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子供とロックファンのためのオーケストラ入門

前にも書きましたが、僕は、スコラ坂本龍一の音楽の学校という番組を担当する前まで、意識的にクラシックと呼ばれる西洋音楽のジャンルを聞いたことがありませんでした。仕事でやむなく取り組んだと言う感じだったので。ですから、クラシックがとっつきにくいと思う人たちが結構たくさんいる理由、その人たちの気持ちよくわかります。今日は、そんな僕がクラシックアレルギーをお持ちの方たちに向けて、クラシック結構おもろいよってことをお伝えしたいと思います。

まず、クラシックは退屈な音楽だ、そして、真面目なやつらが演奏し、真面目なやつらが聴いている音楽だと思っている人たちに向けて、この演奏をお見舞いしたいと思います。

最高。こういうのもあるから。怖がらず旅に出ましょう。

1)音響がすっごく楽しい

クラシックアレルギー除去のための一番いい方法は生演奏を聴くことです。何がすごいかというと音響です。僕は初めてオーケストラを生で聞いた時、音の小さなつぶつぶがステージのいろんな場所から会場全体に飛び散って行くようなイメージを持ちました。テレビとかラジオ、youtubeでは絶対に体験できないことです。

当たり前ですが、オーケストラは、たくさんの人がステージを埋め尽くして、それぞれ楽器持って演奏してるわけです。ですから、音もいろんな場所から聞こえてきます。左前のバイオリンと中央のフルートがコールアンドレスポンスみたいになったり、左後ろから打楽器の音が聞こえてきたり、右端からコントラバスの低音が響いたり。ロックやポップスのコンサートだとPAシステムを使ってる左右のスピーカーから音が出ることが基本ですから、こういった体験にはなりません。オーケストラの生演奏をは、音色もさることながら、いろんな場所から音が聞こえるということこそが特別と言えます。

↑オーケストラの配置一例。

余談ですが、僕は職業柄オーケストラのリハーサルなどを取材したりすることがあります。あるとき、演奏中にオーケストラの中を歩かせてもらったことがあるんです。これがすっごい楽しい。めくるめく音が変わって行くのです。それぞれの演奏者が聴いている音は、当然観客席で聞こえる音とは違うのです。演奏中のオーケストラの中を散歩するワークショップとかできたら楽しいのになといつも思っています。

2)すぐれたDJを探すべし

クラシックは一つの楽曲に対して、とにかくたくさんの演奏があります。演奏によって本当に、全然違うんです!

そう、あんまり好みじゃない演奏を聴いていても、いつまでたっても面白さがわからないという事態に陥ってしまうのです。超かっこいい演奏はあります!クラシックはかっこよくないとか、僕も思ってたけどそれは絶対間違い。クラシックの中にかっこいい演奏とかっこわるい演奏があるだけ。超かっこいい演奏まじでありますから!

聴き比べて見ましょう。ストラヴィンスキーの火の鳥というド派手な楽曲がありますが、4バージョン紹介します。演奏開始から1分くらい聴きくらべてみてください。どれが好きですか?

↑ど頭のティンパニが超派手!!!なんかツェッペリンみたい。

↑この人のは超切れ味がいいんですよね。キレキレ!!!

本人指揮!!!!!何かが宿ってる!!!!!

小澤征爾大先生の指揮!!!

どれも素晴らしい演奏だと思いますが、僕がどれが好きかはキャプションで察してください。。。

ひとまず、名演奏といえど、こんな風に全然違うということがわかっていただけると嬉しいです。

学校の授業でも、一つの楽曲をいろんなオーケストラが演奏するバージョン聞いてみんなで感想言い合うのとかおもしろそうですね。楽曲の解釈とかより簡単そうな気もするのだけど(どうしてやらなんだろう)

最後に、どのようにして、最高の演奏、最高のレコーディングにたどり着くかを少し話します。それはいい選者、DJを見つけるに限ります。僕は幸運なことに坂本龍一さんの音楽全集、scholaのテレビ版を担当していたので、書籍版のscholaの推薦ディスクを頼りに名演奏を探っていきました。scholaはいいですよ。各テーマで書籍になっていてそれぞれの巻末に推薦盤がバーっと紹介してあるんです。推薦文を読みながらでも音源を聴くのは相当楽しいです。scholaは一冊一冊が結構値がはりますが、図書館とかにも置いてあること多いんでよかったら当たって見てください。僕は超オススメします。

https://www.commmons.com/schola/

いや、scholaでなくても全然いいんです。みなさんが、それぞれが信頼のおける選者、いわばDJを見つけて好きな音盤を見つけれると、クラシックが一気に身近に感じられて好きになれると思います。

僕もDJやりますけど、たまにオーケストラの演奏かけたりします。ツイッターで予定呟いたりとかもしているのでよかったら足を運んで見てください。

では、どこかでお会いしましょう!


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