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UMI @LIQUIDROOM(20240402)

 ハピネスとポジティヴが横溢した、フレンドリーなアクト。

 微笑みを絶やさずに、オーディエンスとシンパシーを深め合った70分。癒しと自己肯定の愛に溢れる“ウミ・ヴァイブス”に支配されたフロアは、どこまでもハッピーなグルーヴで満ち足りていた。

 2023年の単独初来日公演から8ヵ月足らずで、再来日を果たした米・ワシントン州シアトル出身のシンガー・ソングライター、ウミ。1月リリースのEP『トーキング・トゥー・ザ・ウィンド』を記念したジャパンツアー〈UMI talking to the wind tour Japan 2024〉は、東京・恵比寿リキッドルームを皮切りに、大阪、福岡を巡る。そのほか、京都・両足院でのメディテーション・イヴェントにも参加するとのこと。そのジャパンツアーの幕開けとなる東京・恵比寿リキッドルーム公演へ足を運んだ。

 初来日となった前回の代官山SPACE ODD公演(記事→「UMI @SPACE ODD(20230817)」)からキャパシティを拡大したが、日本でもその人気は上昇を実感する盛況ぶり。前回同様、パートナーのV・ロンことヴェロニカ・ヴェラのDJとのミニマムなセットだが、規模が大きくなってもハピネスなヴァイブスは変わらず。日本語での可憐なMCも手伝った、口角が緩む数々の瞬間と心身を解してくれる心地よい音楽で、多くに昂揚と多幸をもたらしてくれた。

 ツアータイトルに冠しているEP『トーキング・トゥー・ザ・ウィンド』の収録曲は4曲ゆえ、同EP収録曲が本公演の大部分を占めていた訳ではないが、序盤から終盤までにほどよいバランスで配置。興奮が高まるパフォーマンスを繰り広げた、トピックになり得るシーンとして、ライヴ構成の鍵となっていたようだ。

 前回公演に引き続き、ウミのライヴでは定番といえる瞑想でオーディエンスとともに心身をリラックスさせてから、本編はスタート。MCが流暢な日本語なのも変わらず。愛する“ヴェロちゃん”ことV・ロンのDJをバックに、ヘッドセットを付けたウミは屈託のない笑顔でナチュラルに、ラヴリーに歌い踊る。冒頭の「ホワイ・ドント・ウィ・ゴー」からコール&レスポンス、「スキダカラ」では自然とシンガロングが起こり、「ラヴ・アフェア」では「コノキョクシッテルー?」の問いかけに応えるようにオーディエンスのシンガロングが波打ち、ウミのハートフルな感情がシンパシーとなってフロアいっぱいに広がっていく。

 ウミが持つ朗らかでハピネスなヴァイブスは、あっという間にフロアに浸透。オーディエンスに誕生日の人がいるとみるや、「ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー」やスティーヴィー・ワンダーの「ハッピー・バースデイ」をア・カペラで披露したり、後半ではオーディエンスから6名を指名してステージに上げ、歌や踊りでウミと共演する「フリースタイル」のコーナーを設けるなど、ファン・オーディエンスとのコミュニケーションや共感を大切にするアクトは、実にハートウォーミング。自然と口角が上がるようなリラクシンな空間が続いていた。

 中盤ではアコースティック・ギターを抱えたV・ロンとステージ前方に座り、アンプラグド・スタイルで「マザー」をはじめ3曲を披露。日本では初めて歌うという「シナジー」に続いては、ウミ自身が大好きだというスザの「スヌーズ」をカヴァー。「キョウハ、ミンナデ、カラオケタイカイデス!」と語り掛け、“カラオケニューハイスクール”を開校。温かなシンガロングとコール&レスポンスが紡がれていくなか、笑いとハートフルな感情が絶えないヒーリングタイムに。「ツギノキョクハ、ミンナノタスケガヒツヨウデス!」とこちらもレスポンスを促しての「ノット・ネセサリー」は、ヴォコーダーを駆使したアレンジで愉しませてくれた。

 BTSのVをフィーチャーした「ホウェアエヴァー・ユー・アー」ではVのパートをオーディエンスがシンガロング。本公演はほとんどの楽曲でシンガロングやコール&レスポンスをしたのではと感じるほどだったが、ウミのファンとの共鳴を高めたいと願う気持ちが、そうさせているのだろう。「バタフライ」や「リメンバー・ミー」も楽曲自体は穏やかなテンポなのだが、人懐こくも沁み通るウミのヴォーカルもあって、心地よいグルーヴが生まれていく。

 「コノキョクデハ、ミンナサケンデホシイ」とのリクエストから始まった「ホワットエヴァー・ユー・ライク」では、心地よいグルーヴのまま、テンションをアップさせて、フロア全体でシャウトを響かせて、ストレスを発散。本編の事実上ラストとなったEP『トーキング・トゥー・ザ・ウィンド』収録の「ショウ・ミー・アウト」では、曲中にウミがオーディエンスが作り出した一筋の道を駆け抜けて、フロア中央でクラウドのなかで感情を爆発させていた。それをステージ上から微笑むV・ロンの表情も印象的だった。

 ウミらしくヒーリングなアウトロを終え、鳴り止まないクラップに応えてアンコールに再登場すると、「プリティ・ガール・ハイ!」でも微笑みを絶やさずにシング&ダンス。「マタトーキョーニカエッテクルノ、マイニチ、マイニチ、タノシミニシテマス!」と嬉しいメッセージを投げ、最前列のオーディエンスとハイタッチしながらのステージアウトとなった。

 スピリチュアルな一片も覗かせるヒーリングアクトはあるものの、決して独善的ではなくて、オーディエンスとのコミュニケーションをもとにした所作ゆえに、終始ポジティヴなヴァイブスが横溢。演奏もDJセット(アコースティック・ギター)のみという最小限だが、ウミとV・ロンが創り出すハッピーなムードに、オーディエンスのシンガロングやレスポンス、歓声が重なって、音圧を気にさせない空間となっていた。太陽のような陽気なスマイルで歌い踊るナチュラルなウミに感化され、微笑ましい感情が内から滲み出した、どこまでも愉悦な波長が広がっていくフロアの雰囲気を肌身に感じながら、恵比寿の夜の街を後にした。

◇◇◇
<SET LIST>
00 INTRODUCTION~Meditation(wherever u r)
01 why dont we go (*)
02 Sukidakara
03 Love Affair
04 Happy Birthday To You ~ Happy Birthday(Stevie Wonder)(a cappella)
05 happy im (*)
06 Down to Earth
07 Mother (Acoustic ver.)
08 synergy (Acoustic ver.)
09 Snooze (Acoustic ver.)(original by SZA)
10 Not Necessary (*)
11 FREESTYLE SECTION by Audience
12 wherever u r (original by UMI feat. V of BTS)
13 Butterfly
14 Remember Me
15 whatever u like
16 SHOW ME OUT (*)
17 OUTRO~Prayer
《ENCORE》
18 Pretty Girl hi! 

(*): song from EP "talking to the wind"

<MEMBERS>
UMI(vo)
V-Ron(Veronica Vera)(DJ)

UMI

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【UMIのライヴ記事】
UMI @SPACE ODD(20230817)
UMI @LIQUIDROOM(20240402)(本記事)


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