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素朴な温かみのあるペルシャの絨毯~ギャッベとの出会い~

イランといえば、
「ペルシャ絨毯」を思い浮かべる人も多いと思います。
私もその一人です。
美しくて、高級感のあるデザインの絨毯だなという
イメージを持っていました。

今回私が出会ったのは、ペルシャの絨毯といっても、
「ギャッベ」という絨毯です。

一目見て、
「かわいい!!こんなにも素朴なデザインの絨毯もあるんだ!」
と、驚きました。
木や動物、植物などの柄がかわいらしく施されています。

この「ギャッベ」、
本来の宮廷用のペルシャ絨毯とは違い、
元々は遊牧民がテントの中に敷いて使っていたものだそうです。

羊の毛を刈り取って、
手で紡いで、
草木で染めて、
手で織った絨毯。

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自然の染料

とても素朴で力強さがあります。

本来のペルシャ絨毯よりは歴史が浅いものですが、
近年はヨーロッパや中国、日本でも人気の高い絨毯だそうです。


そのギャッベを世界に広めたのがゾランバリ社。
とても良質なギャッベを提供していると評判の会社です。

今回、そのゾランバリ社の倉庫を訪ねました。

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私が住むテヘラン市北部からは車で1時間ほどの場所にあります。

ギャッベは遊牧民が手作業で織るものですが
織られたものがこの倉庫に運ばれてきて
こちらで仕上げの作業が行われています。

その作業を見せていただきました。

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ギャッベについた気を取り除く

まずは、ギャッベについた毛を取り除く作業です。
なんと!!
バーナーの火を使って裏側を燃やします!
黒く焦げたところをブラシでこすると、、、
綺麗になっています!
ウールに難燃性があるため、絨毯は燃えないそう。
すごい!!

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ブラシでこすると、、、綺麗に!

一度編み終わりの部分を切り、
改めてくくり直します。
しっかりくくって、ほどけないようにするのだとか。
若い男性が素早く作業しています。

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網目を結ぶ

次は、機械を使って
プレスしながら余分な毛を切り揃えます。
こうすることで
手触りが抜群、暑さが均一になり文様が際立って美しいギャッベに。

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余分な毛を切り、プレスする

洗う作業はとっても大胆。
水をかけ、専用の洗剤をかけて洗います。
男性3人がかりです。
こうすることでギャッベに輝きがでるそうですよ!

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洗う作業

機械でぎゅっと水分をとり、、、

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洗ったものの 水気をとる

外の敷地に並べます。

圧巻の風景です!
乾燥地帯のイランならではの天日干し。
日本だとなかなか乾かなさそうですよね。

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天日干し

こうして綺麗になった後は、形を整えます。
手作業です。

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形を整える

伸ばして釘で固定して3日間置いておくそうです。

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3日間置いておく

最後に端を斜めにカット。
カットした後は足触りがとっても滑らかになっていました。

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手作業で端をカット

最終チェックを終えたら倉庫へ。
保管されて、売られていきます。

たくさんの絨毯が山積みに!

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倉庫には様々な大きさや形のギャッベがたくさん!

手作業で織られているため、全く同じ柄のものはありません。
一枚一枚眺めているだけで楽しくて
あっという間に時間が過ぎていきます。

私が訪ねた日には、
日本から10人以上の若いバイヤーさんたちが仕入れに訪れていました。

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日本のバイヤーさんたち。真剣!

日本のお客さんの好みをイメージしながら、真剣に品定めをしていました。

私も何か欲しいな〜と思い、選ぶことに。
日本に持って帰ることを考えると
あまり大きいものは買えないな~~~~欲しいけど、、、

大きさも形もたくさんの種類があります。

リビングのテレビボード前に置けるくらいのサイズ、
廊下に敷くような縦に長いタイプ、
玄関マットくらいのサイズ、
座布団サイズ、

形も丸型や立方体のものもありました!

柄は風景画や動物、植物など。
すべてに意味があるそうです。

たとえば、羊の柄は「豊かさのシンボル」。
豊かさもたらす縁起の良い文様。

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樹木の柄は「豊穣、子孫繁栄のシンボル」とされているそう。

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また、ライオンの柄は勇敢さを示す特別な柄だそう。

今は特に、新商品として
ゆる~い雰囲気のライオン柄がたくさん入っていました。

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値段は大きめのものだと500ドルくらい?
(いや、もっともっとするものもたくさん!!!)
小さいものだと50ドルくらいのものも。
大きさだけでなく、編み方や毛の質などでも値段は違うので
ひとつひとつ、聞いてみないと分かりません。
ただ、日本で買うとおそらく何倍もの値段なのだろうなぁ!

色々迷ったあげく、
私は小さい座布団サイズのものを1枚購入しました。
小さい中にも木も動物もさまざまな色も詰め込んだ1枚。
なんとなく初めに気に入ったものでした。
ベースはブラウンなので使いやすそうだなというのもポイントに。

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持ち帰ってさっそく敷いてみると、、、
さわり心地、あたたかさ、可愛さ。
実際に敷いてみるとその魅力はさらに際立ち
すっかり気に入りました!

帰国するまでに、
日本の家のリビングに敷けるくらいの大きさのものも買いたい!!

たくさんの種類がある手作りのギャッベとの出会いは一期一会。
お気に入りの一枚に出会えたときには
思い切って買ってみたいなぁと思います!


おまけ。
この日、娘も行きたい!というので一緒に行きました。
一番小さなものが気に入ったらしく、真剣に選んでいました。
可愛くて美しい色のギャッベは、
7歳の娘でも好きそうなものもたくさん!。
ただ、最近パープル好きな娘。
この日はパープル系のものがあまり種類がなかったので購入は断念しました。
子どもに買うにはかなり贅沢ですが、、、
お気に入りのものに出会えた時には買ってあげようかなぁ、と
すっかりギャッベに魅了されてしまった私です。

7歳の娘も真剣にギャッベ選び!笑

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