***june typhoon tokyo***

夜行性ミドルエイジャーなガラ悪スキンヘッドが、心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく…

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夜行性ミドルエイジャーなガラ悪スキンヘッドが、心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくるブログ 「*** june typhoon tokyo ***」のアナザーサイド。 アイコンははっしー(@mogewest)画。ひとまず音楽レポート中心。

マガジン

  • After Especia

    良質なサウンドと秀抜なグルーヴ、ささやかなギミックでカルト的なファンを生んだ、ワンアンドオンリーなガール・コレクティヴ“Especia”出身メンバーのその後の観賞記をまとめました。

最近の記事

aimi @BLUE NOTE PLACE(20240419)

 豊かなR&B愛に満ちた、秀抜なヴァイブスとグルーヴ。  正直なところ、油断していたところをガツンとやられたようだった。2020年に1st EP『Water Me』の収録曲「Sorry」で興味を持ったaimi(アイミ)。拙ブログの「近況注意報 0619 音楽篇」では、「たとえば、シザ(SZA)やシド(syd)、H.E.R.、ジェネイ・アイコあたりの個人的な好物路線をなぞらえそうなタイプ」などと述べていたR&Bシンガー・ソングライターだ。その後も動向を追っていて、翌年リリース

    • UMI @LIQUIDROOM(20240402)

       ハピネスとポジティヴが横溢した、フレンドリーなアクト。  微笑みを絶やさずに、オーディエンスとシンパシーを深め合った70分。癒しと自己肯定の愛に溢れる“ウミ・ヴァイブス”に支配されたフロアは、どこまでもハッピーなグルーヴで満ち足りていた。  2023年の単独初来日公演から8ヵ月足らずで、再来日を果たした米・ワシントン州シアトル出身のシンガー・ソングライター、ウミ。1月リリースのEP『トーキング・トゥー・ザ・ウィンド』を記念したジャパンツアー〈UMI talking to

      • Mia Nascimento @高円寺マシタ(20240330)

         “マシタ”を明るく照らし出す、微笑に溢れたランチタイム・アクト。  JR中央線の高円寺駅すぐにある飲食店街「高円寺マシタ」が開業1周年を迎えるにあたり、3月30日、31日の2日間にわたって記念イヴェントを開催。ケンタッキーフライドチキン前において「マシタdeステージ」と題し、歌・演奏や漫才、サイエンスショーが行なわれたが、そこにラインナップされたミアナシメントのミニライヴへ足を運んだ。12時台の1stステージと15時台の2ndステージとの2部にそれぞれ出演していたが、2n

        • 黒川沙良 ✕ 中津マオ @Ark Hills Cafe(20240329)

           微笑と良質な佳曲に溢れた、好相性なコラボレーション。  六本木一丁目のアークヒルズ・カラヤン広場にある開放感溢れるカフェ「ARK HiLLS CAFE」で行なわれるイヴェント〈The Smiling Hour〉の第2弾に、黒川沙良と中津マオが登場。ともにR&Bやソウル・ミュージックに通底した作風を紡ぐシンガー・ソングライターだけに、ミニマムながらも相性の良さを発揮したコラボレーション・ステージとなった。  黒川沙良は、中国のファンからの熱望もあってか、4月18日の杭州を

        aimi @BLUE NOTE PLACE(20240419)

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        • After Especia
          21本

        記事

          edbl @BLUE NOTE TOKYO(20240323)

           気の置けない仲間とともに紡ぎ出した、痛快なソウル・グルーヴ。  カラフルなイラストテイストの自画像をアートワークにした『サウス・ロンドン・サウンズ』『ブロックウェル・ミックステープ』といった作品で注目を浴び、Nao Yoshiokaと共演したギタリストのKazuki Isogai(磯貝一樹)やiriなどの日本人アーティストとのコラボレーションでも知られる、英北部出身、サウスロンドンを拠点に活動するギタリスト/プロデューサーのedbl(エドブラック)が、バンドセットでの単独

          edbl @BLUE NOTE TOKYO(20240323)

          Janet Jackson / TLC @K-Arena Yokohama(20240320)

           激動の半生の軌跡と傑作アルバム30周年、一度に味わう贅沢な空間。  アンコールで披露したオリジナル曲とリミックス2曲を合わせて3トラックの「トゥゲザー・アゲイン」を盛り込んできたのは、"もう一度一緒に(楽しみたい)”“再びあの頃に戻ろう”という想いを馳せてのものだろうか。楽曲自体は、1997年のアルバム『ザ・ヴェルヴェット・ロープ』からの2ndシングルというとりたてて“旬”ではない楽曲をツアータイトルに冠したのは、世界的なパンデミックをやり過ごし、世界的にさまざまな隔たり

          Janet Jackson / TLC @K-Arena Yokohama(20240320)

          PJ Morton @The Garden Hall(20240317)

           豊かな感情と活力が躍った、エネルギッシュでファンキーな一夜。  近年はすっかりマルーン5の鍵盤奏者として名を馳せ(個人的にはどちらかというと、インディア・アリー「インタレスティド」のプロデュースをはじめとするグラミーウィナーとしてや、ロバート・グラスパー・エクスペリメント『ブラック・レディオ2』への楽曲協力、エリカ・バドゥ、BJ・ザ・シカゴ・キッドらとの仕事などのイメージが強いが)、2022年12月のマルーン5での初のドームツアーでも来日(実はマルーン5は翌2023年10

          PJ Morton @The Garden Hall(20240317)

          水曜日のカンパネラ @日本武道館(20240316)

           詩羽が叫ぶ愛で結束した、オールタイム“水カン”の魅力に満ちた120分。  演者にとって憧れの場所である日本武道館に360度見渡せる8角のセンターステージを舞台に、カラフルなカクテルライトやレーザーライトが四方八方に放たれ、ステージ上空から吊られた螺旋やさまざまな円形へと自在に変化する発光体、ステージの周りをぐるりと回る(ワゴンカート上に作られた桃の)はりぼて、ハーネスによる宙づりシーン……などの演出は、前回のコムアイ時代の日本武道館公演〈八角宇宙〉とはさほど変化なく、目新

          水曜日のカンパネラ @日本武道館(20240316)

          INCOGNITO @高崎芸術劇場(20240310)

           上州の地に吹き起こした、ファンキー・グルーヴの風。  インコグニート恒例の来日公演が、〈INCOGNITO "INTO YOU" Japan Tour 2024〉として開催。結成45周年というメモリアルと、4年ぶりとなる19thアルバム『イントゥ・ユー』を引っ提げた本ツアーは、3月5日から9日までの5日間のブルーノート東京公演に加え、3月10日に高崎(高崎芸術劇場スタジオシアター)、3月12日に大阪(梅田クラブクアトロ)を巡る精力的なものに。その高崎公演へと足を伸ばしてみ

          INCOGNITO @高崎芸術劇場(20240310)

          Jeff Bernat @duo MUSIC EXCHANGE(20240308)

          スウィート&メロウな薫香を振り撒いた、温もりに満ちたステージ。  デビュー・アルバムとなった2011年の自主リリース作『ザ・ジェントルマン・アプローチ』で脚光を浴びて以来、2013年に『モダン・ルネッサンス』、2016年に『イン・ザ・ミーンタイム』、2017年に『アフターワーズ』とアルバム4作を発表。特に東・東南アジア圏を中心に人気を博している、フィリピン・サンバレス州スービック出身で米・ロサンゼルスを拠点に活動しているフィリピン系アメリカンのシンガー・ソングライター/プ

          Jeff Bernat @duo MUSIC EXCHANGE(20240308)

          INCOGNITO @BLUE NOTE TOKYO(20240307)

           45年の成熟と不変のソウルで織りなす、珠玉のファンキー・シナジー。  結成45周年を迎えたジャン=ポール・“ブルーイ”・モーニック率いる超絶ジャズ・ファンク・コレクティヴのインコグニートが、約1年強で日本にカムバック。3月5日から9日までの5日間の恒例のブルーノート東京公演を中心に、3月10日の高崎・高崎芸術劇場スタジオシアターを経て、3月12日の大阪・梅田クラブクアトロまで、ジャパンツアー〈INCOGNITO "INTO YOU" Japan Tour 2024〉を開催

          INCOGNITO @BLUE NOTE TOKYO(20240307)

          竹内アンナ @Billboard Live TOKYO(20240301)

           モダンな染色で新鮮な景色を生んだ、才女とパジャ海とのケミストリー。  デビュー5周年を迎えたシンガー・ソングライターの竹内アンナが、東京、大阪、横浜の3都市を巡る自身初のビルボードライブツアー〈Billboard Live Tour 2024〉を開催。5周年というメモリアルイヤーに相応しく、バックバンドに“パジャ海”ことパジャマで海なんかいかないのクアトロ・セットを招いたスペシャルなステージの初日、東京公演の2ndステージに足を運んだ。  正直なところ、竹内の楽曲を熱心

          竹内アンナ @Billboard Live TOKYO(20240301)

          Roomies @BLUE NOTE PLACE(20240228)

           新たな編成で紡いだ、珠玉のスウィート&グルーヴィ。  都会の夜にフィットするハイブリッドなネオソウル・ミュージックを奏でるRoomies(ルゥミィズ)が、恒例となってきた恵比寿・ブルーノートプレイスでのライヴショウを、2月27日と28日のミッドウィーク2日間にわたって開催。前回Roomiesのステージを観たのも、ここブルーノートプレイスでの2セット・ショウ(「Roomies @BLUE NOTE PLACE(20230411)」)だったが、それ以来約10ヵ月ぶりとなる。今

          Roomies @BLUE NOTE PLACE(20240228)

          Madison McFerrin @BLUE NOTE PLACE(20240217)

           深遠なるソウルを解き放つ才女のミニマムなプレヴューショー。  マクファーリンという名前を聞いてピンと来た人は、全米1位を記録した「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー」で著名なジャズ・シンガーのボビー・マクファーリンや、ロバート・グラスパーやサンダーキャットらとのコラボレーションで知られるテイラー・マクファーリンを思い浮かべる人も少なくないだろう。そのボビーを父に、テイラーを兄にもつのが、マディソン・マクファーリン。音楽的才能に溢れる一家で育ち、バークリー音楽大学で研鑽を積

          Madison McFerrin @BLUE NOTE PLACE(20240217)

          The Brand New Heavies @BLUE NOTE TOKYO(20240215)

           興奮と歓喜に沸いた、ファンキー・ヴァレンタイン。  昨年に続いて、2024年もヴァレンタインデーの時期に来日したアシッド・ジャズ三銃士の一角、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズのブルーノート東京でのファイナル公演を観賞。昨年の来日公演(「The Brand New Heavies @BLUE NOTE TOKYO(20230214)」)からバックヴォーカルのケリ・アーリンデルが加わり、9名編成でのステージに。トランペットがブライアン・コルベットからベン・エドワーズへ替わった以

          The Brand New Heavies @BLUE NOTE TOKYO(20240215)

          矢舟テツロー・トリオ @曼荼羅(20240120)

           耳と舌を満たす薫香で包んだ、軽妙洒脱なひととき。  トマトの酸味を利かせた味わい深い特製カレーを食しながら、洒脱にジャズ・ミュージックを嗜む。門外漢の者にとっては、ジャジィ・ヒップホップなどジャズ・テイストの作風は好みであっても、真正面から“ジャズ”というとどこか難解な印象を持ってしまうのだが、肩肘張らずに気軽にジャズを楽しめるイヴェントを、昨年結成20周年を迎えた矢舟テツロー・トリオが〈JAZZ NIGHTLY〉として開催。小雨が降る夜、吉祥寺にある老舗ライヴハウス「曼

          矢舟テツロー・トリオ @曼荼羅(20240120)