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お金よりも大切なこと

リモートワークで感じたこと

リモート勤務で気づいたことがあります。「これから業務を始めます」という朝の報告や「本日の業務終了しました」という夕方の報告。この報告をするたびに私は何か強い違和感を感じてしまいます。何かこれって「私は自分の時間を売っています」と自ら言っているような気がしたからです。

私は自分の時間を売っているわけではなく、自分の作ったアイディアや成果物を提供し、その結果として給料をもらっているからです。何故なら、短い時間でよい仕事ができることもありますし、時間をかけてもよい仕事ができないこともあるからです。また自分のアイディアや成果物を提供した結果、関係する人が喜んでくれたりすることが、仕事を頑張るモチベーションになっていると思うからです。

可処分所得から可処分時間へ

今から6年前になりますが、2015年に私は経済財政諮問会議の政策コメンテーター委員会のコメンテーターをしていました。そのコメンテーターの全体会議があり、「日本の成長戦略」について意見を求められる機会がありました。私はその時「今は消費者が買いたいものが少ない時代なので、消費はなかなか上向かないと思います。またたとえ所得が増えても、老後に不安がある限りそれは貯蓄に回ってしまいます。なので、戦後の成功体験である可処分所得を増やす施策から、成熟社会にふさわしい可処分時間を増やす施策に転換してはどうか。可処分時間が増えることによって、モノ消費ではなくコト消費が増えるはず」と提案しました。当時この提案は大変反響が大きく、次の2016年の全体会議で私はキーノートスピーチを依頼されました。もちろんこの提案がどれほどの力になったかはわかりませんが、その後政府は「働き方改革」を推進することになりました。

ひと・まち・情報創造館「武蔵野プレイス」

満員電車に乗って会社に行くのが嫌いな私は、会社を辞めフリーになったら「職住接近」の生活をしようと決めていました。リモートワークを経験してその気持ちがさらに強くなりました。私はまだ会社との契約を延長することも可能ではあったのですが、敢えて来年1月で会社を卒業し、フリーになることを決めました。そしてその活動は中央線沿線でやろうと決めました。

そこで活動の1つとして、仕事仲間とともに市民団体をつくることにしました。それがこの「可処分時間ラボ」です。拠点は「ひと・まち・情報創造」のために武蔵野市が作った武蔵野プレイスに決めました。

コンセプトは「脱・お金中心の価値観」

「可処分時間ラボ」のコンセプトは「脱・お金中心の価値観」。お金から時間へ。モノからコトへ。セカセカからワクワクへ。

私たちは、コロナ時代のリモートワークを経験することで、ライフスタイルを変えざるを得ませんでした。それによって私たちは「これまであたりまえと思っていたことが、実はあたりまえではなかった」ことに気づき、生活のモノサシが変わりました。「可処分時間を増やす」ことは、自分の幸せ探しのためのスタートラインであり、ポストコロナ時代のマーケティングの重要なファクターになると思ったからです。


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