モリモリさん流教材研究からの学び~連続企画「子どもの問いからつくる授業」~

モリモリさんの連続企画の3回目についてふりかえります!
テーマは教材研究。
発表内容の詳細はモリモリさんの投稿(https://note.com/jugyoterrace/n/nb0579c7f537a)やかずやさんの投稿(https://note.com/jugyoterrace/n/ndf7be07a87fb)をご参照いただき、ここでは、私自身の教材研究をふりかえりながら、モリモリさんのココがすごい!をつづります。

目次

  1. 全てを自分のものに~知識と知識をつなぐ~

  2. ふりかえりまでが教材研究

  3. 明日からできそうなこと

  4. おわりに

1.全てを自分のものに〜知識と知識をつなぐ~

 私も単元が変わるごとに指導要領は読み込むようにしています。疑問や気付き、教科書の文言など、書き込みもしています。
 ただ、「学年をまたいだ教材解釈にまで至っていない」というのが、私の課題です。例えば指導要領を読むときも、該当学年の該当単元の部分と、その前の学年の関連する単元のページを繰る程度です。

 また、書籍も好きです。モリモリさんが紹介してくださっていた冊子も購読しています。書籍を読む際に、章ごとに簡単に学びをまとめて書き込んだこともありました。
 ただ、読んで終わりになっている感が否めません。授業づくりや教科書比較をしている最中で、ふと、あの先生が面白い授業してたよな〜と思いたち、本棚をひっくり返してようやく見つけます。

 失礼ながら、上記の私と同じような方も多いのではないでしょうか笑

 モリモリさんは、自前の目次を作り、情報にアクセスしやすい環境を自ら整えています。「そういえばあの学年でも似たようなことしてたよな」「あの先生と言っていることがちょっと違うぞ」となった時に、ぱっと探しやすいし、そもそも、そのような比較する視点をもちやすくなれそうです。
 加えて、「数学的な見方・考え方」について、複数の書籍の記述を参照し、まとめながら、自己の見解を作り出していました。例えば、他の先生方に自分の学びを広める時に、この複数の根拠とそれを基にした自己の見解があるとないとでは、伝わり方が違います。教員として、また同じ宮崎県民として、モリモリさんのような方と職員室で授業の話がしたいです。

2.ふりかえりまでが教材研究

 セミナー当日、ブレイクアウトルームでも、ふりかえりを話題にさせてもらいました。
 板書計画への書き込み、板書を撮影して見直しながら次の日の授業づくり、家でご飯を食べながら授業録画の見返し(ハートが強い...)等様々でした。モリモリさんの場合は、タブレット端末を駆使して、板書計画と実際の板書を並べていました。

 授業をしていると、子どもたちの反応を受け「そこに着目するの⁈」「そこでつまずく⁈」という、大人と子どものズレを感じることがあります。そういう時の私は、授業後、黒板を見返しながら頭をかかえ、「あそこでああすりゃよかったなあ...ほんじゃ明日の授業でこうしてみるかあ...」と修正をかけるわけですが、言ってみれば、それのみです。その「あそこでああすりゃ」を毎日はストックしていませんでした。
 この毎日のストックが、前述した私の課題である「学年をまたいだ教材解釈」を実現する一つの解決策になると思いました。今受け持っている学年と隣接する学年をもったり、同じ学年をもったりした時に、子どもの見方やつまずきを想定する大きな助けになりそうです。
 「子どもの立場に立った授業づくり」とはよく言いますが、こういう日々のふりかえりが、子どもの目線に近づいていく一歩一歩になっていくのでしょう。

3.明日からできそうなこと

⑴教材研究貯金
 モリモリさんは、タブレット端末を駆使してもくじをつくったり授業のふりかえりをストックしたりしていました。セミナー当日も、このタブレットづかいは話題になりました。もちろん、使う・使わないや向き・不向き、使いどころの判別などが、先生によって違いがあると思います。
 私は今のところ、板書計画は5mm方眼ノート、指導要領はインデックスまみれ、気に入った書籍も同じく付箋紙まみれです笑
 しかし、今回のセミナーを受け、このままでは、知識と知識をつなぐことやふりかえって次年度以降に生かすことを考えた時に、少々不利かなと思いました。
 そこでひとまずは、板書計画と実際の板書を並べるために、ICTを駆使していこうと思います!思えば、「令和の日本型学校教育」答申にも、ICTを使った学習ログの活用が明記されていましたね。

⑵ 難問を解く
 これは、セミナーでは番外編と言うことで紹介されていました。ポイントは、難問を解く時に、子どもの立場ならどんな知識・技能、数学的な見方・考え方を働かせるかを想像しながら解くことです。例えば、小学生に出す問題なら、二次関数を使わずに解こう、というわけです。
 セミナーで紹介された問題外にも、早速、インターネットで見つけた図形の問題を解いてみました。すると、解きながら、あるいは解く前後、問題に臨む子どもたちの顔が浮かんできました。「え~!」「辺の長さってここだけしか教えてもらえないの!?」「…ちょっと待てよ、ということは…」「あ!できそう!」。あの子が気付くかな、意外とこの子も活躍しそうだな、この子に面白さが伝わるといいな、先にこっちの角度を求める問題にしようかな…。
 社会科の授業なんかもそうですが、教材研究や教材開発、授業づくりは、こういう授業者のワクワクから始まるパターンもありますよね。モリモリさんのご提案から、とてもステキな種を頂きました。

4.おわりに

 モリモリさんの「どろくさく」という言葉が、とても印象に残っています。今回のセミナーは、モリモリさんがこれまでたくさん手を動かし、汗をかいてきたことの成果でした。
 書籍や他社教科書からのインプットが多いと、油断すると、「この大先生の教材を使ったらゼッタイ面白い授業になるぞ~(子どもに合っていないのに)」とか、「この単元は割合と繋がってるんだ〜なるほど〜(他学年の教科書も見ずに)」とか、「この問題はだいたいここでつまずくでしょ~(自分で解きもせずに)」とか、大きな勘違いをしがちです。
 もちろん、まずは大先生の真似をしたり書籍等から多くの情報を得ようとしたりすることが大切です。
 しかし、それが場当たり的な小手先のテクニックになってしまっていては、教師としての成長も、学習集団としての子どもたちの成長も、望めないでしょう。
 モリモリさんのように、今だけを見ない未来のための教材研究を、手を動かし汗をかき時間をかけて貯めこんでいきたいです。はあ~でもそれって永い永い道のりだなあ~(;^ω^) 

                      執筆:もりゆう@宮崎県

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