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#29 映画『ニューシネマパラダイス』を初めて観て

昨冬、エンリオモリコーネを描いた作品を鑑賞しました。

映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』公式サイト

その事をきっかけに、モリコーネが音楽を手掛ける代表作のひとつ、『ニューシネマパラダイス』、いつかは観たいと思っていた気持ちを更に強めていたところ、この度は、近所の映画館で上映されましたので、大急ぎで行ってきました。

言わずとも知れた作品ですが、まずはストーリーから。

舞台は第二次世界大戦後のイタリアのシチリア島。出征した父親の帰りを母親と妹と待つ映画好きの少年トトは、技師アルフレードにつまみ出されながらも映写室に入り浸り、こっそりと作品を観る日々を過ごしていました。

あることがきっかけで、アルフレードと友好関係が深まり、映写の技術を教えて貰える様になったある日、映写室で火災が起こりました。火の海の中、トトは技師を懸命に助け出します。命は落とさなかったものの、失明を余儀なくされました。

成長したトトは、映画館の支配人から本格的に映写を任されるものの、アルフレードに学問の大切さを説かれて通学することを促されました。

青年トトは恋に落ち、漸く思いが通じたものの、出征することになり彼女とは離れ離れに。

兵役を終えてシチリアに戻った後、彼女との再会は果たせず、失望するトトに、アルフレードはシチリアを離れること、二度と戻らないこと、会いに来るのではなく、名声を聞かせて欲しい、と思いを伝えます。

そこから30年、映画監督として活躍していたトトの元に、アルフレードが亡くなった知らせが届くと、シチリアに戻り、葬儀に出席しました。


物語が進み後半差し掛かると、周りの皆さんも、そして私も、涙をこらえきれません。そして、感動の余り最終日にもう一度来よう!と思いました。

帰宅後この作品についてWikipediaで完全版の内容を知った途端、気持ちが冷めてしまい、2回目は見なくてもいいかなと思うようになりました。

父親の戦死が分かり、まるで父親のように暖かく見守りつつも、落ち込むトトを奮い立たせ背中を押す、アルフレードに尊敬の念を抱きましたが、完全版では、預かったトト宛の彼女のメモを渡さず、傷心のままトトをシチリアから旅立たせたのです。

30年後、彼女がトトの親友と結婚していることを知り、彼女と再会を果たします。そこで彼女は自分と結婚してシチリアに残っていたら、映画監督として大成できなかった、と伝えたそうです。

映画監督として大成したトトは、彼女と別れて以降、本当の恋愛できずにいます。

果たして、どちらの人生がトトとって、納得のいくものだったのでしょうか?

大成する人は、何あっても大成するのでは、と思うので、隠し事はして欲しくない、と言う思いを強く感じます。

今回の本作の上映は、当初1週間でしたが、大変な好評で2週間後に延長されました。私が見に行った日も、空席は、数えるほどで、本当に人気の作品です。

Wikipediaによれば、完全版は不評で、私ががっかりした部分をカットした内容で、イタリア映画人気をら復活に導いた作品と呼ばれる様になったそうです。

と言うことは、やはり、多くのイタリア人も私と同じ感覚という事?でしょうか。

うーん、何だか微妙な作品でした。

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