『メタモルフォーゼの縁側』を観ました

2024の年末年始は芦田愛菜さん主演の映画『メタモルフォーゼの縁側』を観ました。元々原作は読んでいたのですが、アマゾン・プライムビデオで配信されていたので観ることに。内気な漫画好き女子学生がひょんなことからBL漫画を通じてお婆さんと仲良くなり、まさかの主人公が漫画を描くことに挑戦までもする、優しくも成長が描かれている物語です。

原作はキャラクターの思考を描写しているので、実写版はアフレコでのナレーションなど入れないと演技する側は相当大変になりそうな作品なのですが、そのまさか。演技でのみそれぞれの考えや感情を表現させるという、なんとも俳優にかなり要求の高い作品となっていました。っていうかこの役は芦田愛菜さんじゃなきゃ無理だったのでは?笑

作中で登場する漫画もどこまでも優しいと称されてましたが、この作品自体どこまでも優しい世界観です。原作もこのほのぼのとした雰囲気が好きで読破したのを思い出しました。映画でこの空気感を表現するのって難しそうでしたが、個人的には再現率が高いと感じました。まあそれでも原作の方がよかったと感じちゃいますが、そればかしはしょうがない。ただ、原作も映画も各キャラクターがお互いを想い、尊重しあい、それ故に時にはすれ違ったりで、優しさってなんだろう…優しさって難しい…と思わず考えてさせられました。

さて、一部ネタバレですが、僕の一番好きな部分について触れます。主人公が物語の中で同人誌を描くことになり、実際にそれを販売するまでに至ります。普通のフィクションだったら主人公にそれなりにそもそも才能があって、そこで売れっ子になるきっかけを得て、という流れになると思うのですが、見事に裏切ってくれます。頑張ったのに、周りが協力してくれたのに、思ったように売れず、主人公は絶望します。対してお婆さんは2冊も売れたことがすごいと説得します。これ、本当にそうなんですよね。

自分もゲーム配信や、動画投稿をして思ったのですが、お金をもらう行為って本当はとても難しくて商売って本来これくらい大変なことなんだよな、と。サラリーマンでいると当たり前に給料をもらっていて忘れがちですが、自分のやったことに対して、たった200円でも価値をもらえるって本当はすごく重みがあるものなんですよね。配信や動画の世界も同じように厳しく、普段自分が如何に社会の仕組みで守られているのかを痛感させられた記憶が、このシーンを通して蘇りました。あの頃の苦労を思い出し、正直ちょっと涙ぐみました。そして、こうして今、当たり前に幸せでいられていることに改めて感謝でき、この作品を観てよかったと感じさせられましたので、是非ご覧あれ。

アマゾンのプライム会員なら無料で観れますので3連休によかったらどうぞ。

− JumpE

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