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健診の受診率

今日のポイント

  • 成人の健康診断あるいは人間ドックの受診率は70%程度

  • 正規職員>非正規職員(パートや派遣)>その他の順に受診率が高い

  • 健康維持のため、年に1回は健診や人間ドックを受けるようにしましょう

本文

まず、健康診断の原則についてお話します。学校の健康診断は学校保健安全法で定められており、市町村の教育委員会は就学前に健康診断を実施し、学校は毎学年定期的に児童および学校職員の健康診断を実施する必要があります。企業の健康診断は労働安全衛生法で定められており、事業者は労働者に健康診断を実施する義務があります。個人事業主や非就労者は法律で規制されていませんので、個人で自治体が行なっている健診を受診することになります。

このように、私たち国民には健康診断を受ける機会が多くありますが、実際の受診率はどれくらいでしょうか。2019年の国民生活基礎調査では、1年以内に健診あるいは人間ドックを受けた割合は成人男性が74.0%、成人女性が65.6%であったと報告されています。多いような、少ないような。おそらく皆さんがおかれている就業状況次第で印象は全く異なることでしょう。

事業者に健康診断を実施する義務があるため、就業状況と健診の受診率には強い関連があります。2016年の内閣府調査では、健診の受診率は正規職員の成人では男性87.9%、女性85.4%と高く、非正規職員の成人では男性71.6%、女性68.9%と低く、その他の就業形態の成人では男性61.8%、女性57.0%とさらに低い結果であったと報告されています。事業者に義務が課せられている対象者ほど受診率が高い事がわかります。また、女性はどの立場であっても男性より受診率が低いこともわかります。健康診断を受けていない人は、なぜ受けなかったのでしょうか。

健診を受けなかった理由について、2012年と少し古いデータですが厚生労働省が調査しています。結果を見ると、男女ともに「心配な時はいつでも医療機関を受診できるから」「時間がとれなかったから」「めんどうだから」といった理由が多いです。加えて、男性には「健康に自信があって受診の必要性を感じない」「毎年受ける必要性を感じない」女性には「検査や結果が不安」「費用がかかる」といった理由が多いです。

健康診断は、生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の早期発見・早期治療を目的に行われています。 治療自覚症状なく忍び寄る病気を見逃さないためにも、是非年に1回は健診あるいは人間ドックを受けるようにしてくださいね。


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