「飛び降りる」という経験

久々に妻と本気の喧嘩をしたら眠れなくなった。頓服を飲んで目を閉じたが気持ちが悪くなり寝ることを半ば諦めてこの文章を書いている。

タイトルの通り飛び降りるという経験をしたことがある人はどれくらいいるだろうか?しかも結構高さのあるところから(大体10メートル程度)

実は自分は何度かある。今日は思い出深かった飛び降りの話をしよう。一つは命綱あり、もう一つは無しだった。命綱がある方は完全にイベントで、なしの方は通過儀礼の面が大きかったように思う。

前者は読売ランドのバンジージャンプコーナーでのこと。会社の同期といつだったか酔った勢いで「バンジーでもやるか」と盛り上がった話が気がついたら現実のイベントになっていた会だった。

あの台、係員のお兄さんが言うにはマンション4階相当らしく下に安全策のネット等があるにも関わらずえらく地面が遠く見えた。

正直死ぬほど怖かった。ああいうのは下を見たら負けだと思うけど見るよね下を。意外と地面が遠いんだなと思うとクラっときたが飛ばなきゃ笑いものにされると思ってヒョイと飛んだ。後から映像見たら超不恰好でそれはそれで死にたくなったが。

命綱なしの飛び降りは小学五年生の時。当時遊び場にしていた畑に高く土が積もっていた。恐らく造成か何かをやる過程の段階でそこに土を保管してたのだろう。

近所のやんちゃ坊主たちとお近づきになりたかった自分はそのてっぺんから飛ぶことを指示された。今考えたら多分10メートルもなく(多分4メートル弱か、いっても5メートル)ガキの自分にはえらく高く聳え立つ山にしか見えなかった。

散々逡巡した挙句飛んだのを覚えている。当然下も柔らかい土なので目立った怪我などはせず無事に通過儀礼は終わった。こちらの方が本来のバンジージャンプに近い形態な気がするが、当時の自分にはそんなこと考える余裕もなかった。

今高いビルや歩道橋に行くとスーッとヘリまで歩きそうになることがある。ヘリまでいって下を見て生きていることを実感することが多い。

この世から退場する方法で一番確実に痛い方法だと思うが、後始末とかいろいろ考えると非生産的な方法だなと毎回思う。とはいえ超高層ビルからの飛び降りは途中で気を失うらしいので生きてるか死んでるかわからんうちに下に着いちゃう感じらしい。それで生き残っちゃ目も当てられないが。

とかく生きていることを忘れそうになったら高いところから飛び降りる(命綱ありで)という行為は結構オススメ。

生きているという実感を味わうか、擬似的に死を体験してみるか…考え方は厭わないが、高いところから飛び降りるという経験は人生でしておいて損のないことだと強く思う丑三つ時であった。

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