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3年連続赤字でもライセンスを死守したFC琉球

 こんにちは。Jun.Sです。Jリーグ各クラブの決算数字を分析する中で、いろいろなものが見えてきます。その中で、今回はFC琉球を取り上げました。
 今シーズンより、J2リーグに所属するFC琉球ですが、開幕当初の勢いに陰りが見え始めたほか、ここ数試合勝ちに恵まれず、現在(2019年6月30日現在)の順位は14位となっています(22チーム中)。
 今回、このチームをテーマに取り上げた理由は、

1. 3期連続赤字でもライセンスを剥奪されなかったこと
2. グランパスと同じユニフォームスポンサーで親近感が湧くこと

でありますが、メインはタイトルにもあるように、1.のライセンスについてです。読者の方々が、どこまで理解されているか分かりませんが、従来、財務基準として3年連続赤字のチームは、Jリーグのライセンスが剥奪されるレギュレーションでした。しかしながら、一昨年の改訂により、レギュレーションが緩和され、一定の要件を満たす場合に、剥奪が猶予されるようになっていました。
 私自身、この改正を失念していましたので、延命!?にとても驚きました。したがって、今回は、みなさんにとって分かりにくいであろうレギュレーションを解説してみようと思います。 

レギュレーションの変遷

 現状のレギュレーションでは、ご覧のとおり、改訂前後を並べてみました。

「ただし、ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在の純資産残高がライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度の当期純損失の額の絶対値を上回っている場合は本項目に該当しないものとみなす」??

いかがですか?もう意味分からないですよね?非常に長い文章で、句点もなく、専門家の私でもちょっと・・・。赤文字で示されているこの文章が条件として新たに追加されたのですが、具体的に琉球の数字に当てはめて整理するとこうなります。

「ただし、ライセンスを申請した日の属する事業年度(2019年度)の前年度末日(2019年1月31日)現在の純資産残高(50百万円)が、ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度の当期純損失の額(△48百万円)の絶対値(48百万円)を上回っている場合(50>48)は、本項目に該当しないものとみなす」

具体的な年度や日付、句点を入れることで理解は進んだかと思います。そして、その結論としては、最新の赤字額が、仮に翌年度もう一度同じ金額が続いたとしても、債務超過を免れる状態であれば、猶予してあげる。ということです。(債務超過となれば、即アウトです。これは従来どおり。)と、数字が琉球のものに近いことからデキレースっぽい感じもしますが、まぁ、タマタマでしょう・・・。

足元の実績

 2018年度においては、琉球を含め札幌、仙台など17チームが単年度赤字を計上しており、そのうち新潟と山口は2年連続赤字となりました。これほど多くの赤字運営を強いられる事実も、現実的なJクラブ経営の難しさを示しています。

改めて、琉球の3年連続赤字の内容ですが、こちらをご覧ください。

2016年度から社長が倉林氏に交代したことによる積極的な営業攻勢などが功を奏し、順調にスポンサー収入が増加してきています。赤字幅は見事に約40%に圧縮されたほか、J2に昇格したことも合わせて、2019年度は黒字化を見込んでいるほど。課題は、やはり入場料収入でしょうか。地理的なハンデも大きいものの、J3レベルでも満足できるレベルにはありません。2019年度は、ある程度の自然増が見込まれるものの、無料招待入場者の有料化施策、ライト層の取り込み、グッズ販売を含めた客単価の向上といったところの結果が求められます。


最後に。

琉球を取り上げた2つ目の理由は、ユニフォームスポンサーがグランパスと同じと書きました。それに加え、このようなコミカルな告知が、大好きでついつい肩入れしてしまうのです・・・。


今回の記事は、いかがでしたでしょうか?
琉球に関しては、現経営陣の経営改革は順調に結果となって現れていると思います。最近では、結果が伴わない試合が続いていますが、もう一度シーズン開幕当初の勢いを戻して、躍進して欲しいですね。

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