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インスタントスタディー

皆様ごきげんよう、キョウコ先生です。

新年度の募集などが始まって私は新たな一年をスタートさせようと元気に過ごしております。

でも新年度が始まるということは、つまりお子さんが受験学年になる方々の中にはストレスが溜まっている方もいるということになりますね。

そういうときって人間の性質が出てしまいます。

窮地に追いやられるとやはり人間は情動が優位になってしまいます。

今日は窮地において、人間の性質が出るという話。

先生の中にもこういう人はいます。

現行の枠組みにおいての受験勉強では偏差値を算出して、受かる受からないを指導することが多いですね、その時にご家庭ではテストの点数で一喜一憂されて、心配になってお通いの塾に相談にいらっしゃると思います。

そういう時、先生の中には・・・

クレームを恐れて問題の本質と向き合わず、とにかく目先の技術的なもので点数をごまかしている人もたくさんいます。

ブログのタイトルより遥かに指導歴の長いキョウコ先生(指導歴が30年目に突入しました)は過去にそういう志の低い先生と何人もあってきました。

いい大人になっても目先の問題に囚われてしまってできる限り根本から解決しようという気概を失ってしまっているのです。

中には「ヒステリックなママを点数で手っ取り早く黙らせる」ということを公言している方もいたりして、すごくビビりました。

しかも、この発言の中に子供は出てきませんしね。ヒステリックなママの言うことを聞きいれて、その望みを叶え、文句を言わせないようにマウントするのです。

怖い。そういうことを考えて教壇に立っているというのが怖い。

しかし、そんなにかんたんに成績上がるのかいな?

これにはからくりがあります。

まずは中学受験において、模擬試験は学習塾が母体になっているものが多く、そこではだいたいその塾のカリキュラムによって内容が絞られて来るのです。

ですから、長いこと様々な学習塾のテキストを読んでいるとだいたいどんな問題が出るかがわかるわけです。

特に暗記事項が多い分野の時にポイントを絞って教えるとその瞬間は成績が上がるという仕組みです。

これをプリント学習かなにかでお子さんに解かせて「とにかくこれだけを勉強しなさい」というわけです。

確かにこれは短期的な記憶が活かせる期間内では有効ですが、誰かがポイントを絞って、誰かに「何も考えずにやれ」と言われて、入試の本番で効果があると思いますか?

ある訳がないです。

本当に勝ちたいなら徹底的に考え抜くという作業が必要ですよね。

ここには生徒本人の気持ちが一つも生きていないんです。

当事者でない人(この場合は親御さん)の不安を取り除き、それと引き換えに発言権を奪い取り、情報の行き来を妨げ、更にお子さんと親御さんの関係を分断しています。

もちろんテストの点数を要領よく取るにはポイントを絞ったワークブック学習、ドリル学習が必要ですが、それもお子さんが主体的に取り組むという形があってきちんと入試で使える力になるので、大人が、子供のことを考えず自分の恐怖を取り去りたいというマインドで行うのであれば、お子さんにはなんのメリットもありません。

しかも基準なき「いい点を取れ、さもなくば去れ」という意味の分からない脅しをかけ続けられます。

その情報に頻度高く接触する大人は「建前は偏差値教育なんて良くないわといいつつも、裏では誰かを踏み台にしてでも自分の子供の偏差値をあげていい学校に入学させて、子供が失敗しないように、世間からバカにされないように何も考えなくても安泰なレールにのせてあげたい」という願いを持つのです。

しかし、その願いはお子さんを幸せにしますか?

一つの意見に流されず、たくさんの意見に触れてしっかり考えられるようになるのか、狭い業界の意見が唯一のもので、それしかないと思い込むか、その選択によってだいぶ人間の性質は変わります。

しっかりと人とのコミュニケーションをはかって短期的な視点でものをみないようにしてほしいなと思います。

こういうことを書くと、きっと

「おいおい、受験勉強ってのは人を蹴落として、短時間で効率よくやるってもんだよ、キョウコ、分かってねぇよ」

というご意見もあるとは思いますが、インスタント食品を食べ続けたら健康が後に害されていくというのはみなさんがよく知っている話です。

栄養が偏った状態で一生を送るのか?

それとも偏りのない栄養状態にするのがいいのか?

それは明白。

ですからインスタントの勉強を手っ取り早いからという理由ですすめる教師には気をつけてください。

受験産業に長年いて、そういう偏りのある勉強を推奨する先生をたくさんみてきました。

ですからあえて言うのです。

子供さんたちには心が震えるような学習の楽しさを身に着けて世界で活躍してほしいし、タイムリミットのない思考や学習をしてほしいです。そういう長期的な視点で学習をお子さんと一緒にデザインできる先生を是非見つけてほしいと思います。

新学期、お子さんを担当する先生がお子さんに震えるような学ぶ幸せの欠片を届けてくれることを祈ります。

では次の更新でおあいしましょう。



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