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誰も見捨てない授業を目指して

全員参加って

全員参加。この言葉に憧れて,20年以上教員生活を続けている。
でも未だ道半ば。
今回縁あって「授業公開チーム」による実践発表の機会をいただき,意気込んでいた。半年近くかけて準備を進め,それなりに手応えもあった。
でも,本時は惨憺たるものだった。
でも・・・。
10月29日までの僕の「物語」。

きっかけは13年前

僕は以前千葉県市川市に勤務しており,県教研で実践発表する機会をいただいた。頼朝が石橋山の合戦の大敗から富士川の合戦で奇跡の大勝利を収めたことを資料に問いづくりをした授業研究会。たくさんのお叱りをいただいた「黒歴史授業」。今思うと金言ばかり。今,ここまで厳しい言葉を言ってくれる人が指導主事を初め,誰もいない。ハラスメントは絶対悪だが,何に怯えているのか。
何とか13年前の自分を見返したくて,今回の授業に臨んだ。
現在埼玉県川口市に勤務しいているが,本校では今年度から社会科と体育科を中心にした「学びの共同体」を研究している。その提案授業の依頼を受けた。「授業公開チーム」と合わせることができると思い快諾。時期も鑑み,奇しくも13年前の自分と対峙する機会となった。

夏休みが貴重な教材研究

今年の夏休みほど,頼朝と向き合った時間はなかったと思う。
昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿と13人」の影響もあり,鎌倉時代が熱かった。合わせて授業公開のネタ作り。楽しい日々。授業に全く関係ない取材なども含めてこれが社会科の真骨頂だよな,と悦に入っていた。
それが本時の失敗の始まり…。

子供は正解

夏休みを使っての指導案検討。細かい文言をあげつらう検討会がどうも苦手で,模擬授業で先生方に示すことにした。意外と鎌倉時代を知らない先生たちが多く,盛り上がらない。子供たちはもっと知らない。これはまずい。あるベテランの先生が「歴史漫画なんかを資料にすると,親近感が湧くかも」と助言。なるほど,かくいう我が息子も膨大な歴史漫画から僕を遥かに陵ぐ知識を獲得することができた。この妙案にすぐ飛びついた。
この判断は間違っていなかった。
子供たちは本当によく調べ,共有した。素直な子たちに恵まれ,みんないつも前向きに本時に向かっていた。
子供たちは正解だった。

話し合うことは聞き合うこと

そして本時。
子供たちはとにかく友達の意見を聞こうとした。
そして,本時の「頼朝と義経は分かり合えなかった」理由を必死に考え続けた。でも後半盛り下がった。アウトプットの仕方が未熟だったと考えられる。その指導がもっと未熟だった。子供たちは友達の意見を一生懸命に聞き,共感をしていた。その雰囲気は素晴らしかった。ただ,課題に対して,子供たちの発言が乖離していた。これは僕の課題や資料提示に問題があったから。子供たちは友達を生かそうとしていた。その姿勢は録画動画を見る度に感じることができ,温かい気持ちになった。
教員の本分は授業。
当り前のことだが,改めてその言葉の重みを実感することができた時間だった。
                       ちんぺー_河根 慎一 

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