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武井壮さん「オトナの育て方」から深部感覚について考えてみる

先週末はピアノの発表会でした。

生徒は幼稚園から一番上は中学3年生。
その上は、一気にアラフォー(私)。

例年通りあがってしまって、右足がずーっと痙攣してました😢
毎年発表会終わった後は「来年はもうやめとこかな」と弱気になるんですが、人に聞いてもらうという緊張感や目標に向けて取り組む機会があるのはやっぱりいい刺激になります。
そんなわけで、結局毎年参加させていただいています。

中学2,3年生になるとみんな勉強に集中するために卒業していくんですよね。今回も2人が卒業。
今の子供たちは勉強に部活にみんな忙しいですもんね・・・

こんなに上手なのにやめるのもったいないなぁ~と思うけど、
ピアノは、というか音楽は、いくつになっても楽しめるし生活を豊かにしてくれますから、私みたいに大人になってやり直すもよし、結婚して子供と一緒に再開してもよし!

これからも長く楽しんでもらいたいなぁーなんておばちゃんは思います。

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↑上原ひろみさんの「Greenteafarm」という曲を弾いたので、ハーゲンダッツのGreenteaで打ち上げ

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発表会に向けた練習の最終仕上げでやることがあります。

「自分の演奏を録音すること」です。

めっちゃ嫌ですけどね自分の演奏聞くの。
自分の声聞くのと同じくらい辛いです。

でもですね、録音すると、あら不思議!
なんでこんなに自分の想像していた演奏と違うのか!?という現象が起きます。
もう自分では仕上げ段階に入っているのに辛すぎる😭

でもこれが現実でもう発表会は目前、逃げようがないわけで・・・
観念して自分の録音された演奏を客観的に聴きながら、自分のイメージとの照合と修正をはかっていく、というプロセスを重ねて本番を迎えます。

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これはピアノの例ですが、カテゴリーは違ってもこんな風に、
「え!自分の思ってたのと違う!なんで?」
ってこと、日常でありませんか?

聴覚を使うピアノとはちょっと違いますが、ヨガでもよくあります。

自分ではピーンと背骨伸ばしてるつもりが、ふと何気なく窓に反射した自分のシルエットをみると、
「え!全然伸びてないやん!」とか、
四つん這いから片脚を上げるとき、お尻と同じ高さにあげてるつもりが、ちらっと脚を見るとだいぶ高かったり。
(ヨガは内観を大切にするのでスタジオには普通鏡はないんです)

要は自分のイメージと実際の動きとの「ズレ」が生じているわけですよね。

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私達にはもともと「深部感覚」という機能が備わっているそうです。

例えば、目をつむった状態で「気をつけ」の姿勢から手を挙げていったとき、その手がどの高さにあるかだいたい分かりますよね。

これは、骨、筋肉、筋膜、腱、関節、靭帯などが、刺激を感じる「受容器」として働き、そこで受け取った刺激が脳まで伝達されることで感覚を得られているからなんだそう。

ただ、この「精度」は人それぞれ。

日常生活ではそう影響しないとしても、例えばプロのアスリートはこのズレが少なければ少ないほど思い描くイメージと実際の動きが近づき、パフォーマンスアップにつながるのだと思います。


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少し前に「内容が深い!」「考えさせられる」と話題になった武井壮さんの『オトナの育て方』。

「深部感覚」というものを知った時に私はこの動画を思い出しました。

「百獣の王を目指す男」、「陸上10種競技の元日本チャンピオン」、などなど、とにかくずば抜けた身体能力のイメージがある武井さんですが、
小学校5年生のときに、「ホームランを打ちたいのに打てない」ことを不思議に思ったのがきっかけで、独自のトレーニング理論を編み出していったそうです。

その内容がとても深いです!!

動画は30分くらいなのですが、簡単にまとめます↓

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「ホームランを打ちたいのに打てない」ことを不思議に思った武井少年。

ペットボトルの水は飲もうと思ったら手に取って口まで運んで飲める。こぼさない。
なのに、打ちたいと思っているのにバットを空振りしてしまうのはなぜだろう?と思ったそうです。
(この歳でその視点が普通ではない!)

答えを知るべく体育の先生や周りの大人に聞きまくったのですが、
「野球選手だって、トップクラスの人だってそうそう打てないんだから、それはそういうものなんだよ。」
と言われ、誰も疑問に答えてくれなかったそう。

でもその答えがついに分かる日がきます。
それはお父さんにキャッチボールの様子をビデオで撮影してもらったとき。

その映像を見てみると、自分の投球フォームは自分が思い描いていたものと全く違っていたそうです。

それで、
「ああそうか。自分の頭の中で思った通りに動いてるつもりなのに、その通りに動けてなかったことが原因なんだ」
と気づいたのだそうです。(※まだ小学生です)

やっと原因が分かり、では何をしようとしたかというと、
『自分の体を思った通りに動かせる練習をしてからスポーツやろう』​

以下、動画より。

”「真っ直ぐ横に腕をあげましょう」って言ったときに、最初やってみたら上に上がっちゃったんです。肩よりも手が高いところに。
パって目を開けたら『うわっ!』と。
真っ直ぐだと思ってるのに上に上がっていると。

「見えてないところは腕を真っ直ぐに上げることもできない俺なんだ。」
と思ったんですよ。

そこからもう毎日ですよ。いろんな角度に腕を上げて、全部繋がっていて、体の事って。”

このトレーニングを続けるとだんだんと思ったところに手があがるようになり精度があがってきたそうです。

日々地道にこの感覚を磨いていって、他にもいろんな勉強をして大体2年半ぐらいで、陸上の10種競技の日本チャンピオンになれた、
と動画で語っています。

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武井さんは正に前述の「深部感覚」を、自分なりの方法で体得していったんやなぁと思いました。

鍛えられた肉体や輝かしい経歴が注目されがちですが、
疑問をスルーせず徹底的に向き合う勇気、試行錯誤で自分なりの方法を編み出す創造力、その方法を信じて地道に取り組む根気と集中力、どれもただただすごいの一言です。

大前提として「努力の人」ですが、でもこんなの誰でもできることではないと思う。
そもそも小学生で、自分ができないことに疑問に思って、自分の力で解決しようとするって!それくらいの歳、私はいかに習い事をナチュラルにサボるかを真剣に考えてたw
幼少期にして底知れぬスケールの大きさを感じさせる、さすが百獣の王を目指していると言っちゃえる人やなーと思いました。

今回取り上げたのは動画の一部ですが、動画にはその他にも心に刺さる言葉がたくさん出てきまして、
「どんなに仕事が忙しくても1日1時間のトレーニングと、1時間の勉強、
この2時間だけ、どんなに遅くても間がなくても必ず自分にプレゼントしてあげるようにしている」
もその一つ。

「自分にプレゼント」って言葉、素敵やわ~
彼の物事に対する真摯な姿勢がうかがえます。
ご本人が有言実行しているからまた説得力がすごい!

もし見たことがない方がいらっしゃったらよかったらぜひご覧ください。

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