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フェミニズムは女性のための学問・思想・運動です。

 先日、3月8日は国際女性デーだった。1904年、ニューヨークで婦人参政権を求めたデモが起源となり、国連によって1975年に3月8日を「国際女性デー(International Women’s Day)」として制定されたもので、「国際女性デー」は、すばらしい役割を担ってきた女性たちによってもたらされた勇気と決断を称える日。そして、この日東京でウィメンズマーチ2024というデモも開催された。コールの内容は以下の画像のようになっている。だけれども……。

 見て分かる通り……女性差別に関する事、フェミニズムに関することがほとんどない。家父長制、女性差別する政治家いらない、ジェンダー平等、私の体は私が決める、くらいか?いやぁ……このコールを見て、女性の権利のための、女性差別解消のデモだと思う人はどれぐらいいるだろうか。ぶっちゃけ、これはリベラリズムの主張です。なぜ国際女性デーの日にこういうコールのデモをする必要があるのか分からない、分からなさすぎる。当然ながら、主にラディフェミ、そして一部のリベフェミ女性から猛反発が起きている。そして、それに対して反論しているおそらくリベフェミであろう女性たちの言い分は「これからのフェミニズムはインターセクショナリティであって、あらゆる差別に反対していくもの」というもので、これは到底納得出来ない意見である。
 まず、フェミニズムはフランス革命において女性には自由・平等・友愛のスローガンが適用されていない、女性の権利が丸ごと無視されていることへの反発から生まれたもので、成立過程からして生得的女性、生物学的女性の権利と尊厳を守る、確立するための学問・思想・運動なのは明白である。まさかFeminismのFemがFemaleの事だというのが分からないのだろうか。いや、それは分かってるけど他の差別を許すわけにはいかない、と思っているのかもしれない。それはその通り。でもそれはフェミニズムで取り組むことじゃないんです。リベラリズムなんです。百歩譲って日本国の女性差別がほぼほぼ解消しているような状態だとしましょう。それでもなおフェミニズムが出張ってくる話じゃない。現状は、つい最近の報道によるとこんな感じである。

ジェンダーギャップ指数は2023年で125位。過去最低って……。

また、もしあなたが女性が受ける性被害に関心を持っているなら、毎日のように勇気を持って顔出しなどで過去の性被害を訴えている女性の報道を目にしているはずだ。

 一切の性被害に遭うことなく安心して、安全に日々の生活を送れることは、人権の基本中の基本だ。憲法前文にも「ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とある。もしあなたがフェミニストならば、この最低限の女性の基本的人権を守れ、と絶対に言わないといけない。インターセクショナリティも結構だ。あなたもまたリベラリストでもあるのなら、性的マイノリティーへの差別に反対するのも構わないし、それ自体はすべきだ。だけれども、それを「フェミニスト」として主張するのはどうかやめてほしい。フェミニズムもフェミニストもみんなのママになってみんなを守らなくていいんです。フェミニストはとにかく女性のために活動してほしい、そのためのものなんですから。フックスが「フェミニズムはみんなのもの」という著作を書いていますが、これは「性別人種民族みんなが参加出来るもの」という意味であって、「みんなを守るためのもの」という意味じゃないんです。あなたがたが守るべき人たちは、紹介した記事で顔出しをして必死に自分の権利と尊厳の回復のために戦っている女性達です。もしもそんな事をする気はない、ああ~トランス女性は女性ですぅと言いたいのならばもう好きにすればいいが、そんなあなたをフェミニストであるとは誰も認めてくれないだろう。何が本当にするべき事か見えなくなった人たちに未来が微笑んでくることは決してない、とだけ言っておく。

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