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能登半島復興に向けて

2024年元日、新年を家族とともに迎え、おせち料理に頬を赤らめて孫と一緒の楽しい時間を過ごし、地元氏神さんへ初詣から帰り一息ついていた時、家族みんなのスマホが一斉になり出して間もなく揺れが襲ってきた。また、能登で大きな地震だと思っていたところへ再び警報音が鳴り出し、今度は金沢でも大きく揺れ出した。初めての経験だった。家が壊れるのではないかと恐れながら何もできずただ呆然としていた。
揺れがおさまり、とりあえず家族と家の安全を確認し、すぐさま地元の拠点避難所開設へと向かった。地元の自主防災会の会長就任中にこんなことが起こるなんてと思いながら、道中、建物の損壊などがないか確認しながら、家の外に出ている住人に声掛けして回った。幸い、金沢の中でも揺れが少ないエリアで大きな被害は確認されなかった。それでも避難所には30人ほどが集まり、高齢の一人暮らしの方など20人ほどが一晩を避難所で過ごした。
避難所に待機している間、スマホで被害の状況、報道を見て、能登半島各所の被害の大きさが徐々に伝わってきた。すぐさま、能登に実家があるJUDI石川メンバーの安否が気になり、メンバー数人のグループメッセージに安否確認を送ったが、能登の実家に帰省中のメンバーから返事がなく、もしやと不安にかられた。3日夕方にようやく連絡が届き無事であることが確認できてほっとしたが、ご実家は被災され2日間避難所生活をおくり、3日各所で寸断された道中をなんとか金沢まで戻ってこられたとのこと。悲痛な思いで移動されたこととお見舞い申し上げます。

輪島市黒島地区(重伝建)被災状況
輪島市黒島地区(重伝建)被災状況
先の震災から復旧したばかりの旧角海家(北前船回船問屋)
今回の地震で全壊した旧角海家
沿岸部が隆起してしまった黒島漁港
完全に陸地となってしまった漁港

2日朝、北陸の正月には珍しいほどの快晴。地元の避難所で1泊された方も自宅に戻られたため後片付けをして、隣接地区の卯辰山麓寺院群の様子を見に行った。重伝建地区でまちづくり協議会の会長でもあることから気になっていた。当該地区の中にはひがし茶屋街の重伝建地区を包含しているが、こちらは大きな被害は見られなかった。しかし、寺院群では山門や土塀、参道階段横の石垣などが崩落するなどの被害が多数発生していた。とりあえず被災状況をそれぞれ写真に収めるようにお願いして回った。

金沢市卯辰山麓寺院群(重伝建地区)土塀の崩壊
金沢市卯辰山麓寺院群(重伝建地区)土塀の崩壊

発災から一月以上が経ち、被害の状況は毎日の報道の通りであるが、被災され亡くなれた方々にご冥福をお祈りするとともに、住まいを失うなど被災された方々に深くお見舞い申し上げます。JUDI北陸メンバーの中にも、ご家族・ご親族が能登で被災された方もいらっしゃいます。心よりお見舞い申し上げます。
能登は世界農業遺産に選ばれ風光明媚で海の幸、山の幸に恵まれた豊かな地域だが、一方で限界集落が各所に点在している地域でもある。今後の復興はどうあるべきか、我々都市環境デザイン会議としても、これまでの震災復興で得られた教訓を踏まえ貢献していかなければならいと強く感じている。
皆様、どうか能登半島の復興にお力をお貸し下さい。
      広報委員会委員長 上坂達朗(北陸ブロック)

度重なる地震で崩れてしまった能登のシンボルの在りし日の姿
焼け野原となってしまった朝市通り 再び賑わってほしい

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