「プーチンを礼賛する鈴木宗男氏に対して、メディアは何故沈黙するのか?」

 プーチンの大規模な茶番大統領選挙で圧勝したことに対して、鈴木宗男議員は、ロシア国営タス通信に自身のコメントを伝えたという。それによると、鈴木氏は「史上最高の得票率での圧倒的勝利は、プーチン氏の手腕と能力が評価された結果だ」とプーチンを褒めたたえたという。
 また、昨年のことだが、ロシア国営通信社「スプートニク」が10月4日に、鈴木氏のインタビュー動画を配信した。この動画で、鈴木氏は「特別軍事作戦が継続されているが、ロシアの勝利、ロシアがウクライナに対して屈することがない。ここは何の懸念もなく、100%確信を持って、私はロシアの未来、ロシアの明日を私は信じており、理解をしている」と発言している。この動画は日本でニュースでも流れていた。
その行動に対して、当時鈴木氏が所属していた日本維新の会が、役員会で、除名を含む重い処分とする方針を固めたが、鈴木氏自らが離党した。

 これが日本の国会議員として世界に発信しているのだ。
しかし、ウクライナで行われているロシアの侵略戦争はあまりにも非人道的で、日本を含む欧米先進国の間では批判の的になっているのだ。日本政府もそれに連帯して、広島で開催されたG7の会議では、ウクライナ首相ゼレンスキーを招待して支持を表明しているのだ。
 ロシアがウクライナで行ってきた蛮行を、この2年間映像を通して、あるいはニュースで見続けてきた。そして、ウクライナの子どもたち実に2万人をロシアに連れ去ったとしてプーチンは国際的に指名手配されてもいるのだ。民主主義体制の国を権威主義の国が、何の通告もなしに暴力で屈服させようとする暴挙を演じているロシアの行動を賛美することが、どんな感覚でなされているのか全く理解ができない。
 たしかに日本では言論の自由が保障されている。だから、彼の発言を封じることはできない。が、国民の税金で養われている国会議員が取るべき行動ではないと思うし、この言動にメディアが一向に反応しないのは、あまりにも奇妙で理不尽ではないだろうかと思う。

 彼は2010年に北海道開発局発注の工事を巡る受託収賄で懲役2年の実刑判決を受け、公民権が停止されている間に、娘を民主党から国会議員に送り込み、民主党が低迷した時には、その娘を自民党から立候補させ、今、自民党の青年局長になっている。そして、宗男氏自身は公民権が復活してからは維新の会から立候補し、今、国会議員で活動しているのだ。
 おおよそ、政治思想も何もない人間が日本を代表する国会議員として、世界に恥をさらす行為をだれにも咎められずに公然とやることに対し、どこからも批判がない。一体、日本て、どんな国なのだろう。 
 

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