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算数で遊ぶ!

1.はじめに
 私は、算数が大好きです。小学生の時は、問題を解けることがとても楽しかったのですが、本当の意味で「算数、数学が楽しい!」と感じたのは、大学生の時でした。
 経済学部だった私は、数字や式で人の行動や社会の仕組み、人の気持ちまで説明できることを知りました。また、経済学部には「宗教経済」という科目もあって、その授業では、数学で神の存在を表すというテーマで、集合論を学びました。神の存在を信じるかどうかは、公理系を信じるかどうかだ!と、その授業の先生がお話しされていたのを見て、強烈な印象を感じました。
 卒業論文では、自分で考えた経済モデルを数式にして、データを集めて検証しました。これがとても楽しくて、私にとって数学は実験、遊びみたいな感覚でした。

 その後、小学校で働くようになって、子どもから「算数嫌い」という言葉を聞くことがあって、すごく残念に思っていました。
 算数の楽しさを知ってほしいし、算数で遊ぶ感覚を感じてほしいと思いました。
 そこで今回は、昨年度担任していた3年生「小数」の単元で取り組んだ、遊びの活動をたくさん取り入れた学習を報告します。

2.実践報告 3年生「小数」

1時間目:小数の表し方を知る
 単元の導入では、「ブロック□個で1点大会」をおこないました。一人25のブロックを持ち、ペアで対決します。数分間じゃんけんしてブロックの取り合いをします。数分間対決した後に、「ブロック10個で一点なんだけど、中途半端な数は0点で良いよね?」と話すと、「一個は十分の一の意味だから、きちんと数えられるよ」と子どもたちが話してくれたので、私から「十分の1のことを0.1ともいうんだよ」と教えました。

2時間目:小数と整数は同じ仕組みであることを知る

3時間目:長さや、かさなど、色々なもので小数が使えることを知る。

4時間目:小数を数直線で表す。大小関係をとらえる。
 一班に35枚の白紙のカードを渡して、「カードに、0から順番に0.1、0.2、…と書いていこう」と指示して、全部かけた班には、もれなく書けているか確認するために、0から順番に並べさせました。カードが全部揃いっていたら、混ぜて班のメンバーに配り、0.3、1.3、2.3、3.3を持っている子に先に並べさせて、7並べのようにして遊ばせました。慣れてきた頃に、1/10から10/10までのカードを混ぜさせて遊びました。「十分の一と0.1は同じだから、重ねて出しても良いことにしよう」など、子どもたちがルールを作って遊んでいました。この遊びで、小数の数直線のイメージを持ったり、小数と分数の関係、小数の大小比較の練習問題ができたりしたかなあと思います。

5時間目:小数を相対的、構成的に見る
 「小数ブロック掴み取り大会」をしました。大きな茶封筒にこの前の時間に使ったブロックを大量に入れて、班対抗で何個掴めるか、色々な掴み方で四回戦まで行いました。子どもたちが点数を発表する時に、「何で4.2点だと思ったの?」と聞き、「0.1点のブロックが42個だったから」とか、「10個で一点だから、ひとまとまりにして。一点のまとまりが四つと0.1点のブロックが2つだから」という言葉を引き出し、数の構成についてまとめました。

6時間目:小数の足し算、引き算
 4時間目の時に作った小数カードを使って、2枚合わせた数の大きさ対決で足し算の学習、2枚引いた時の差の大きさで対決する引き算の学習などもしました。

7時間目:習熟の時間
 ペア対抗、小数の足し算、引き算ゲームをしました。ルールは、①最初は2.5点からスタート、②ジャンケンで勝ったら得点アップ、負けたらダウン(ぱーは0.3点、ちょきは0.2点、ぐーは0.1点)、③ゲームは2回戦、④2回戦の獲得点の高い方から低い方を引き算した点数がポイント。このゲームは、必ず引き分けになってしまいます。子どもたちは「あれ?」という感じで何度も計算したり、ゲームに取り組んだりしていました。最後には、「このルールは面白くないから、ちょっと数字を変えてみよう」と、自分たちでルールを作って取り組んでいました。

3.おわりに

 子どもたちは、小数の授業が楽しかったみたいで、算数の授業の時には「やったー!」と喜んでくれることも多くなり、それが嬉しかったです。
 このほかの単元でも「〇〇ゲーム!」のような感じで算数の授業をすることが多かったので、子どもたちからは「おくのっちの算数はあそんでばっかりやー」と言われることもありましたが、子どもたちが少しでも、「算数って楽しい!」と思ってくれるといいなと思います。

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