、ご希望としてはきょうだいで対戦してみたいというリクエストでした。


こういう時はある程度の流れを説明してサポートをしつつ、困った時だけ現れるのが僕のティーチングのスタイルです。


そんなこんなで、サポート(人間)は強いけど自分の番の中で1回しか使えないよ、進化はポケモンを置いた番にはできなくて、次の番から進化して強くなれるよ。そんなことを対戦の流れの中で学んでいってもらいます。


年少さんには難しい感じもしますが、お子さんなので飲み込みは早いです。乾いたスポンジのようにすぐ吸収して、楽しく対戦は進んでいきました。



そう…あの時までは。


事件は会議室では起きません。現場で起きるものです。


お互いサイドを取り進め、お互い残りサイド1枚ずつ。白熱した終盤戦です。


ここで弟くんのバトルポケモンはルカリオV。エネもしっかりついて残りHPは120。


対するお姉ちゃんのバトルポケモンはゲッコウガV。残りHPは170でお姉ちゃんの番の最中です。


ここでお姉ちゃんはワザを宣言。このゲッコウガの下のワザ『しゅりけんらんぶ』がめちゃめちゃ厄介で、コインの裏表が運命を決めるんですよね。このゲッコウガのワザにはLabのスタッフ一同、大いに泣かされました。


出なくていいところで表がでるし、出てほしくないところで表が出る。私たちの計算を狂わせるクリーチャーズの回し者みたいなGreninjaです。


状況を整理すると、コインを3回投げて2回表がでたらお姉ちゃんの勝ち。0回か1回なら弟くんの番に戻ってワザを宣言して勝ち、という状況です。


ここまで読んでくれたらなんとなく想像がつくかと思いますが…


裏、表ときて…最後に投げたコインは無常にも表が出てしまいました。


みるみるうちに目に涙の滴がたまっていく弟くん。悔しくて悔しくて、泣き出してしまいました。

もう、ウルウルじゃなくて号泣レベルです。ごめん、おじさんが悪かった。

お父さん、お母さんごめんなさいという気持ちでいっぱいになるカトウ。

そして一人だけ勝利して上機嫌のお姉ちゃん。


もう、この時は本当にやってしまった感でいっぱいでしたね。もうちょっと手はあったんじゃないかと。自分の力不足を痛感しました。お父さんに慰めてもらいながらブースを後にする弟くん。ありがとうございましたって言ってもらえたものの、やっぱり涙がとまりません。

さて、そんなことがあっても(あったから?)次の参加者の列は伸びていく一方です。この時に学んだので、以降の参加者できょうだいや親子で対戦する時には


『ポケモンカードは勝ったり負けたりするゲームです。ちょうど隣の建物で世界一を決める試合をしていますが、そこにいるお兄さんやお姉さんも勝ったり負けたりしながらあの場に立っています。実は私たちは普段、ジャッジという立場でたくさんの試合を見ていますが、10回戦って10回勝てることはめったにないです。なので、勝っても負けても対戦して楽しかったなって感じてこのブースで遊んでもらえたら私たちはとっても嬉しいです。』ということを必ず伝えるようにしました。



その日に飲んだビール


次の日

そして翌日…午前の部が一通り終わって、休憩から帰ってきたすぐの部でした。このPlay-Labブースは空調が効いているのですが、大会中を通じてとにかく喉との戦いでもありました。私たち40人のチームはもしかしたらあの日、世界一のど飴を食べたチームだったかもしれません。今日もあと半分頑張ろう、そんな気持ちでブースに戻るとなんとなく見覚えのある方が席に来てくれるんですよね。




そうなんです、昨日号泣して帰ったあの男の子がまた来てくれて、偶然に偶然を重ねてまた私の担当になったんです。


40人のチームで動いてるので単純に考えても1/40ですよ。ウッウロボよりもおとどけドローンよりも低い確率です。男の子もお母さんも私のことを覚えてくれて、『あのお兄さんがいるといいねぇ。』って話してたんですよ、って。いやいや、今度はこっちが泣いちゃいますやん😂


お話を聞いたら、あの後もまたやりたい、またポケカしたいって子どもたちが言うので今日も来ちゃいました、って。そんなことあります??(1回目)もう、心の底からの来てくれてありがとうございますって伝えましたね。ハンカチ持っててよかった。歳をとると涙腺が弱いんです。


ご存知のとおりPWCSの会場付近はメッチャ混んでるし、外を歩いていたら暑いし、せっかくのお盆休みをもう1日潰して電車に乗ってきて長い列に並んで整理券とって、昨日泣いちゃったイベントにまた参加してくれたんですよ。そんなことあります??(2回目)


ありがとうございます、お父さん、お母さん。そしてポケモンカードの神様。



小さいお子さんなので、まだうまく感情のコントロールができないことは当然あります。かけっこだって、最後は手をとってみんなで並んでゴールをしましょう。そんな世の中です。


でも、そこで投げ出すんじゃなくて負けて悔しい、また対戦したい、次は勝ちたいって思った故の涙だし、それが分かってるからご両親も翌日にまた足を運んでくれたんだなって強く感じた出来事でした。


そして、今度はきょうだいで別々のテーブルへ。しっかり弟くんに初勝利を捧げて、今日は二人揃ってニッコニコの笑顔でブースを後にされていきました。


その日に飲んだビール


喉との限界と戦いながら走り抜けたチームは、未来のトレーナーたちにしっかりとポケモンカードの面白さを感じてもらい、未来への種まきができたんじゃないかと思います。本当に最高のチームでした。


次は大型大会で待ってるね。未来のチャンピオンたち。


という長いエピソードでした。


実はもう一つ、タイ人のお兄さんで英語対応かなって思ったら、仕事で新潟にいたので日本語ペラペラだったネタもあるんですけどそれはまた別の機会に。

ハーフデッキについて

ということで、11月にやるイベントでも30枚ハーフデッキを用意しておこうと思っています。

私も子どもが小さい時からポケモンカードをしていますが、60枚のデッキを何回も何回もシャッフルするって手の小さいお子さんにはかなりの負担感があるんですよね。正直、シャッフルという行為が一番のネックだと思っています。


ポケモンカードは遊戯王やデュエマと比較すると山札を見てシャッフルするとことが多い(らしい)ので、手の小さい年齢のお子さんほど、シャッフルのしやすいハーフデッキをおすすめできるのかな、と感じています。


もう一つ、ハーフデッキだとサイド3枚で決着がつくのでポケモンV+ほかのポケモン1匹を倒せば決着がつきます。なので普段よりも1戦にかかる時間が短くてすみます。


小学校入学前のお子さんですと25分同じことをし続ける、しかも相手の番の時にすることが少ない、待つ、というのは発達的にみてもかなりハードルの高いことを要求していると思います。5分から10分ぐらいで勝敗がついて、楽しかったらもう1戦やるぐらいのほうがいいのかな、と思っています。


なので特に小さいお子様ほどポケモンカードの入り口として、30枚のハーフデッキやシールド戦のような40枚デッキからスタートして、慣れてきたら60枚のデッキに移行していく遊び方もアリだと思います。カード資産もそのまま使えますしね。


家での遊び方はさまざまだと思うので、まずはポケモンカードの楽しさだったりゲーム性を理解してもらって、そこからジムバトルやイベントに行ってみようとなったときにルールなどもしっかり身につけていってもらえたらと思っています。


謝辞

そんなわけで、ここまで長い長い物語を読んでいただき本当にありがとうございます。

そして5日間を一緒に走り抜いたチームのメンバー、さまざまな面で手厚いサポートをしてただき大会を通じで貴重な体験をさせていただいた株式会社ポケモンには本当に感謝しています。ありがとうございました。


この記事は投げ銭システムになってますが、いただいた金額については私が主催するイベント、愛知県江南市で開催予定の「犬山線ポケモンカード交流会」での備品購入や運営の費用に充てさせていただく予定です。


資格をとってから2年以上となりますが、恥ずかしながらジャッジ業務ばかりでオーガナイザーのイベントは企画してきませんでした。過去のツイートにもありますが、2023シーズンはシティリーグや大型大会、自主大会のお手伝いなどジャッジ業務として年間で30日以上は時間を割いており、これ以上の時間が取れなかったという言い訳もさせてください。そんな中で今回イベントを企画し、できれば継続していきたいと思った要因としては、やはりこのPWCSでのさまざまな体験がとても大きなものを占めていると思います。


このあたりのことを書き始めると長くなり、それだけで1本の記事にできそうなのでまたの機会とさせてください。ただ、今まではジャッジ10:イベント主催0だった割合を少しだけ変化させてジャッジ8:イベント主催2ぐらいの配分でこの資格と向き合っていけたらと考えています。

※チームで後日写真を共有したので、もしかしたら背景などいただいた写真が混じっているかもしれません。不備がありましたらご連絡ください。ビールは間違いなく私の撮影した写真です。


以降は投げ銭ゾーンになりますが、私が大会中にとった写真ぐらいetcしか載っていません(笑)ここまでお読みただき本当にありがとうございました。

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