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ガジェットおさわり会を久しぶりに3人でやってみた話

こんにちは、Scientist/Developer Relations として勝手に活動しているじゅんです。研究者のコミュニティを各地・各領域のXRコミュニティに繋いで実験現場がクールになるための活動をしています。
 本日は、帯広からはるばる来札してくれたiPhone LiDAR大好きマンのiwamaさんにHoloLens2を体験してもらう会を開きましたのでその報告メモです。XRミーティングに以前登壇してくれての開催なのでXRミーティングオフ会(札幌)としました。
 今回の記事はみなさんから頂いた協力の様子を書く回です。

内容

 「HoloLensが近くに無いので触ってみたーい!」と以前から言っていたいわまさんのニーズに応えて、HoloLensならではの入力操作のものと、点群の取り扱いのあるもの中心に選んでみました。以下解説。

・Hintアプリ(HoloLens2)
 HoloLensを初めて触るときに必要な操作を覚えるためのチュートリアルのアプリです。手指による操作(エアタップ、タップアンドホールドなど)がスムーズにできるようになります。途中で視線入力の操作も入るため、IPD調整もそこで入ります。以降のMRTK遊びもスムーズになるので全部やってもらいました。

・MRTK Examples Hubs (HoloLens2)の手入力・視線入力
 Mixed Reality Tool Kit の略です。サンプル集として公開されています。UIツールとしての使い心地が自由にテストできるようになっており、手入力、視線入力や重力の有無の挙動なども体感するのによさそうです。

・MRTK (Nreal Light版)
 そんなMRTKですが、#AR_Fukuoka の吉永さんが以前Nreal Right対応版を公開していたものを @s_haya_0820 さんが実機に仕込んでくれていたのでこちらも体験させていただきました。ハンドトラッキングの雰囲気の違いが少しわかりました。

・Azure Kinectの3D点群電話(Quest2)
 いったんARから離れてQuestコンテンツを試すことにしました。福岡にいる吉永さんが自分の周りをAzureKinectで点群ビデオを札幌に向けて発射してくれていたので、Quest2でそれを受けて目の前に表示しながら通話する、ということをやりました。点群なのでスカスカしてますが等身大で相手が視えるのでかなりホンモノ感が感じられます。ちなみにこちらの動きはアバターの動きとして吉永さんに見えているようです。↓は去年のテストの時のもの。

・TechniCapture
 ホロラボ社のアプリで、着用者の身体操作(移動・目の前の手作業・視線移動)を録画し、再生時にはアバターの動きで視界内に再生するアプリです。体験版があります。
 いわまさんのiPhone LiDAR記録時の動作をこのアプリで記録し、再生して本人が視ることで、自分自身のみえかたを知ることができたようでした。

https://hololab.co.jp/technicapture/

・Looking Glass Portraitのデモ
 ゴーグルをかけなくても裸眼で立体感のある映像を見ることができるデバイスです。ニンテンドー3DSの立体表示のようなものを前方の一点でなく複数の視点から体験できる仕組みの光学系が用いられています。Looking Glass PortraitはPCを繋いでいない状態でもプリインストールの3D映像表示デモが動くので、それを見てもらいました。

 
・mixpace (HoloLens2, iPad両方)
 いわまさんが建設系で普段のお仕事しているので、SB C&Sが販売しているホロラボ社開発のmixpaceを体験してもらいました。こちらも体験版があります。デモ版で出せる建築モデルを大きくしたり小さくしたり、空間のトラッキングのずれなさを確認したりできました。

https://biz.cas.softbank.jp/mixpace/

iPad版では3Dモデルの透明度もスライダーで即時変更できて、これも好評でした。ギターの内部構造とか一目瞭然。

・Holo2の点群ライブ表示
 前日22日のxTech ゆるっとLT: エンジニアカフェMaker's and AR Fukuokaのトークでもチラッと表示されたHoloLens2単体での点群スキャン&リアルタイム表示アプリのプロト版をその日のうちに試させてもらえました。そのまま翌日のおさわり会でもう一度みんなで試す感じになりました。

↑ゴーグルをかけないと絶対に伝わらないけど立体のコピーが目の前にさらに立体で視えてる。

反応

おかげさまでとっても良かったです。技術者ならではの遊びも新たに思いついたりする場になってあれやこれややってました。当日は10時集合16時解散でしたが時間が全く足りない!

早朝スタートの日帰りプランという鬼のようなスケジュールですが無事に帯広に帰れたようなので安心しました。

準備と外部の支援

さて私のDeveloper Relationsパートになりますが、例にもれずいくつかの準備をしています。一部を紹介しますね。

発端
 東京HoloLens Meetupの参加者の声を拾って、実施だけは確定します。

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場所
 XRアプリは動き回れる広さと適度に物が置いてある空間があると楽しいので、場所使用の打診もすぐ始めています。コロナ前にXRミーティングを実施する際の会場として使用させていただいていたProVision札幌開発センター(@pv_sap_2005) @s_haya_0820 さんのオフィスをメイン候補として確保させていただきました。
 サブ会場として @gyawan24 さんの13LABOも相談をしてありました。以前にAR Coreのハンズオンなどをこの会場でやらせてもらったことがあり、わりとカジュアルに利用状況などを訊くことができて助かっています。

 また、大通り近辺にも利用できそうな空間があるとの報を見かけて、そちらにも見学に行かせてもらいがてら、HoloLens2をデモしてきています。

アプリ関係
 今回は初の試みとして、ゆる募方式を採ってみました。自分でもプランは考えてみましたが、いわまさん自身が私のなじみの少ない分野の人ということもありますので、集合知でよりよいアイデアが集まることを期待しました。(二日前の夜に突然言い出したので、ゆる募でもなんでもない)

三件のアイデアをいただけ、うち一件を採り入れる事ができました。大変助かりました。企業アプリについても使用の問題ないように話は通してあります。


当日
 緊急事態宣言明けから少し経っている現在ではありますが、一応昼食はデリバリーを頼むことにして、札幌HoloLens Meetupの時のピザを食べました(記事冒頭の画像)。ワクチン二回接種済み3人のみの会にして、ローリスクでの運営にしました。HoloLensはおでこのパッドも交換可能なので、予備を使用してます。お酒はなく、スタバのコーヒーと自販機のドリンクで乾杯しました。16時の解散後、各自の用事に向かいました。
 実は今回の集合は3月のHoloLensハッカソンで地方協力した時以来なので、7か月ぶりになります。会えない間はDoMCNメンバーでモンハンとかやっていたので、会ってない感はあんまりなかったのですが、ちゃんと数えてみたら結構時間がたってました。以前の現地開催ミートアップとの違いは、渡されたアプリインストールパッケージを空き時間に必死でインストールする時間が増えたことですね。


出来てたことのまとめ

 いろいろな仕込みの結果として、未公開のアプリを含めたたくさんのコンテンツを体験する場になりました。コミュニティの繋がりをベースにして企業・個人の枠をまたいだ協力体制が作れていて、それによって体験者第一の場を作ることができたかなと思っています。会場・アプリ・運営に協力していただいたみなさんありがとうございました。
 (こっちのHoloLensミートアップ自体は2年閉じてて、忘れかかっていたやり方をちょっと思い出したりしてそういう意味でも楽しかったです)

余談 

 奇しくも当日の10時からオープンソースカンファレンス2021オンラインの配信も開催されており、西原さん(@tomio2480)が地方(特に北海道)のエンジニアの環境についてのディスカッションをしていました(配信はYoutube 現在は非公開)。

 ITエンジニアの今後の動き予想として、「東京の勉強会の密度をオンライン化で知ってしまった地方エンジニアが、コロナ鎮静化後にむしろ東京近辺に移住する」説をアンケート回答として出したのは私なのですがこの放送でもその意見について議論されていました。
 ”勉強会を運営する側の人間が提供したい体験とかけられる労力のバランスするところをはかって運営スタイルを決める 残念ながらオフラインの方がやりやすい運営者が多い現状を見るにオフラインへの回帰がすすむかも”というお話はその通りだと思います。参加側がそれを見て合理的にどう動くかという話になります。情報だけ欲しい人はオンラインで参加が続くでしょうし、コミュニティに深くかかわりたい人は現場に顔を出しやすい環境を選ぶと思います。
 以上の一般的な話に対して、VR・ARについては一般的なIT技術と違って、ゴーグルなどを実際に”体験しなければわからない”要素が多すぎます。なので、自分が手に入れられないものについてはどこかに出かけていって触るなどの手段が必要になります。触れないものについては、自発的にその技術を始める機会にもつながっていかないので、触れる地域に近づいていくことは考えられます。
 なので、実機の少ない地域においても体験の機会はあるんだよーと発信していくことも、地方のコミュニティ運営にとっても今後はより重要になっていくんだろうと思っているので書いておきました。(「この場所でないと体験できない」コンテンツから「この人でないと体験できない」組み合わせに移行できるともっといいのかもね)

以上です('ω')

(2021/10/24 3915字 120min)