「台湾の大地震から日本の震災対応のお粗末さを見る」

 ゴールデンウイークに入って、被災地の能登にボランティアがたくさん駆けつけているというニュースが流れた。現在の能登の光景を見ると、1月の地震発生当時と全く変わらない街の姿があり、避難所にいる住民たちは仮設のシャワーが有難いと言っている。
しかし、私たちは、4月4日の台湾の大地震の際の救済の素早さ、復興の速さを見せつけられた。地震発生の4時間後には、体育館にテントが並んで建てられ避難した住民のプライバシーが確保されていた。そして、食事も暖かいものが出て、医療スタッフやマッサージの対応まで会った。さらに、学校の休みが終わって開校するので体育館の避難所も元に戻し、避難している人たちは、よりしっかりした建物に移っていった。避難してから4日も経っていない。さらに、花蓮の街の被害で象徴的なビルも数日後には重機が入って解体が始まっていた。
 全てが迅速になされていた。
 翻って、日本に目を転じると1995年の阪神淡路大震災から、日本にボランティア活動が広まっていったと言われているが、それからもう30年近くになるのに、大災害で避難する人たちの姿は全く同じ。体育館や学校の行動などに集まって、床にブルーシートを敷き、その上に布団などを敷き詰めて雑魚寝する、トイレが汚い、風呂に入れない、仮設のシャワーが有難いと数か月経っても言っている。
 もう4ケ月も経っているのに被災した街はいまだに震災直後の状態が残っている。そして、現在、国会で震災復興の補正予算も成立していないのだ。
 この地震大国日本の災害対応は、いつまで経っても経験の積み上げがなく、出たとこ勝負の状態なのだ。明日、日本のどこかで大災害が起こっても、やはり同じ対応が繰り返されることだろう。


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