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好きなゲーム10個の話(前半)

先日、Xでこんなタグを見つけた。

ドラクエとかやれよ笑

これで人柄がバレたのかはわからないが、思えば自分の好きなゲームを人に紹介する機会というのはなかなか無かった気がする。
せっかくこうして文字を書く場所を作ったのだから、モチベのあるうちに活かしてみよう、と思い立った。

というわけで今回は、筆者の好きなゲームを10本、ざっくりと紹介していきたい。
一度に全部並べると長くなりそうなので、本稿では前半の5つを取り上げることにする。

未プレイの方におすすめしたい気持ちがあるので、深刻なネタバレは避けるよう努力します……が、何かを察してしまった方がいたらごめんなさい。


#1:『ゼルダの伝説 時のオカリナ』

神ゲー

ちょっと旧めのゲームオタクなら誰もが知る超有名タイトルにして、筆者の性癖を決定づけた大事な作品。『時のオカリナ』なくして自分のゲーム体験を語ることは不可能なため、まず一番最初に持ってきた。

本作はNINTENDO64をプラットフォームとして発売された、初の3DゼルダシリーズとなるアクションRPGである。
広大で立体的なマップ、魅力的なキャラクター、手に汗握る戦闘、頭を悩ませる謎解き、そして膨大な探索・やりこみ要素。その圧倒的に重厚なプレイ感は、当時小学生だった筆者の心を瞬時にわしづかみした。アクションゲームに脳を破壊され始めたのはここからだったと言える。
3DSへの移植もされており、当然そちらもプレイしたが、正直言って十何年も前に作られたゲームとは思えない完成度だった。

今ならSwitch Onlineで遊べる

3Dアクションゲームの金字塔として名高い本作。その功績の最たるもののひとつが「Z注目」だ。

Zボタンを押すと、常に敵を視界に入れながら動ける

今でこそ3Dアクションでは当たり前の機能だが、「敵を中心に円運動するモード」という操作はこの当時とても画期的だった。これによって、敵と自分の立ち位置がどの関係にあっても、常に距離感だけに集中して戦闘することができるし、明後日の方向に剣を振り回すこともない。
また敵以外のオブジェクトでも、調べられるもののすべてが注目できるようになっており、特定の物にアプローチすることが容易になっている。
このシステムは、後世に連なる数多くのゲームの基礎となった。時オカがなければアクションゲームの発展は数年単位で遅くなっていたかもしれない。

余談だが、本作は全年齢向けの作品でありながら、ダンジョンや敵がちょっと暗め怖めの緊張感あるテイストになっており、これがまた筆者の性癖に大刺さりした。
リーデッド、フォールマスター、デドハンドなど、怖いモンスターは思い出せば枚挙に暇がない。

もしかして、筆者のホラー好きを開発したのって……

ところで、素晴らしいゲームには素晴らしい楽曲が付き物だ。
ゼルダシリーズは名曲とともに進化を続けてきたタイトルであり、もちろん本作も例に漏れることはない。後世の楽曲に連綿と受け継がれる『ゼルダ姫のテーマ』や『大妖精の泉』、TikTokなどのショート動画で流れたりする『お店』など、本当にひとつひとつの曲が素晴らしくて逆にいちいち語ってらんないのだが、それでも何か一つ紹介しろと言われたら、これを出すより他にない。

『ゲルドの谷』

魂の曲である。
ただのフィールドBGMにこんなパンチの効いたメロディーを持ってくるなんて、GOサインを出したディレクターはどうかしている。最高だ。砂漠の風景と軽快なギターソロがめちゃくちゃマッチしている。カッコよすぎる。はぁ。


#2:『ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム』

神ゲー

時オカを3Dゼルダの祖と呼ぶなら、この『ティアキン』は3Dゼルダの集大成と言えるだろう。

オープンワールドのゼルダ、という意味ではすでに過去作の『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』が存在し、こちらも本当に素晴らしい作品である。純粋なオープンワールドゲームとしてはむしろティアキンよりブレワイの方を評価すべき、という声すらあるほどだ。わかるそれな。

こっちも神ゲー

故に新作が作られると聞いた時、それが『ブレワイ』の直接の続編だと知って「おいおい、神ゲーの続編って怖くないか……? 大丈夫か?」と思ったものだが、今にして思えばそんな心配は不要だった。時オカの後に『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』を作ったあの任天堂なのだ。実際、発売から3分で杞憂だったとわかった。

前作で大テーマとなった「どこへでも行ける」ことの楽しさは、大胆にもマップを3倍に拡張することでさらに加速。
事前の広告は「舞台は地上から空へ」というような煽り文句で、すげえ!マップ倍になるじゃん!と喜んでいたのに、蓋を開けてみたら何の告知もなかった地下空間までもが存在していたのだ。しかも地上と同等の広さである。探検のし甲斐があるなんてもんじゃない。気が狂ってしまう。
また、本作は空を舞台に組み込むことで、必然的に飛行の自由度を大きく高めている。マップが増えたことで単に横の領域が広がっただけでなく、今までのゲームでは工夫が必要だった「縦軸のアクション」に、いとも簡単に手をかけることができるようになったのである。

空を飛ぶのは当たり前の時代

刷新されたリンクの特殊能力もすごい。
物と物を接着して新たな機能を与える「ウルトラハンド」「スクラビルド」は、聞いた時は本当にそんなことができるのか!?と思ったものだ。何十何百とある物体同士を組み合わせて、それぞれが作用しあった際のパターンを個別に設定し、しかもそれらをすべて物理演算に乗せておかしな挙動が起こらないように調節するなんて……
近くにある天井に飛び上がってそのまま屋根の上まで突き抜ける新たな移動手段「トーレルーフ」にも驚いた。やってみると快適なのだが、今まで類似のアクションは見たことがない。いったいどうやってこれを思いついたんだろう。縦軸のアクションに心血を注いだ開発陣の努力の結晶なのかもしれない。

これで屋根の上に行ける

「ゼルダの当たり前を見直す」ことで出来上がった世界に、本作は過去シリーズのオマージュをこれでもかと詰め込んでいる。
新規プレイヤーがそのまま遊んで面白いのは当然として、過去作を遊んだ人にもニヤリとしてもらえるような要素が随所にちりばめられている。開始早々にバクダン花とライクライクを見つけて「うぉっ」となったプレイヤーは筆者だけではないだろう。

『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』からのサプライズ登場

シナリオにもしっかりアツい内容が用意され、ラスボスへ向けた物語の加速感はとても盛り上がる。
これに関してはネタバレしない方が絶対に面白いと思うので、未プレイの方はぜひ調べずにプレイしてほしい。ここでも詳述は控えることとする。

本作はプレイ時間の多くを、環境音に近い静かな音楽の中で過ごすことになる。
しかし場所や環境の変化による音の推移は非常に丁寧にデザインされており、また要所要所のイベントやボス戦などでかかる曲も非常に良い。
紹介するのはティアキンの顔、この曲だ。

『メインテーマ』

壮大さと不穏さ、最後に残る希望など、ティアキンの物語のすべてが詰まっている。
ぜひラスボスを倒してからもう一度聴いてほしい。ブチ上がること間違いなし。


#3:『SILENT HILL 2』

神ゲー

打って変わって、ホラーゲームの紹介。

筆者はホラーコンテンツ、特に日本のホラー映画が大好きで、日々そうしたものを啜って生きている。
ゲームにもいわゆる和ホラーの作品は多数あるが、トップを決めろと言われればやはり『SILENT HILL』シリーズ、とりわけ『2』を挙げないわけにはいかない。

霧の立ち込める街「サイレントヒル」は、訪れる人たちの心の暗部を醜怪なクリーチャーとして現実世界に描き出す。死別したはずの妻マリアに呼ばれ、この街に足を踏み入れた主人公ジェイムスは、不気味な異形たちとマリアの幻影のような女に翻弄されながら、彼女との思い出の場所を目指す。

「ジェイムス」

本作の恐ろしさは、得体のしれない造形と動きで悍ましさをあおるクリーチャーたち、そして鬱々とした空間や人々の醸し出す漠然とした不安である。

本作のクリーチャーは『バイオハザード』や『サイコブレイク』のような人間を害する気満々のデザインではなく、どうしてそうなったのか判然としない、奇怪そのものといった見た目のモノが多い。
確かにそれらはジェイムスとは敵対しているようで、見つかれば戦闘は避けられなかったりもするのだが、それらを殺して手に入るのは当面の安全と後味の悪さだけである。経験値や銃の弾なんていうファンタジーなものが拾得できたりはしない。

ダントツに特異な造形の「アブストラクトダディ」

クリーチャーだけでなく、時には普通の人間と出会うこともある。
しかし、それが街に暮らす住民だったとしても、外からの来訪者だったとしても、いずれにせよ気を付けなければならない。まともな人間ならラッキーだ……そしてラッキーに期待するのは悪手だ。誰もが自分のことでせいいっぱいなのだから。

ピザが大好き「エディー」

救いのない中でどうあがくのか、認めたくない事実を前に何を選ぶのか。
そうした決断の数々がジェイムスをエンディングに連れていく。恐怖に克つ方法は一つではなく、そのどれもがただのハッピーエンドにはなれなくて、それでも「これで良かった」と思えるように、気づけば何度も選択しなおしている。
『SILENT HILL 2』はホラー描写よりもシナリオで評価されることが多い。あなたにも是非、自分の手でエンディングにたどり着いてほしい。

なお、本作は2024/1現在、PS3リマスター版が最新のプレイ環境となるのだが、本年中に同タイトルのリメイクがPC・PS5向けに発売されることがコナミより発表されている。

はよはよはよはよはよはよはよはよ

10年前に伝説のホラーゲーム『P.T.』が配信され、それがサイレントヒル新作『SILENT HILLS』の体験版だったことが判明してから、筆者はずっと本シリーズの最新作を待ち望んできた。
極めて残念なことに『SILENT HILLS』の開発は中止となってしまったが、昨年2023年にはタイトル関連作品を複数製作する計画が発表された。ゲームソフトとして完全新作となる『SILENT HILL f』も開発されるとのことなので、当面はまだ死ねない。

はよはよはよはよはよはよはよはよはよはよはよはよはよはよはよはよ

楽曲について、本作からは『Theme of Laura』を紹介したい。
オープニングとしても使われており、力強さと切なさ、退廃感を併せ持つ名曲である。

『Theme of Laura』


#4:『深夜廻』

神ゲー

ホラー枠からはもう一本お話ししたい。

『深夜廻』は日本一ソフトウェアの2Dホラーアドベンチャーゲーム『夜廻』のナンバリングタイトルで、シリーズの2作目にあたる。
かわいらしい女の子のデフォルメキャラと、彼女らに降りかかる容赦ないホラーやグロテスク表現、という風邪を通り越してインフルにかかりそうな温度差が特徴のシリーズである。

ほら、かわいいイヌのゲームだよ、こわくな
(前作『夜廻』より)

本シリーズはプレイヤーの死角を突いた恐怖を扱うすべに長けており、その中でも『深夜廻』はひときわその良さが表れている。
あらゆる意味で予想させない展開が多く、ホラー慣れしている人にとっても新鮮な恐怖や驚きを提供してくれる。特にメタネタが好きな方にはかなりおすすめだ。筆者も終盤の大ネタには「その手があったか」と膝を叩いてしまった。

なお、本シリーズは基本アクションが「歩く」「走る」「物を投げる」しかない2Dアドベンチャーだが、シンプルさに反してけっこうシビアな精度のアクションを要求される。ちょっとしたミスで簡単に死ねるので、意外と緊張感あるプレイになる。
謎解き要素はそこまでないため、「怖い思いしてるのに難しいことなんか考えられるか!」という人でも安心だ。

かすっただけで死にそうな凶器。かすったら死ぬ。

探索ゲームとしても面白く、人気のない暗い田舎町を懐中電灯片手に進む体験は、それだけでお化け屋敷的なじりじりした怖さがある。
ロケーションも複数あり、単調なマップに飽きるということはない。クリア後には大きな追加要素があったりするので、やりこみの余地も十分。

恐怖体験というのはどうしても、同じ刺激を繰り返し受けるとインパクトが薄れるものなので、魅力を語りたくても詳細を話せない。
窮屈なものだが、それでも少しでもこのゲームの気配を知ってもらうために、深夜廻のメインテーマを置いておこうと思う。

『Main Theme』


#5:『DEVIL MAY CRY 3 Special Edition』

神ゲー

筆者のアクションゲーム癖に「硬派」という名の中二的嗜好を加えた、最大の戦犯。
なお、Xのポストでは『DEVIL MAY CRY 3』としているが、こちらでは同タイトルに追加コンテンツが入った『Special Edition』を扱う。

筆者は『DEVIL MAY CRY 2』からシリーズを遊び始めたのだが、当時は映画『リベリオン』の影響でガン・カタが大流行していた時期で、本シリーズの他にも『GUN GRAVE』『ツキヨニサラバ』など二丁拳銃アクションが溢れかえっていた。

アクションゲーム映えするんだこれが

その群雄割拠の中、評価が芳しくなくシリーズの人気をやや落としていた『2』から不死鳥のごとく神ゲーとして生まれ変わったのが、この『DEVIL MAY CRY 3』だ。

大剣とハンドガンを駆使して悪魔を蹴散らすというシンプルで主観的な快感に、アクションをカッコよくキメたら点数になる「スタイリッシュシステム」という客観的評価を導入した、ダークでクールなイケてるゲーム『DEVIL MAY CRY』。
本作はその3作目、主人公「ダンテ」がまだ若かりし頃の物語である。
『1』『2』では冷静なハードボイルドキャラだったダンテだが、『3』では一転、若かりし頃ということでよくしゃべる自信家に変貌。雑魚もボスも関係なく煽り散らかすデモムービーには、一周回って清々しさすら覚える。

地獄の番犬ケルベロス相手にこの態度
こうなると怪物もただのかませ犬である

登場する武器はバリエーション豊かで、シンプルな両刃剣、冷気を放つ三又のヌンチャク、風と炎を司るおしゃべりな(!?)双剣、地獄の白光をまとった籠手と具足など、見た目も戦闘スタイルもさまざま。

エレキギター(鎌)

これらに加えて二丁拳銃やショットガン、ロケットランチャーなどの銃器を同時に扱うこともできる。
剣と銃それぞれ2種類ずつを装備して、戦闘中にリアルタイムで切り替え、多彩な技で次々にコンボを決めていけば、脳汁ドバドバ間違いなし。

主人公ダンテの宿敵でありライバルであり、そして血を分けた双子の兄弟でもある「バージル」も、本作から本格的にその姿を見せる。
長身の刀「閻魔刀(やまと)」を用いた近接戦闘、超高速の抜刀術から放たれ空間を切り裂く刃「次元斬」、魔力で形成し飛び道具を兼ねる無尽の剣「幻影剣」など、中二心を握り潰さんばかりのカッコよさで多くのファンを虜にした。

コンセプトが中二心くすぐりまくり
(『DMC5』コンセプトアートより)

ただし、彼はあくまでも敵キャラであって、プレイヤーが自身で彼を操作する機会はない。ファンの間では「バージルで遊びたい!」という声が非常に大きかった。
そして、『DEVIL MAY CRY 3』発売からちょうど一年後。バージルをプレイアブルキャラとして収録するなど、様々なコンテンツを追加してリリースされたのが、冒頭で述べた『Special Edition』である。

ありがとうございます!!!!!

本作以降、『4』『5』でもスペシャルエディションが発売され、バージル追加はすっかりおなじみの要素と化している。それだけ彼の存在はシリーズにとって大きく、またその流れを作った『DMC3 SP』の貢献は計り知れないものなのである。

カッコいい戦闘には、またカッコいいBGMが必要である。
もちろん本作の曲も期待は裏切らない。悪魔との死闘なんていうダークな世界観には、ガツンと脳みそを揺さぶる音が外せないだろう。

『Devils Never Cry』

おごそかな讃美歌から急転直下のメタルサウンド。ギャップすごすぎ、テンション爆上がりである。
ぜひ実際にプレイしてみて、戦闘中にかかるこの曲のイカつさにトランスしてほしい。
「SSStylish!!!」


好きなゲーム10個の話(後半)へ続く。

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