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アイスランド旅日誌 (4)

11月22日(到着1日目)
小雨を防寒着の背中で受けながら、濡れた道路を滑らないように 20分ほども歩いてきて、やっと活気のある商店街になり、レストラン、小物ショップ、散髪屋などが目につくようになりました。レストランではベトナムの Phoフォー(麺)屋さんがありました。それからタイ料理。こう言うのはアイスランドには不似合いですね。そんな需要があるとも思えないのだけど、移民が多いのかな?(*)それから散髪屋。今になってみれば、もっと写真を撮っておけばよかった思うのですが、実際にそうやって歩いている時は、とても寒くてポケットに突っ込んだ両の手を出したくなかったのです。
(*)アイスランドの現在の姿を知るには、この旅日誌を書いている noteに連載
   されている『アイスランドから見る風景』という書き物があります。アイス
   ランド在住の日本人女性が書いているようですが、幅広い情報と深い考察に
   よるコメントなどを読むことができるので、非常に有益だと思います。興味
   のある方は検索・一読してみてください。

とにかくどこかで休憩して、暖を取ろう、何か食べようということで、この道沿いにあったパン屋に入りました。ここに決めたのは店内の陳列ケースの前に並んでいた人の数が多かったからで、結果的にはこれが正解でした。しばらく待たされて(この「待たされる」というところも重要ですね、人気のバロメータです)テーブルに就くことができ、僕たちは Madame Croqueマダム クロックMonsieur Croqueムッシュ クロックを注文したのでしたが、これが美味しかった。パンも自分のお店の奥で焼いている、従業員の姿がテーブルからも見える。忙しそうな様子が人気のほどを窺わせるのでした。後で確認したところ、これはガイドブックにも紹介されていたほどのお店だったのです。これはお薦め。お店の名前は『Sandholtサンドホルト』。ここはテイクアウトのサンドイッチやケーキ、クッキーなどもあって(少し高いですが)これも美味しかった。

簡単な食事も終わったし、さらに商店街をショッピングしながら歩いてみました。広い通りではなく、一車線の車道を挟んで歩道が両側にある、その歩道に沿ってレストランや宝石店、散髪屋などが並んでいます。そういうものを見ながらぶらぶらと歩くと(ちなみに午前10時頃でしたが、まだ薄暗くて朝というには程遠いくらいです)、足は自然に丘の上に向かって行きました。いや、自然に丘の上の方に向かうというのは正確ではなくて、その方向にお店が並んでいて歩行者をいざなっているというのですね。どこに向かおうという当てもなく歩いているはずなのに自然と導かれるように、丘の上に向かっていました。
その両側にお店があってウィンドウ ショッピング。アイスランドの名物が並んでいます。アイスランド名物、さぁ何でしょう?パフィン、そのぬいぐるみが並んでいます。オーロラ、その絵葉書や写真があります。大自然の中の滝、カレンダーや壁に貼るポスターをどうぞ。活火山、その灰が入っているという石鹸も売ってます。温泉と言えば、美容クリームや洗顔石鹸。観光業も忙しいですね。^^

さて舗道に挟まれている車道が6つの虹色に塗られていて、その方向に目をやると白い教会が見えました。これが教会だとわかったのはアイスランドで一番有名な教会として写真入りでガイドブックに紹介されていたからです。

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教会の名前は Hallgrimskirkjaハトルグリムスキルキャ(ハトルグリムス教会)、1986年に建立されました。それから20年間ほどはこの教会がアイスランドで一番高い建物だったそうです。そしてこの場所が市の中心の丘の上で、最上階が展望台になっていて周囲が見渡せる、はずですが、今日は小雨も降るような天候ですから、まず無理ですね。それで教会の中だけを拝見してから、小雨と強風の通りに出ました。

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ちなみに(下の地図をご覧ください)教会がある場所は地図の9番、僕たちが滞在したホテルは 13番ですから、それくらいの距離をぶらぶら小一時間で歩ける、それくらいの街です。

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それで一旦ホテルへ戻ってチェック イン、したかったのですが「すみません、部屋がまだ準備できていませんので」と慇懃に言う。「え、それはないだろー、何とかならない?」と交渉です。結局マネージャが出てきて、「こちらのお部屋でいかがでしょう?」と、海に面した部屋を得ることができました。困った時は自力で交渉、これですね。^^

しばらく部屋で休憩した後、夕刻まだ明るいうちに改めて部屋を出て、次は海岸沿いを歩きました。そこで見たオプジェ、何か曰くがあるのかもしれませんが、海岸は風が強いし小雨まじりだし、寒い。写真を撮ったら早々に先を急ぎます。と言うわけで解説なし。

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そのオブジェの先に見えていた大きな建物、これが Harpa Concert Hall。コンサートに行くわけではありませんが、この外観が素晴らしい。左側半分は窓が白く見えますが、実はこの白い部分の色が変化しているのです。紫から青、ピンク、赤と、壮大なものです。そこまで海岸を歩き、建物の中に入りましたが、その空間も圧倒的で色が変わる窓の構造も内側から見ることができて、これも一見の価値ありでしょう。

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そうやって繁華街まで歩き、そろそろ食事をここらで済ませようということになって、適当なレストランを探したものの、なかなか気に入ったものが見つからない。これ以上行くと通りは寂しくなってレストランなんてとても無理、と話していたところ、ありました。『Rosso Pomodoro』という名前は珍しくわかりやすい名前ですね、『赤いトマト』。イタリアン レストランだとすぐにわかる。そういう店構えでした。はい、即決。ドアを引いて中に入ると、これが陽気でイタリアン、もちろんピザとワインを注文しました。それにしてもピザ1枚とグラス ワイン2杯で 7,150 クローネ、ちなみに両替のレートは1クローネが 1円8銭(銭なんてねー)、つまりこれで7千円とは、「うーん、ちょっと高かったね」と話しながら、滑らないように注意しながらホテルまで濡れて凍ったホテルまでの夜道を、背を屈めてゆるゆると歩きました。

ホテルの部屋に戻った夜、時差があって僕はもう眠くて仕方がない。それでも一応旅の記録は残しておこうとペンを持ってデスクに向かったものの、ほとんど眠っていました。そのままスーッと睡眠の世界に入った僕は、床に向かって倒れていったのです。悪いことに頭の位置から床までの放物線上にデスクの角があって、ご丁寧にも厚いガラス板が敷いてありました。必然的に僕の額はこの角をガッと直撃し、ドサッと床に倒れ込みました。(あ痛〜)と額に指を当てたら、1センチほどの傷があって、血が出ていました。(ま、こういうのもアイスランド旅行の記念になっていいか)と眠くて痛い頭で考えながら、ベッドに潜り込んだ初日の夜でした。

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